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昭和37年、瀬戸内海に面する備後市。運送会社に勤めるヤスは武骨で不器用な男。最愛の妻・美佐子の妊娠にも、上手に喜びを表すことができなかった。やがて愛らしい男の子アキラが生まれ、幸せいっぱいのヤス。しかしアキラが3歳の時、美佐子が突然の事故で亡くなってしまう。喪失の悲しみと、アキラを一人で育てることへの戸惑いで途方に暮れるヤス。しかし、町の人々の優しさと励ましに支えられ、懸命にアキラを育てていくヤスだったが…。
映画館 ★★★☆
登場人物の誰一人、やな奴がいないという、イマドキ珍しい作品。過去に二度もTVドラマ化されていて、私は両方とも一度も観たことはないんだけど、だいたいどのようなお話であるかってことは知っていました。
舞台は昭和37年から始まります。私が昭和35年生まれだし、主人公アキラの両親もほぼほぼ私の両親と同い年。さすがに我が家にはオート三輪はなかったけど、段ボールケースやPPバンドが普及していない頃の「荷物」ってあんな感じだったことはもちろんよく覚えています。我が家の家業が包装梱包材料販売だったので、荒縄や木箱などたくさん積み上げられていたのも懐かしい感じです。
ただ、私のオヤジは商売人だったのに、運転免許を持ってなくってね。なのででかい運搬用の自転車の前に私を載せて、後ろの荷台に荒縄を積み上げてよく配達していました。まさにこの映画の世界です。オヤジは仕入れ業者から「大将」なんて呼ばれてたし(まだ30歳前)私もいずれ「大将」になるんだって感じでしたね。
私の世代前後の人なら昭和37年から始まって、令和元年までの57年間に及ぶ物語で、その都度その次代を表す小道具や車が出てくるのが「嗚呼懐かしい」と感じさせてくれます。その割には「とんび」の顔が殆ど変わらないのもご愛嬌です(笑)もっとも「とんび」が出てくるのは昭和の最後の方までで、平成の30年間はほとんどシーンに出てこなかったので・・・って言っても、昭和のシーンも30年近くあるんだけどね。
「逃亡医F」で強烈な悪役を演じた安田顕がこの作品では強烈な善人(浄土真宗の寺の息子)を演じてるのはさすがにうまいと感じましたし、実年齢では13日だけお姉さんの薬師丸ひろ子は阿部寛のお姉さん役でしたが、これもドンピシャとハマっていました。
ただ、アキラこと北村匠海が高校生から還暦オヤジまで演じてたのがさすがに苦しかったかな(笑)ま、これも致し方ないでしょう。
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