今日は何日か前から決めて、ドイツさんと遊びに行く予定だった。
結局相手側の体調不良でなくなってしまったが。
母や家族にドイツさんと遊びに行くね、と伝えた。
久々に早起きして8時代に起きてご飯を食べていたら、母がドイツさんについて話を聞いてきた。
「ドイツさんって誰だっけ?」
「……ほら、あの。『女』みたいな人……」
「ああ。いくら女っぽいからと言って男なんだから、気をつけなさい」
ドイツさんは、いわゆる心と体の性が一致しない病気の人だ。
体は男なんだけど、心は女性という。
ブログでも書いておこうと思ったけど、ためらって書けなくてはぐらかすように書いていた気がする。
病名を出してしまうと検索した人に引っかかってしまうかもしれないので、伏せておくかな。
母にはこの会話の後、ちゃんとそういう病気なんだって伝えた。
以前母にはドイツさんはこういう病気なんだよって伝えた。
今回はそれを忘れていて、私が病気を伏せた曖昧な受け答えをしてしまったからこんなことを言ったのだろうか……。
元々母はドイツさんの病気の人に厳しかった。
厳しいというか、理解がない人なのだ。
私が高1くらいの頃、母と荻窪のレストランで食事をした。
店内はお昼時とあってまあまあ混んでいた。
3席ほど離れたところから、にぎやかな笑い声が聞こえた。
多くの人が反射的にそちらを振り返った。
何故かというと、数人の女性の笑い声と混じって、男性の声がしたから。
私も振り返る一人だった。
4人掛けの席に3人の若いギャルと、女装をした若いギャル風の男性だった。
「女装」というとあれだけれど、振る舞いや喋り方からすると、ドイツさんと同じ心と体の性が一致しない病気の人だった。
すぐに首を元に戻して目の前にある料理を食べだそうとすると、母がニヤりと笑いながら
「ねえ、あの人さ」
と喋りだした。
「やめなよ」と小声で諭して止めたけど、母のそういう神経が信じられなかった。
母は悪い人ではないし全く悪気も悪意もない。
説明して納得させない限り、母はドイツさんにもこういう態度で臨むのだろう。