pinのかけら

人生ってながい…

おんなじ景色を眺めるということ

2006-07-10 | こころころころ
先日、新潟の友達の結婚式の帰りのこと。
最寄りの駅で降ろしてらおうと、式場から出ていたマイクロバスに乗り込んだ。
しばらくの間は、近くに座った人と「いい式でしたね~」などとお話をしていたけど、
途中で次々と人が降りていって、残ったのは新婦の両親とほか2~3人に…
話も途切れ、私は窓の外を流れる新潟らしい田園風景をぼんやりと眺めていた。
その時、私は「あ!!」と思った。
きれいに並んだ稲がストライプを描いていて、その延長線上、田んぼのまん中の道を4~5人の子どもが自転車で走っている。
なんでもない景色なのかもしれないけど、西日に照らされて、田んぼの水面も子供達の自転車もキラキラと輝いていて私にはとても素敵な絵に見えた。
「あ~、車を停めて写真を撮りたい~!!」
私は、そう思いながらその景色を眺めていた。
その後、私は結局、新婦のお父さんの「湯沢の駅まで送るよ」のお言葉に甘え、新婦の実家まで行ってから(本当なら嫁いだ娘を想って夫婦でしんみり…の時間なのに、私ったら図々しかった??)、湯沢まで自家用車で送ってもらった。
その車の中でお父さんが
「さっき、バスに乗ってるとき、田んぼの道を子供達が自転車で走っていたでしょ、あなた、どう思ってみていた?」
と話しかけてきた。
私はちょっとびっくりした。
ほんの一瞬で通り過ぎていったなんということもない景色なのに…同じ景色を見ていた!
しかも、お父さんは私がその景色を心にとめていたことを確信して話しかけてきている。
「あぁ、素敵だな~!写真に撮りたい!!って思ってみていました」と私。
「いいよね、ああやって田んぼの中を自転車で走ってくれる子供がまだいてくれるってありがたいよね」とお父さん。
そんな会話をしながら、忘れかけていた居心地のいいあたたかい感覚を思い出したような気がした。
学生時代の友人と分かち合った空気感というのかな…
“いいな”と思うところが似ていて、同じ景色を同じ目線でみることが出来て…そういう感覚。
学生の頃の友達って、なんのしがらみもなく、自然と引き寄せられるものがあって、いつのまにか仲良くなった人たち。
言葉がなくてもちゃんとどこか通じていて、居心地のよかった空間。
今、普段つきあっている人たちは、たいてい仕事関係、子供関係、だんなの友達…と、必要があってのおつきあい。(中には気の合う仲良しのお友達もできましたけどね)
どこか構えていて、どこか一歩引いていて…当たり障りなく…そんなつきあいかたがいつの間にか普通になっていたんだなぁ…なんて思った。
そして、こうやってブログを書いたり、人のブログを読んだりするのも、ある意味、おんなじ空気を感じることのできる人と居心地のいい場所を捜しているのかもしれないな、なんて風にも思った。
“私もそう思うよ”とか“いいね~”なんてコメントがもらえたらうれしいな~なんて…
なかなか出会えないですけどね。

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