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嘯くセリフも白々しい

主に、「バックパッカー」スタイルの旅行情報を体験記のかたちで書いています。少しでもお役に立てば嬉しく思います。

羽田~リスボン空港 ポルトガル旅行4

2013年08月07日 | ポルトガル旅行(2013年7月)
2013年7月15日

 チェックインカウンターが開くのは22:30とのことなので、その少し前に羽田の国際線ターミナルへ行く。深夜や早朝発着の便があり、しかも季節が夏なので、夜遅くにもかかわらず建物の中は賑わっていた。チェックインはウェブ上でもできるが、e-チケットをプリントアウトしカウンターで手続する手間は変わらないので、私は「オンラインでチェックイン済み」ではなく単なるエコノミーの列に並んだ。しかし職員たちはチェックイン済みの乗客をひたすら優先して案内する。やっと未チェックインの者がカウンターへ行けても、手続がいやに長い。これは私のような、預ける荷物を持たない乗客の場合も同じだった。ほかの航空会社と比べて倍くらいの時間が掛かったのではないかと思う。

 羽田からドバイへの便に関して特筆すべきことは何もない。数時間乗って、目的地へ着き、次の飛行機へ乗り換えである。

 ドバイからリスボンへの便では、こんなことがあった。
 私はチェックイン時に通路側の座席を選んでいたのだが、機内へ入り自分の席へ近づくと、そこにはポルトガル人らしい婆さんが既に座っていた。私に気付いた彼女は、ここか?という様子で隣にある奥の空席を示す。私は明確に「No(ノ=いいえ)」と答えて「Aqui(アキ=ここ)」と言いながら婆さんの座っている席を、つまり座っている婆さんを指差した。彼女は奥の席へ移った。
 私はかつて中米で、同じような経験をしたことがある。機内へ入って通路側の席に座っていると、白人の若いカップルがやってきて、男の方が、お前はそこの席か?ということを訊いてきた。そいつらは隣にある奥の座席らしい。私が頷くと男は、そうか、じゃあ奥へ詰めろという仕草をした。私が一瞬でキレて何だとこの野郎という表情をすると、そいつは意外にも怯えた様子になり、二人は大人しく奥の席に座った。男が「Sorry」と言ってきたが、許すような気分にはならなかったので、無言で答えた。
 リスボンへの便は順調に飛行を続け、ある時、隣の婆さんがトイレに立った。無人になった隣の座席を何となく眺めて、ギョッとした。シートベルトにべっとりと、何かが干からびてこびり着いている。一目で吐瀉物だと分かった。食べ物のカスなどではなく、人間が吐いた物である。そうか、婆さんはこれがあったから通路側の席に座ろうとしたのか。だが私からこの席へ移るよう促されて、彼女は素直に従った。ということは、このゲロに気付いていないのか。
 婆さんが戻ってきて席へ座り、シートベルトを締めた。彼女はポルトガル語しか解さず、飛行機には不慣れのようだった。私はベルトのことを伝えられないまま、その後の機内における時間を過ごした。