虹パパの日記〜「きれいなおじさんは苦手ですか?」〜

【小説】日の丸恵之助(ひのまる めぐみのすけ)物語〜その42〜

体の仕組みを知り、体を整える手技を施す。
数をこなせばこなすほどに、体だけを診ていても、体は整わないことを思い知る。

やはり、体と心の両方を診ないと、体を整えることはできないことに気づく。

恵之助は、「心理療法」「哲学」「精神世界」の勉強も始めた。
体の勉強も深いが、精神・心の世界はもっと深い。

自分の体、自分の心が整わないことには、他人の心身を整えることなどできない、とまで思うようになっていた。

と同時に、整体に頼ってくる人。自分で治そうとする気持ち、努力が少なく、お金を払って整体をしてもらいさえすれば体の不調は治るはずという依存に近いリピーター客を治すことは難しいということにも気づいてしまった恵之助。

次第に、整体を他人に施すことが苦痛になっていった。
それよりも、自分の心を整える。自分の心身を整える方法を追求したい思いが日に日に大きくなっていく。
自分に対する整体は嬉々として行っていた。

整体師として15年を迎えた年に、整体院の院長から

「これからは、高齢化社会だからうちもデイサービスを立ち上げたいと思う。日の丸、デイサービスについてちょっと調べてみてくれないか?」

と依頼を受けた。

恵之助は、デイサービスについて調べているうちに、
これから絶対に必要な仕事は介護だ!
と強く思うようになっていった。

恵之助、39歳。
妻一人、子二人。
転職するには年齢的にギリギリのところ。
収入も減るが、生涯現役、自分が介護される年齢になっても
ずっと働き続ける覚悟で、介護業界へ転職することを決意したのでした。

つづく。

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