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浄土真宗の味わい 電話法話の原稿 みなさんの一言

驚いたこと  ~意外と多い武士門徒~

2022-09-28 15:40:22 | 日記

 突然 自分の先祖のことを調べてほしいとの電話があります。
関東にお住まいで、東京のお寺に墓地があるが、自宅の過去帳に
郷里のお寺に埋葬した先祖の記録があるので、調べてほしいと。

 お寺の古い過去帳を持ち出して調べましたが、日にちは二日違うものの、
確かに記載がありました。
しかし、明治20年代に作成された墓地明細記には、その記録がなく、
明治維新後 東京へ移られたご家族のようですと、返事をしました。

 その墓地明細帳には、武士であったか、農業などの町人であったかが
記載されていることに気づきました。
浄土真宗はどちらかというと、庶民の宗教、武士の多くは
禅宗など聖道門が多いと思い込んでいましたが、意外や意外、
「士族」との記載が多くあり、驚きました。

お寺が、武士が住む城の近くであり、 藩主が建てさせた寺院のため
なのかもしれませんが、関心を持って、その台帳を詳しく調べてみました。

 290余りの墓地の記録があり、よく判明しないものを除き
275の墓地の内、武士だった方のお墓が106と、その四割近くあり、
埋葬された総数、701人中 318人が武士の家族で 
四割六分 半分近くであることに驚きました。

 エリザベス女王の国葬で、イギリス連邦の参加者が多いのを見て、
キリスト教を先頭に植民地化していった時代があったこと、
それなのに日本は どうして仏教国のままでいられたのか。

 その一つには、鎖国制度を取ったこともあるでしょうが、
外国との入り口、長崎の出島を守る仕事を、佐賀鍋島藩と、
福岡の黒田藩が担当し一年交替で、1000人以上の武士が、
長崎を警護してきたようです。

 何世代にもわたって、出島を通して、外国の情報 キリスト教と仏教の違い、
宗教と植民地政策など、多くの武士集団は、見聞してきたのだろうと、思います。
また直近の大きな戦いが、島原の乱への出兵、キリスト教との戦いでした。
そうした経験が、明治政府での宗教政策の主導的な立場をとったのが、
鍋島藩出身者だったとのお話を彼岸法要のご講師に聞かせていただきました。

 キリスト教の宣教師が出島から本国に送った手紙に、朝晩、庶民の家から
お勤めをする声が聞こえてくるとの報告があるといいます。
生活に根付いた宗教があったために、日本は仏教国として
生き残ったのでしょうが、はたして現代はいかがなものでしょうか。


お世話したのか されたのか ~感じ取る力~

2022-09-20 16:18:42 | 日記

「闘病中の母が亡くなりましたが、葬儀はせずに簡単に済ませたい」
という趣旨の電話があり、対応した坊守さんは 
生み育てていただいたお母さんでしょう。
ちゃんとなさった方が良いですよと、強く勧め、ご自宅へ
枕経にうかがいました。

 小さなお仏壇前の介護ベットで、息を引き取られたとのこと、
訪問看護を受け、ご自宅で療養されていたとのことでした。

 翌日、往診の先生の電話番号が大きく張り出させている台所と、
介護ベットをかたづけた部屋でのお通夜には、
お子さんと三人のお孫さんが参列されました。
13年前、父さんが亡くなられ時 お葬式の後、
自宅での七日七日の法要で、亡きお母さんがお勤されていた正信偈を、
持参していった経本を持ち、みんなで一緒にお勤めをしました。

 人間は、自分の行動、してあげたことは、全部憶えています。
高齢で弱られたお母さんの介護をしたことは、よくおぼえていますが
赤ちゃんのころ、おっぱいを飲ませていただき、おむつを
替え育てていただいたこと。
成長しても、毎日毎日食事を作ってもらったことは、
当たり前で一つもおぼえていません。

 いろいろと親にしてあげたことをおぼえていますが、
お世話していただいたことは全部、忘れています。
お世話をした私、ではなく、お世話いただいた私であったことに
気づくことが出来ると、今までとまったく違った思いが
わいてくるものです。

 恩徳讃を歌ったり、報恩講をお勤めしたり、浄土真宗は 
恩を感じる力を育てていこうという宗教なのではないでしょうか。
自分がお世話した記憶だけでなく、忘れてしまっている
お世話いただいた多くの出来事を思い出し、感じ取る力が
育っていくと、人生はまったく違って、味わえるようになるものです。

 してあげただけではなく、していただいたことに気づくと、
お世話をかけ、ご苦労かけ、育てていただいた私だったと、
ありがたく、喜び多い感謝の人生となるものです。
それを気づかなければ、私一人苦労した、いいことは何もなかったという
不満一杯の辛い苦しい人生で終わってしまうのでしょう。

 有り難さを感じる力を育てていくことで、喜び多い人生へと
転換していくことが出来るものでしょう。
喜べるか、喜べないか。感じる力を育てるか、育てないかで
それは決まってくるものでしょう。

 お念仏は 私のことをいつも思い、見守り励まし、
そして、お浄土へ生まれさせようと、はたらき続ける仏さまに気づき、
感じる力を育ててくださる はたらきがあるのです。
そして、私に対する多くの思いはたらきに気づく力が育つか、
育たないか。

 お聴聞することで お世話いただいいていることを
感じ取る力を、気づく力を養うことがでていくのです。
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏を口にし、耳に聞きながら・・・。

 

 

 


健康寿命日本一  ~お聴聞の人は ~

2022-09-16 14:02:32 | 日記

私ども佐賀県の女性は 健康寿命が日本一になった
とのニュースを見ました。

健康でしかも長生きしたいのが多くの人の願いでしょうが、
国民健康保険中央会が発表した2020年の平均自立期間(健康寿命)で、
「要介護2未満で、日常の動作が自立している期間(年齢)」を示しており、
佐賀県の女性は全国平均(84・4歳)を0・8歳上回り、
5位だった前年より0・6歳延び日本一になりました。
同じく一位は 大分県と長野県だということです。

 WHO(世界保健機関)が2000年に 心身ともに自立し、
健康的に生活できる期間健康寿命を提唱して以来、寿命を
延ばすだけでなく、いかに健康に生活できる期間を
延ばすかに関心が高まっています。

 この記事を読みながら 南無阿弥陀仏とご縁のある方は 
長寿の方が多いことに思いあたり、マイクロソフトの
エクセルに打ち込んだ過去帳で お聴聞の人の平均寿命を
計算してみました。

この10年余り 女性の方で 阿弥陀さまのお話を
よく聞いていたご婦人を抜き出しましたが、その数、30人あまり、
その平均寿命をだすと、なんと96歳余りであることが分かりました。

 仏教は 老病死の苦悩を解決するものといわれますが、
阿弥陀さまのお話を聞いている人は その老病死に適切に対応する
能力が高まっていくのではないでしょうか。

 南無阿弥陀仏とのご縁のない方とお話していますと、
「あの時、ああしておれば良かった、あれがいけなかった」と
過去のことにこだわり、またこれからどうなるだろうかと未来の
不安に悩み苦しんでおられる方があります。
過ぎ去ったことは いくら反省して悔やんでも、もうどうすることも
できませんが、過去にとらわれる心から苦しんでおられるものです。

 お念仏の教えに遇えた方は、過去は過去として、今自分でできることを
精一杯取り組み、成るようにしか成らない。
これで良いんだ、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏と未来を見つめ
やがて、お浄土へ生まれて 仏さまにならせていただく身であると
おおらかに、のびのびと、悩まず苦しまず 生きておいでの方が多いものです。
それが 健康寿命の長さにつながり 長寿につながっているのだろうと、
味わっています。

 



 先日96歳で亡くなった エリザベス女王が、今から70年前、国王になるとき
「いのちが長かろうが短かろうが、生きている限り
国民のために奉仕します。」という趣旨の言葉を述べたということですが、
私たちも、いのち長かろうが、短かろうが、命ある限り、
報恩のお念仏して、いきいきと、のびやかに生きていきたいものです。