黒髪山紅葉と湾洞

西九州自動車道路が無料になってから黒髪山が随分近くなったはずですが、高速道路代金を節約しようと今まで使わずじまいでした。今日はどれぐらいの時間短縮になるのか使ってみましょう。自宅から龍門ダム駐車場の登り口までわずか１時間で着いたのです。便利で手軽、ぐんと黒髪山系が通い易くなりました。
決まったルート以外は登りたくないアチさんと違って、ちょっとでも目先を変えたいbamboo。以前から、湾洞ルートは正式登山道からわずかに入り込んだルートで踏み跡もありケルンやテープがあると情報収集はしていました。「藪漕ぎではなく一応ルートがあるよ」と、アチさんを誘って湾洞行きが実現しました。
聞きなれない湾洞？海辺や川辺に水の流れでできた小さな湾のことを云うと説明されていました。
さてさてどんな『湾洞』が待っているのやら・・・。

ルートは下図参照、行動時間は４時間弱でした。地図は『黒髪山系の植物』よりお借りし、通ったルートを緑色で書き加えています。

駐車場には早朝だというのに川魚を焼く香ばしい臭いが漂っていました（天童岩までも立ち上っていた）。夏場にそよ風さんと食べた美味しい鯉こく料理を思い出しごくんと唾を飲み込みました。
登山道入り口のいろは楓が美しく迎えてくれたので、まだ紅葉の名残を龍門渓谷で観れそうです。

今年は近場の紅葉にツイテいました。黒髪山系頂上付近はほとんど常緑樹ですが、渓谷沿いの大木の木々の紅葉は終焉の際立つ華やかさを添え壮麗でした。

登山ルートの沢が切れる間際、登山道の向きが鋭角に変化する地点から入り込みます。コンパスの角度を合わせて進むと所々にケルンが積んであるのに気づきました。岩がごろごろする谷を３０分程入り込んだ頃に朽ちた標識が下がっていました。かすんだ湾洞の文字が読取れます。「宝探しをしているみたい！」bambooにはこのどきどきわくわく感がたまりません。クリック→

果たして入り口は↓。想像以下の小さな空間に"しょぼい”と思わず声に出してしまいました。”大地の子エイラ”が住んでいる様な洞窟を期待していたのですが・・・。でこぼこでざらざらの感触は安山岩なのでしょうか？中にはロープが垂らしてありました。

アチさんはむしろこちらに感激。彼が「おお、これは恐竜根だ！」と喜んだ湾洞出口前の木です。恐竜がむんずと立った両足の真ん中に尻尾が垂れているのだそうです。そう見えないこともないかなぁ・・・。

雌岩分岐の登山道に合流するまでの道のりもまた楽しからずや。急斜面の岩場にはロングロープが張られていて岩登りが満喫できます。

途中岩場に残っていたアヤメ科檜扇（ヒオウギ）のさく果です。漆黒色の種子は射干玉（ヌバタマ）と呼ばれ、和歌の　『黒』、『夜』、『夕』、『月』などにかかる枕詞に使われます。万葉集、山部赤人が詠んだ歌を紹介。ぬばたまの夜のふけゆけば久木に生ふる清き川原に千鳥しば鳴く。花は未だ見たことがないので来年８月に会いにいく楽しみが増えました。
　　　　　　　　

　

岸峰に立つと後黒髪が間近に迫って見えました。

早朝冷え込んだので山girl？？？をヒントにりバシーブル・巻きスカートをズボンの上から試しに着てみました。腰が冷えずに暖かく、冬場に重宝すること間違いなしです。是非お試し下さい。
蛇焼山、後黒髪尾根は風が強く吹き、温度計は２℃を示していましたが、体感温度はもっと低かったと思います。