through the frozen window

ふさわしい言葉を探しているうちに、小さな羽音だけを残して、遠くへ。

reflection

2004-11-12 | Weblog
どうしてだろう。
話しかけても、聴こえない。
まだ横顔のままでいる。
手を伸ばせば、指先は届くのに、
触れられないほど遠くに感じる。
窓の外の雨のほうが、
身体を通り越して、ずっと近くにある。
雨がチカラを貸してくれる。
時間をかけて、氷を溶かして、
やっと言葉が届いても、
何処か遠いところから、
数秒だけ、偶然笑顔が舞い戻って来て、
その表層を撫でてから、
すれ違うように消えてゆく。
冷たい頬の上で、
一度だけ躊躇する。

それは笑顔とは逆に、
その印象を悲しくさせる。
あまりに小さく青白い。
重い言葉を、
チカラを込めずに、淡々と話す。

4 コメント

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近いのに遠い (a_loquat)
2004-11-12 14:07:05
手に届きそうで届かない。

届いたと思ったら、想像していたぬくもりと違っていた。。。



小さい時のある日を思い出しました。

私のものだと思っていたその手は、実は違うのだと。

触った手のぬくもりで、悟ってしまった日のコトを。



昔々のお話です。
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Unknown (よしのり)
2004-11-12 17:11:05
なぜかしら?この文章の後半に見覚えがあります。同じような表\現どこかで使いました?
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a_loquatさんありがとう。 (トモロヲ)
2004-11-13 00:20:52
自分の為だけにあったはずの手が、

他の人に握られていること、

握ってくれた手に、

感情が宿っていないこと、

大切に思っていても、その手が離れてしまうこと。

人と別れることは、

小さな自分と他者を知る事になる。



温かさ。

振りほどいたその指が、

髪を、頬を、顎を、

触れた感触が、

まだそこに残っている。

それがかつて温かかったから、

その冷たさに、驚いて手を引っ込める。
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すごいです。よしのりさん。 (トモロヲ)
2004-11-13 00:25:18
コメントありがとうございます。

判ってしまいましたか。びっくりしました。

そうなんです。表現は違いますが、

10日に書いた文章の最後の部分だったのです。



書き上げてから、

読んでみて、しっくり来なかったのです。

それで実は10日の分も、細かく全部書き直しました。

多分たいしたことではないのですが。

書き上げてから読んでみて、

どうしても最後の部分に、他のイメージを思い浮かべたので、

そこだけの為に、この文章を作り直しました。

少しは伝えられることができるようになったでしょうか。

客観的にならないと、自分では判らなくて。



読んで頂いていて、とても感謝しています。

残念ですが、前向きな文章はもう少し待って下さい。

また立ち寄って頂けることを、

心待ちにしています。

忌憚ないコメントをこれからも是非お願い致します。
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