極私的映画論+α

+αは・・・日記です(^^;
最近はすっかり+αばかりになってしまいました(笑)

柄本佑 2作品

2020-01-04 16:45:35 | 日本映画(DVD・TV)
素敵なダイナマイトスキャンダル [Blu-ray]
バンダイナムコアーツ
バンダイナムコアーツ



 素敵なダイナマイトスキャンダル 2018 138分


 少年時代に母親が隣家の息子とダイナマイトで心中するという衝撃的な体験をした末井昭。高校卒業後、工場に憧れて田舎を飛び出し大阪で就職するも、すぐに退社。その後上京し、キャバレーの看板描きなどの仕事を転々とし、やがてエロ雑誌の世界に足を踏み入れる。編集長として警察との攻防の末にエロ雑誌の創刊・廃刊を繰り返しながら、写真家の荒木さんをはじめ様々な才能との出会いを重ねていく末井だったが…。


きみの鳥はうたえる 特別版 [Blu-ray]
柄本佑,石橋静河,染谷将太,足立智充,山本亜依
TCエンタテインメント


 きみの鳥はうたえる 2018 106分

 函館郊外の書店で働く「僕」は、失業中の静雄と小さなアパートで一緒に暮らしていた。そんな中、ふとしたきっかけで関係を持った同僚の佐知子が、毎晩のようにアパートへ遊びに来るようになる。佐知子と恋人のような関係になりながらも、静雄も加えた3人で過ごす気ままな青春を謳歌していく「僕」だったが…。




 WOWOW&日映専 ★★★☆


 柄本佑はいい役者になりました。デビュー&初主演作でもある「美しい夏キリシマ」のころはまだ17歳でしたが、両親が名バイプレイヤーであることのプレッシャーに負けること無く戦時中の思春期の性をきれいに演じてました。
 「素敵なダイナマイトスキャンダル」は1980年代に白夜書房にて「写真時代」というなかなかエロい雑誌の編集長の実話をベースに、1960年代後半~1980年代後半までの20年を描いていて、サブカルチャーの20年間という雰囲気もあり、もちろん現代のお話ではないわけで、私もギリギリで知っている(っていうか、写真時代は私が書店勤務だった頃に爆発的に売れてましたが)とても懐かしいお話です。ただ、編集長の母親が不倫相手の若者とダイナマイトで心中を遂げたという「実話」があまりにもすごすぎて、彼のその後の人生にもちろん多大な影響を与えてはいますが、母親に比べればやっぱ小市民なわけで、母親の幻影にずっと悩まされる、ただしいマザコンであると思います。

 「きみの鳥はうたえる」は若くして自死した小説家佐藤泰志の作品の映画化で、彼の死語随分経ってからいろいろな作品が映画化されどれも高い評価を得ているわけで、自死しなかったらどうなっていたんだろうな?という疑問と、示指したからこそ取り上げられてるのでは?なんてイケズも言いたくなるのも事実で、実際この数年で彼の原作の映画化は『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』『オーバー・フェンス』『きみの鳥はうたえる』など、どれも賞レースで観るタイトルばかりです。

 とても切ない四角関係(?)のお話で、本来はこのエンディングの後どうなったかが知りたいわけですが、一番いいところでエンドロールが流れるという、カタルシスを得られない作品でした(笑)

 柄本佑のこの2本はどちらも主演ですが、バイプレイヤーとしても本当にいい味を見せてくれています。「アルキメデスの大戦」もなかなか良かったですね。


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