
朝日新聞朝刊の連載「患者を生きる」の4月12日分に、「首の骨折」のケースとして、内田博之騎手が取り上げられている。
'11年の大井競馬場トゥインクルレースでの落馬事故の詳細が、本人へのインタビューを交えて取り上げられており、過酷な状況だったことがよくわかる内容となっている。
事故が起きたのが午後8時前で、競馬場近くの病院は2時間待ちの状態だった。
意識もはっきりしているし、手足も動くが、「この首の状態は、絶対に普通の痛みじゃない。長い時間待っていちゃダメだ」と、奥さんに電話をして搬送先を調べてもらったもらったそうだ。
病院では「ストップ!動かないで。首の骨が折れています。動くと死んじゃいますよ」と言われたそうだ。
頭と首を固定するため、金属の輪とフレームを4本のボルトで頭蓋骨に固定。
病室では、体を横たえたまま頭は動かせず、ただ天井を見つめるだけで、差し込まれたボルトで頭が割れるのではないかと思うほど締め付けられる痛みが続いたそうだ。
車よりスピードは出ないが、車と違って、自分で完全に馬を御すこともできないし、頑丈なシャーシに守られているわけでもないから、まさに死と隣り合わせの仕事、であることが、今更ながらわかる。
今週はここまでで、あと3回連載が続くそうだが、この後どのような話が聞けるのか、興味深い。