goo blog サービス終了のお知らせ 

嘯くセリフも白々しい

主に、「バックパッカー」スタイルの旅行情報を体験記のかたちで書いています。少しでもお役に立てば嬉しく思います。

台南~台北 台湾旅行5

2013年10月12日 | 台湾旅行(2013年10月)
2013年10月5日、6日

 台南から台北へ戻る際には、国光客運以外のバスを使ってみようかと考えたが、台南駅前に幾つかあるバス会社を覗いてみると料金に大した差がない。面倒なので再度、同じ会社の車両へ乗ることにした。今回の料金は定価らしい360元である。乗ったのは土曜日、正午発の便だった。

 来た時と同じように台中で少し停まり、車は台北を目指した。だが台北市街でひどい渋滞が発生しており、バスターミナルまで後少しという地下鉄中山駅の辺りで、車両がほとんど動かなくなってしまった。しびれを切らせた乗客の何人かが運転手と交渉し、ここでバスを降りるようなので、私も便乗することにした。

 再び台北駅北側の、安宿が何軒かある区域を目指す。今度は台湾旅行3に書いた迎賓旅社より料金が少し高めの所へ泊まろうと考え、皇后賓舘というホテルへ行った。看板に宿泊が880元からと表示されているが、台湾の宿は週末に料金が上がるということなので、1,000元を超えてしまうかもしれない。
 だが結果は泊まるどころではなく、満室だった。こうなったらあそこを試すしかない、と私は考えた。あそことは、この辺りにおける安宿の代表格と思われる獅城大旅舘である。この名前については「大旅舘」「大旅社」「大飯店」と複数の表記があるが、ここでは台湾旅行3で言及したバカでかい広告どおりのものを使うことにする。

 フロントは3階とのことなので、階段を上る。エレベーターもあるのだが、建物への年季の入り具合からして、いつ故障してもおかしくないのではと思ってしまった。
 カウンターの中におばちゃんがいて、その外につっ立っている若い男性と話をしていた。部屋があるかどうか訊くと、彼女は私ではなく、男性と再び会話を始めた。少しして男性が私へ向き直り、日本語で話しかけてきた。
 いわく、今日は週末で安い部屋は全て埋まっており、泊まれる部屋の料金は週末価格で980元とのこと。目の玉が飛び出る値段だと思ったが、先ほど満室で宿泊を断られた私は弱気になっていた。泊まれるだけ有難いと思い、その値段で了承する。カウンターで手続をし、その男性の後について部屋へ向かった。

 部屋は、何もかもがボロかった。新しいものが何一つない。だが、清潔なようだった。掃除がされている。ベッドのシーツと枕カバーは、洗濯されたものである。これだけでも迎賓旅社とは雲泥の差があると思った。
 ただ、980元という値段に見合った部屋ではない、と感じた。いくら高く設定しても700元くらいではないだろうか。緊急避難的にここへ泊まることにしたが、状況が異なっていれば、この料金を聞いた瞬間にフロントの前で回れ右をしていただろうと考えた。