2013年7月20日~23日
次の目的地をコインブラと決めたが、ギマランイスからのバスがあるのか不明だったので、暇潰しがてらバスターミナルへ行って調べることにした。誰もが考えつくと思われる方法は、一度ポルトまで戻り、そこで改めてコインブラを目指すやり方である。しかし同じ行程を再び辿るのは芸がないと考えた。
結論から書くと、便はあった。どこかほかの街を出発したバスがギマランイスを通り、コインブラよりもっと先まで行く途中で、そこへ寄るのである。朝の8:30と、よく憶えていないが14:30頃の便があったと思う。その場で切符を買ってしまうのが賢いやり方なのかもしれないが、朝の便に乗れないことはないだろうと根拠もなく高をくくり、隣接する巨大スーパーで買物をして宿へ戻った。
翌朝、件の感じの悪い男による、未確認生物を見るような目つきに見送られながら宿を出た。
バスターミナルへ着き、カウンターのおねえちゃんへ「コインブラ」と叫ぶ。端末で何か始めた彼女に「8:30, posible?(オイト トリンタ ポシブレ)」と、その時間のバスへ乗れるかどうか、これまた西葡混合で尋ねた。おねえちゃんが頷いて「Quatorze(カトルゼ=14)」がどうのこうのと答える。運賃らしいが、“どうのこうの”の部分が分からない。渡されたチケットを見ると14.5ユーロである。彼女は恐らく「cinquenta(シンクエンタ=50)」と言ったのだと思うが、私には全く聞き取れなかった。
コインブラへは約3時間の道程だったと思う。
歩き方に載っているResidencial Moderna(Rua Adelino Veiga, 49, 2.º 3000-003 Coimbra)へ行く。ダブルの部屋を一人で使って30ユーロ、朝食を付けると35ユーロ。それまで20ユーロと25ユーロの部屋に泊まってきたせいか、高く感じた。部屋を見せてくれるように頼むと、まだ掃除が済んでいないらしく13:00以降になるという。フロントのおっちゃんは部屋の設備を説明し始め、「これだけのものが備わっているんだから、見る必要などないだろう」という雰囲気だ。私は何だか面倒臭くなり、おっちゃんの人柄がそれほど悪くなさそうだったこともあって、さっさと料金を払い部屋を確保してしまおうと考えた。朝食無しを選択してチェックインの手続をし、トイレを借り、荷物を預けて外へ出た。
この街へは20年前に一度訪れているが、その時の記憶はほとんどない。街をぶらぶらして初めて思い出す、という事柄も特になかった。スーパーで買い物をしていたら13:00になったので宿へ戻り、初めて部屋へ入る。
まず目についたのが、閉じられたシャワーカーテンから覗く便器のような物体である。言葉では何とも説明しづらいのだが、これはシャワー室の床であり、ビデを兼ねた形状を持っているのだった。今回の旅行で泊まった宿において、ビデのない宿はなかった。
バルコニーへ出るとコインブラ大学を望むことができ、眺めはなかなかいい。だが隣の部屋にもバルコニーがあってこちら側とつながり、お互いに行き来できる構造になってしまっている。防犯意識の高い人だったら、眺めが幾らいいといっても、バルコニーへ出たりそこへ通じる扉を開け放つ気にはならないだろう。それなら窓はどうかというといわゆるハメ殺しで、その向こうは壁であり、そこはボイラー室らしい。要するに、その部屋にある窓らしい窓はベランダへの扉だけということになる。
これで一泊30ユーロ。階段そばの共有スペースにはパソコンがあってインターネット使用は無料だが、それを考え合わせても微妙な価格設定だ。だが私は最初に決めた2泊へ1泊追加し、合計3泊した。
ガイドブックにおけるこの宿に関する記述には「感じのよい夫婦が経営する」「少しは英語も通じる」とあり、私の印象でもそのとおりだった。だが娘さんらしい女性がシーツを洗濯する姿は見たものの、奥さんには会わなかった。
次の目的地をコインブラと決めたが、ギマランイスからのバスがあるのか不明だったので、暇潰しがてらバスターミナルへ行って調べることにした。誰もが考えつくと思われる方法は、一度ポルトまで戻り、そこで改めてコインブラを目指すやり方である。しかし同じ行程を再び辿るのは芸がないと考えた。
結論から書くと、便はあった。どこかほかの街を出発したバスがギマランイスを通り、コインブラよりもっと先まで行く途中で、そこへ寄るのである。朝の8:30と、よく憶えていないが14:30頃の便があったと思う。その場で切符を買ってしまうのが賢いやり方なのかもしれないが、朝の便に乗れないことはないだろうと根拠もなく高をくくり、隣接する巨大スーパーで買物をして宿へ戻った。
翌朝、件の感じの悪い男による、未確認生物を見るような目つきに見送られながら宿を出た。
バスターミナルへ着き、カウンターのおねえちゃんへ「コインブラ」と叫ぶ。端末で何か始めた彼女に「8:30, posible?(オイト トリンタ ポシブレ)」と、その時間のバスへ乗れるかどうか、これまた西葡混合で尋ねた。おねえちゃんが頷いて「Quatorze(カトルゼ=14)」がどうのこうのと答える。運賃らしいが、“どうのこうの”の部分が分からない。渡されたチケットを見ると14.5ユーロである。彼女は恐らく「cinquenta(シンクエンタ=50)」と言ったのだと思うが、私には全く聞き取れなかった。
コインブラへは約3時間の道程だったと思う。
歩き方に載っているResidencial Moderna(Rua Adelino Veiga, 49, 2.º 3000-003 Coimbra)へ行く。ダブルの部屋を一人で使って30ユーロ、朝食を付けると35ユーロ。それまで20ユーロと25ユーロの部屋に泊まってきたせいか、高く感じた。部屋を見せてくれるように頼むと、まだ掃除が済んでいないらしく13:00以降になるという。フロントのおっちゃんは部屋の設備を説明し始め、「これだけのものが備わっているんだから、見る必要などないだろう」という雰囲気だ。私は何だか面倒臭くなり、おっちゃんの人柄がそれほど悪くなさそうだったこともあって、さっさと料金を払い部屋を確保してしまおうと考えた。朝食無しを選択してチェックインの手続をし、トイレを借り、荷物を預けて外へ出た。
この街へは20年前に一度訪れているが、その時の記憶はほとんどない。街をぶらぶらして初めて思い出す、という事柄も特になかった。スーパーで買い物をしていたら13:00になったので宿へ戻り、初めて部屋へ入る。
まず目についたのが、閉じられたシャワーカーテンから覗く便器のような物体である。言葉では何とも説明しづらいのだが、これはシャワー室の床であり、ビデを兼ねた形状を持っているのだった。今回の旅行で泊まった宿において、ビデのない宿はなかった。
バルコニーへ出るとコインブラ大学を望むことができ、眺めはなかなかいい。だが隣の部屋にもバルコニーがあってこちら側とつながり、お互いに行き来できる構造になってしまっている。防犯意識の高い人だったら、眺めが幾らいいといっても、バルコニーへ出たりそこへ通じる扉を開け放つ気にはならないだろう。それなら窓はどうかというといわゆるハメ殺しで、その向こうは壁であり、そこはボイラー室らしい。要するに、その部屋にある窓らしい窓はベランダへの扉だけということになる。
これで一泊30ユーロ。階段そばの共有スペースにはパソコンがあってインターネット使用は無料だが、それを考え合わせても微妙な価格設定だ。だが私は最初に決めた2泊へ1泊追加し、合計3泊した。
ガイドブックにおけるこの宿に関する記述には「感じのよい夫婦が経営する」「少しは英語も通じる」とあり、私の印象でもそのとおりだった。だが娘さんらしい女性がシーツを洗濯する姿は見たものの、奥さんには会わなかった。