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月日はパーフォレーション。

日々のつれづれ。駄文、音楽・映画の感想など。

映画「太陽」を観た。

2016-04-28 00:44:13 | 映画館で鑑賞
少しずつ、新作映画の感想も書いていきます。
水曜日と木曜日は女性サービスデーの館が多いので、映画をよく観る。
観てよかった、と思える映画に出会いたくて通っているのだと思う。
「太陽」も、不思議な魅力のある映画だった。

太陽の下で暮らす、貧しい暮らしのキュリオと、
太陽に当たると死んでしまう、文明人のノクスの世界を描いている。
特殊な設定がすんなりと入ってくる脚本の力を感じた。

観る楽しみがなくなると思うから、ここでは詳しいあらすじは避けるが、
キャラクターそれぞれの考えが丁寧に描かれていて、胸に迫ってくる。
どの人物の心情も、すごく痛みを伴って迫ってくる。
現代の医学では現実には「できない」ノクスになる「方法」。
「出来ないこと」であることに、大きな意味があると思う。

どこかへ行こうとすることは、違う世界に憧れるということは、
何かを手に入れようとすることは、こんなにも苦しいのだと。
世の中の苦しみをかき集めてキャラクターの姿を借りて語らせたような。

生きるために働くか、自分の力で生きるか。
「豊かな」暮らしとは何かをとことん追求したような作品。
お互いの交わらない世界が崩壊する日は来るのだろうか。
それが、真の平和なのだろうか。それとも、どちらの世界も同じなのか。

深いテーマがありながら、物語としても楽しめる映画です。
何よりも、役者がみんな良い演技をしているし、
脚本も書いている入江悠監督の力も大きいのでは。
ドラマをエンターテイメントに撮るので、注目している。
この世の中の縮図が、この映画にある。