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あべっち v(^▽^)~♪ の『のほほん・とほほん・ボヤ記』

ここでUPするのは日記と言うより日々のボヤキだったりするべさ(笑)
只今、引っ越し先をどうするか悩み中。

『スターの臨終』

2025-03-16 23:28:08 | ごにょごにょ...独り言。

刺激が凄く強めのタイトルをつけていますが

実は、昨日・今日で読んでいた新刊のタイトルです。

 

    小泉信一さん 『スターの臨終』 新潮新書

 

著者の小泉さんは、朝日新聞の記者で、主に「大衆文化担当」として、現役を貫いて取材に奔走されたそうです。

表表紙の帯に書いてある通り、この本では、芸能界で活躍された方々の訃報に触れた際に

取材したものを改めて掘り起こし、編集されたものだそうです。

 

映画やドラマ、舞台など、演技の分野で活躍された俳優。

演歌やアニメ、ブルース、アイドルなど歌声で時代を彩った歌い手。

酒場界隈や歌謡界の文化、お茶の間のTVの中にいた人。

リングで戦いに挑み続けた強者たち。

人を笑わせることに人生を捧げたコメディアン。

 

1人1人、それぞれが属する芸能・文化等の世界に入るまでの人生を紐解いていくと

幼少時代に苦労があったからこそ、芸能の道へ進んだ人もいれば、

きらびやかで華やかな世界への憧れから挑戦をし続け、芸能界入りの切符を手にした人など

出自も含めて、その経緯は本当にさまざま。

 

皆さんも最初は自分と同じように、ごく普通の一般人として生まれて、日常生活を過ごしていたけれど

目の前に訪れたちょっとしたキッカケ、または掴めたチャンスや運を確実に自分のモノにし、

その世界に身を投じたからにはと、真摯に努力や挑戦をして、自分の「芸」に邁進していたんだろうなと。

 

この本の中に登場される皆さんは、主に昭和生まれで、平成時代にかけて活躍された方がほとんど。

高度経済成長で、日本中が活気づいて、生きていくエネルギーが漲っていたときもあれば、

時代が進むとともに、だんだんと景気も落ちていき、社会の空気も暗くなっていく背景を読んでいると

自分も同じような時代に生まれて、生きつつも同じように老いていることを実感せざるを得ませんでした。

 

常に人の目にさらされる不安の中で、芸能の世界で果敢に戦い続けた皆さんが

本当の素に戻れる瞬間って、どれだけだったんだろう?

誰にも知られたくないプライベート、精神的な葛藤や人知れず抱えている病い。

華やかな世界に身を置く人たちも、自分たちと同じひとりの人間。

人生の幕引きが、どんなかたちであれど

その人が残した経歴、数々の作品、芸能史に名を刻んだことは間違いなく今後も語られていくでしょう。

そして。

 

この本を書いた小泉信一さん。

裏表紙の帯に書かれているとおり、道半ばでこの世を去っております。

小泉さんは、この本の編集作業をしている中で、病による余命宣告を受けていたとのこと。

ご自身も闘病しながら、取材対象者の、泥臭くとも逞しく生きていくことの強さ、

垣間見えた人間くささ、生きていくことの尊さをしっかりと伝えてくださっています。

 

完成したこの著書を、小泉さんご自身が手に取ることができなかったことは、至極残念です。

小泉さんの取材した人たちへの心からの感謝、尊敬、そして愛情を感じ取れた1冊です。

後に遺志を引き継いで、編集作業に携わった新潮新書のスタッフの皆様、

お疲れさまでした&ありがとうございました。

あと表現が正しいのかわからないのですが、無事に出版できたことにおめでとうございます。

 

ここを覗いてくださったみなさま、よろしければ、ぜひ読んでみてください。



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