測定器は、基準物理量と入力物理量との比を出力します。
この比は単なる数値(無名量)なので、物理量の次元は消失しています。
従って、この比だけから元の物理量を復元することは原理的に不可能です。
測定器出力は、物理量ではなく情報概念なのです。
一方、測定者は測定器の出力である比に物理量の次元を付与して測定値とします。
測定器の出力は単なる比なので次元のついた測定値とは性格が違います。
物理学者は、単純に「測定器出力(情報概念)=測定値(物理量)」と誤解しています。
この事実は、物理学者によるカテゴリー錯誤です。
物理学者によるカテゴリー錯誤は、この例にとどまらず量子力学における観測問題などにも見られます。
例えば、波束の収縮は物質現象ではなく複素関数である波動関数の変化という非物質現象なのです。