空が宙に包まれるように
ここから360度
どちらを向いても
前へ進め
そう
後戻りじゃないんだよ
反省が背中を押して
進んだ方が前だから
失敗を知っているから
角度を変える
この先を知りたいなら
怖さも連れて行く
待っているのは何だろう
期待と不安を握りしめて
どっちに転んでも
また立ち上がればいい
空を仰ぎ夢に酔う
閉じられた暗幕を憂うより
舞台裏の結末を信じる
年に一度の逢瀬を想い
晴れの空を望むけれど
光年の輝きは消えることなく
いつも瞬いているのだから
遮る雲は闇を求め
星空の明りを一身に受けて
大地の恵みに雨を降らせ
蒼い星を育んでいる
だから悲しむことはない
見えないけれど分からないけれど
いつもどこかで輝きながら
天の川の流れは続く
新聞配達のバイク音が朝を告げる
スマホをオンにして午前2時22分を知る
秒を数えず眠りに戻る日もあれば
外音の無い世界に眠り続ける日もある
けれど今日は眠気の頭に心が合図する
受け取った夢の続きが何度も変わる
角ばった心にキレイに詰め込んで
間違わないよう仕切りを付けて
それぞれが自分の位置をキープすれば
取り出しやすいししまいやすいし
壊れにくいし失くすこともないと
固めたもろさに気付きもせずに
朝を迎えた
夕暮れまで時間があるから
魔法の粉で姿勢を正して
出来る女を演じ切る
カレンダーの印通りに
何役ものオファーをこなし
あっと言う間に1年が過ぎる
片隅にそっと置いたはずの
宝箱のリボンがほどけ
ため息未満の風に揺れる
目覚めた夢を思い出して
解けた魔法を洗い流して
そのままの今に会いに行く
知らなければ何も感じない
気付かなければ何も無い
そんなまだらな人生の
失くしたピースを探しながら
はめ込むことも出来ないままに
時は過ぎ未完成の人生図は続く
目指す場所を探し歩いて
通り過ぎた景色の中に
知らない花が咲いていても
ささやく声が風に消されても
知らなければそのまま過ぎて
気付かなければ後悔も無い