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パペット・モーテル。

こちらパラダイス★架空都市遊楽町1丁目!

□ シャンドライの恋 つながりで。

2007-10-11 | cinema×book
「シャンドライの恋」ベルナルド・ベルトルッチ監督×ジェイムズ・ラスダン著





百万本の薔薇の花を、あなたにあげる

たとえすべての資財を投げ打ってでも、この恋心を伝えたい!
男の純愛 が、女心を静かに震わせる…

というわけで、「シャンドライの恋」ですわ。
無償の愛を贈られる対象となった、ひとりの女性の心の変遷。
ピアニストの不器用で風変わりな愛情の表現に、
彼女は次第に心を慣らされいく!!

えっ?ストーカーもの?飼育もの?
って、すぐカテゴライズしたがるあんたには分らんやろけど。
彼女には夫がいてるねん。

ああ、フリンもの?
また性懲りもなく、なんでもカテゴるのやめてんか。

舞台は、窓からスペイン広場が望める贅沢な家なんすわ。
上の階に住む英国人ピアニストが表現する愛の音楽に、
下の階に住むアフリカ生まれのヒロインが、
一歩一歩階段を上るように、共鳴していくんですね。
また、この二人を隔てる螺旋階段の曲線がエロ美しいんすよ。

彼の恋心を徐々に受け入れていく女心の機微が
その眼差しから、そのしぐさから、奏でられる曲から、
観る者の胸を締め付けるように、じわじわ伝わってきますわ。
その洗練された映像表現は、超一級品ですわ。

一級品といえば、一休さんの頓智級やな。
その例えはどーかと思うけど、一級品といえば、
彼は芸術家らしく一級品のオブジェを蒐集してんねん
そのオブジェがひとつ、またひとつと消えていきよるねん。

それは、ピアニストの愛がもたらした現象やねんけど、
ウチには、資財が消えていく怪現象と反比例して、
スペイン広場が薔薇の花で埋まっていくように見えましたわ。

そんで、ラスト!!
彼の醸す甘い匂いに不覚にも気付いてしまった彼女は、
女の本能に突き動かされて唐突にひとつの行動に走ってまうねん。
ああ!そのとたん、ツーッっと流れよりますわ、静かな涙が

そのまま、
切なすぎる哀しい余韻を残したまま、エンディングですわ~。

監督への賛辞とヤタレタ感いっぱいの心を落ち着かせ、
シンと冷静になって、その未来に思いを馳せたとき、
新たなるものがたりが幕を開けます罠。
とにかく、はっきりと気付いてしまった愛と時を同じくして
成就してしまった過去の願望 …

ありえへん展開に戸惑う彼女を乗せて、運命は続いていく。
いったい、何処へ?

押し隠してきた答えの出ない哲学的疑問とともに、
彼女の地獄は、ここから始まる。




「シャンドライの恋」 ベルナルド・ベルトルッチ監督   ★★★★☆
「シャンドライの恋」 ジェイムズ・ラスダン著       ★★★★☆

□ 神を騙る つながりで。

2007-05-08 | cinema×book
「もののけ姫」宮崎駿監督×「日蝕」平野啓一郎著





寡黙なヒーロー。少年アシタカがヤックルと駆ける!
空気が動く!!風が吹く!!

というわけで、「もののけ姫」ですわ。
少年が主人公のハズやのに、もののけなんやね。
人間の勝手な都合で森に投げ捨てられた子。
このサンという少女が、もののけ姫なんやね。

当然、アシタカはサンと関わりあう罠。
サンはいかにも姫然として、少年の愛の言葉を受けるねん。
「生きろ。そなたは美しい」と。

さらなるうえは、「共に生きよう」やで。
アシタカの言葉に、姫は毅然と首を振りよるねんな。
いい男代表の少年の告白に、そよとも日和ることなく。
そのとたん、ふたりは軽くジェンダーを超えよるわ。

「共に生きよう」は「同時代を生きよう」に意味を変える。
ああ、そのとたん、
ネットの向こうにいるキミにオイラは思いを馳せる。

いや、思いを馳せてくれんのはウレシイねんけど、
肝心のシシ神の話はどこ行きよったん?

せや。シシ神や。こヤツが曲者でな。
夜陰に乗じてディダラボッチってな巨人に変身しよるねん
この、巨人が太陽に照らされて消滅すると、
枯れた木々に野山に、緑が繁殖し始めるねん。

てことは、巨人が撒き散らしたもんは、アレか!?


というわけで、「日蝕」ですわ。
現役京大生の芥川賞受賞作ってんで、話題になったアレですわ。
小難しい漢字あふれる堅苦しい文体で意表を突きよったアレっすわ。

つーか、そんなサイドストーリーはどーでもええねん。
とにかく、空を覆う巨人が、ディダラボッチと重なりまくりっす。
こっちの方がめっさ生ナマしーねんけどね。R指定バリバリやから

にしても、大団円、カブるわー。
どっちも、神に関わるハナシやしね。

てなわけで、「もののけ姫」と「日蝕」はセットなんやね!
オイラにとっては、二枚組みのベストアルバムみたいなもんYO (

それって、どーなん!?

なんか、問題でも?



「もののけ姫」  宮崎駿監督    ★★★★☆
「日蝕」     平野啓一郎著    ★★★★☆

□ 薗田賢次×ヒキタクニオ つながりで。「凶気の桜」×「鳶がクルリと」

2007-02-19 | cinema×book
薗田賢次監督×丸山昇一脚本×ヒキタクニオ原作




ひれ伏して、足を舐めろ。
“ネオ・トージョー”を名乗る、我こそが正義

というわけで、「凶気の桜」ですわ。
反米思想を持つ山口、市川、小菅はナショナリスト結社“ネオ・トージョー”を結成。
彼らは日々、庭である渋谷の街で、半端な不良たちを「正義」の名のもとに、狩る。

しかし、そんな3人を面白がる右翼系暴力団・青修同盟会長の青田や若頭の兵頭。
“消し屋"の三郎たちと関わるうちに、大きな波にのみこまれるように、知らず知らず
ヤクザの陰謀に巻き込まれ、思いがけず利用されていくことになる()のだが…。

これ、主要出演者がV6のごとく、二つに色分けされるのが、面白い
カミセン=若者組(窪塚洋介、RIKIYA、須藤元気)と
トニセン=年配組(原田芳雄、江口洋介、本田博太郎)。てなわけで…。

青年の純粋な怒りを煽る大人たち。若さゆえの無謀な暴走に拍車をかける大人たち。
そんな大人たちの手の上で踊らされ、命を落とす青年たちの姿。惨い。悲しい


というわけで、「鳶がクルリと」ですわ。
怖え~YO マジ、怖え~。そんなことされちゃったら、足が竦むっつーの
あらためて、鳶職って尊敬するWA。鍛えた肉体が、かっこいいっすYOネ~☆

しっかし、いくら鳶にスポット当ててるからって、何でそこまで浮き上がりっぱの
演出やねん!?なんやし地に足の着かない映像展開に、少々不満だわSA()。

ココ最近、こういう路線(無理矢理ハッチャケ娘)がお得意になっちゃってる感の
観月ありさですが、そこんとこどないやねんやろ?ぶっちゃけ「十八の夏」みたいな
役柄(謎めいた、醒めた感じのきれいなお姉さん )のほうが、よくNEーか?

にしても、チョイ出の窪塚洋介。美容師役が激ハマリ過ぎ DE好印象
我らが哀川翔の存在感は、文句ナシ。鳶職、まんま DE似合いスギっしょ



「凶気の桜」薗田賢次監督★★★☆  ◇「凶気の桜」ヒキタクニオ著★★★★
「鳶がクルリと」薗田賢次監督★★★ ◇「鳶がクルリと」ヒキタクニオ著★★★☆

□ 県庁の星 つながりで。~織田裕二×柴咲コウ 主演映画化~

2007-02-15 | cinema×book
「県庁の星」西谷弘監督×桂望実原作




人の上に人を作り、人の下に人を作る。
~古今東西、政治とはそういうものであるノダ。間違いないっ 。。。


というわけで、「県庁の星」ですわ。
冒頭のシーン。挫折感に倒れる男の姿は、「g@me.」の藤木直人っぱく、スーパーの
再生という内容からは、伊丹十三の「スーパーの女」を思い出さずにはいられない。

BUT、これ。原作の幾分誇張気味の、まさしくエンターテインメントっぽいノリが、
脚色を加えて、すこぶる巧い具合に映像化されて、めっさ面白い。いい感じ◎

骨の髄までお役所体質に侵された県庁のエリート“県庁さん”が民間で学んだ
~素直に謝ること。素直に教わること。仲間の大切さ。~

わかっちゃいるけど、人間ってのは嫉妬の動物であるからして、なかなかネ~☆
しかも、謝る×教わる×仲間って、エリートにとっての、三大無用の長物だし

難しい。その難しいところを、気持ちのいい胸の透く展開で、観せる魅せる
織田裕二×柴咲コウも好印象DEうらやましいばかりの二人の関係も、素敵ッチャ



◇ 「県庁の星」  西谷弘監督             ★★★★
◇ 「県庁の星」  桂望実原作             ★★★★

□ 赤い月 つながりで。~常盤貴子主演映画化~

2007-02-09 | cinema×book
「赤い月」降旗康男監督×なかにし礼原作




愛あってこその命。命あってこその母。
 生きる狂気で自己を正当化しようとも、私は愛に生きてみせる。
 子供たちを生かしてみせる。生きよ。人生は美しいはずだから。


というわけで、「赤い月」ですわ。
原作は作家なかにし礼による自伝的小説で、第二次世界大戦末期の満州を舞台に
著者の実の母親をモデルにした主人公・波子(常盤貴子)の壮絶な半生が描かれる。

常盤自身、原作を読んで惚れ込んだという主人公波子のエネルギッシュな生き様は
すさまじく、自己本位ながら圧倒的パワーでもって、読者の心をわしづかみにする

窮地に陥っても、毅然として逆境に立ち向かおうとする波子の佇まいに重なるのは、
ララのテーマ その気位の高さは、スカーレット・オハラ 風とともに去りぬ

そして、本能のまま衝動的に行動するその姿に重なるのは、かの「フランスの女」
エマニュエル・ベアール はたまた、重田加代子。って、ハッピーマニアかよ(←オイ)

とにかく、人を愛さずにはいられないというリビドーみたいなものに忠実に
動くオンナなんですYOネ、この波子という主人公は。それは子供の理解を超えたもの。

著者なかにし礼は、そんなふうに冷静に主人公を分析しながらも、恋に生きる波子
という女、つまりは母親の半生をすこぶる魅力的 に描き出しているだから、スゴイ。
子供には理解の外でも、女を知った大人の男としては充分に理解できるってコトか。

月並みにまとめると、母親として…、そして一人の女として…。って感じ。
ではあるものの、極限状況におかれながら、なお女としての華を持つ波子像は圧巻。
満州の地の逸話や、波子と関わる男たちそれぞれの際立った個性も読み応え充分。

にしても、恋の及ぼす作用って、マジ半端ない。女にとっての恋、それは生きる意味。
結局、女には恋しかないんじゃないか。確か、山口洋子も、そんなこと言ってたな~☆
まあ、氷室みたいな男が目の前に現れたら、そりゃあね。しかも、伊勢谷友介だし

そういえば、伊勢谷クンの自己紹介は、どうしたって「氷室京介」って聞こえるって(笑)。
大杉中佐演ってんのが布袋寅泰ですからね。本当は啓介だけど、紛らわしっつーの。



◇ 「赤い月」 なかにし礼著           ★★★★☆
◇ 「赤い月」 降旗康男監督           ★★★

□ 疾走 つながりで。~SABU監督 手越祐也主演映画化~

2007-02-05 | cinema×book
「疾走」SABU監督×重松清原作




~孤立ゆえ 孤独ゆえ 孤高を目指した 15歳の少年 ~
過酷すぎる運命を背負い、
      彼は漆黒の闇を疾走する。



というわけで、「疾走」ですわ。
絶望の淵を駆け抜けた少年の壮絶な軌跡と心の痛みを描いた重松清の「疾走」は、
犯罪に至るまでの少年の孤独な魂の叫びが、読む者を圧倒してやまない、衝撃作。

まさに、現代の黙示録と称されるにふさわしく、一家離散、いじめ、暴力、セックス、
バブル崩壊の爪痕、殺人etc.今が盛りこの世の春とばかりに痛い描写のテンコ盛り。

マジ、暗い、重い、グロい( )ハナシゆえに、映像で観るには、チト抵抗が(タメ息
って何をかいわん、そこは天下のSABU監督。めっさ感じよく撮りあげておりましたWA。

疾走感もありありで、時折孤独な少女との魂のふれあいなぞを優しく盛り込みながら、
クライマックスに向かって「ひとり」ひた走る少年を、カメラが追いかけている感じが◎

にしても、主人公の少年シュウジを演じた手越祐也の、真面目を絵に描いたような
孤独顔はどーだろう。NICEキャスティング☆豊悦&大杉蓮も、まんまDEいかにも。

鬼ケン役の寺島進なんか、もはや、このヒト以外には考えられんですもんNE☆
映像で見せられると、原作とのドンピシャぶりに、思わず笑ってしまうっすYOん。

そしてそして、はずせないのが、ヤクザの情婦アカネを演じた中谷美紀デスWA(
その巧さといったら、もう絶賛ものであります。直情過ぎる少年の性向を柔らかく
受け止めて、きっぷのいいミゴトなる女っぷり。iyaiya女優中谷恐るべし(ホメ殺し☆)



◇ 「疾走」 重松清著      ★★★★
「疾走」 SABU監督      ★★★★

□ ソフィーの選択 つながりで。

2006-11-27 | cinema×book
アラン・J・パクラ監督×ウィリアム・スタイロン著


  厳然とした真実を内包しているだけに、
迫りくる アウシュビッツの幻影に 言葉をなくす!!

というわけで、「ソフィーの選択」ですわ。
第二次大戦が終わって間もないニューヨーク・ブルックリンの安下宿に越してきた
作家志望の青年スティンゴ(ピーター・マクニコル)の創作のための新たなる生活!!

同宿には、深い愛情で結ばれ、熱烈なまでに愛し合う一組のカップルが暮らしていた。
ポーランド美女ソフィー(メリル・ストリープ)&ユダヤ青年ネイサン(ケビン・クライン)だ。

魅力的な人柄を兼ね備えた二人に魅せられたスティンゴは、彼らとの親交を深めつつ、
ただならぬ雰囲気を醸し出すソフィーの過去と、ネイサンの真実の姿に近づいていく。

ソフィーは、アウシュビッツ収容所生存者の一人で、“子を守るための子殺し”という
辛い選択を強いられた悲劇の過去を生き延び、ぬぐいようのない罪に苦悩していた。

絶望と鉄分不足で生きる気力もなくやつれた彼女に、まさかの“”を与えてくれた
ネイサンも実は薬物を常用する精神病者で、彼の妄想は次第に狂気をはらみだす。

ソフィーは思いを寄せてくれるスティンゴにすべてを語り、彼との一夜を置き土産に、
ネイサンの狂気の道連れとなる選択をし、互いに縋るように抱き合い心中してしまう

てなわけでコレ、ソフィー&ネイサンという異常な愛の結びつきや、迫りくるソフィーの
過去からの重罪は、読ませる唸らせる!!にもかかわらず、スティンゴが幼すぎる!

ソフィーの選択という悲壮感が、自己発見の旅の途中であるスティンゴの青春物語の
その一部に組み込まれてしまっているようで、もったいなく思えて仕方なかった。

しかも半自伝小説にありがちな挿話をやたらにつめこんだごった煮感が興を殺ぎ…
あくまで、一つ一つの挿話は◎なのに、全体的バランスを欠いている感が否めない。

とはいえ、語りが秀逸なことに間違いはないワケで…!例えば、アウシュビッツという
“地獄のはらわた”の惨い内実や、そこで生きる人々の心理描写(特に司令官
ルドルフ・フランツ・ヘスに言及した箇所は圧巻)には、ただただ圧倒される

ホロコーストの残虐なる饗宴が歴史の真実であるだけに、有無を言わせぬ脅威!!
そしてスティンゴと同じく、その悲劇についてあまりにも知らなさ過ぎるという実状!!

ソフィーの選択は、否応もなく、目を覆うアウシュビッツの幻影を突きつけてくるノダ。
そして、選択という行為がはらむ人生の縮図と宿命じみた人間の業に感じ入るノダ。

このショッキングな選択の場面で、思わず浦沢直樹の「Monster」や、「危険な遊び」
に興じる悪役少年を演じたマコーレー・カルキンの母親の究極の選択が蘇りました

壮大な原作に比べて、映画のほうは制約上単純化しつくしたきらいはあるものの、
とにかく、子を守る母親としてのソフィー、やつれ果てたソフィー、ネイサンの前で
花開くソフィー、収容所で策を弄するソフィー、愛に溺れ、愛に取り乱すソフィー!!

このソフィー役で、アカデミー主演女優賞を獲ったメリル・ストリープ
自在に色を変える、まさに七変化の熱演はミゴト!陰影ある儚さに、胸を抉られる!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1日、著者W・スタイロンは、肺炎のため米マサチューセッツ州で死去されました。
享年81歳。つたないながらもレヴューとともに、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

                                                       


◇「ソフィーの選択」 アラン・J・パクラ監督        ★★★☆
◇「ソフィーの選択」 ウィリアム・スタイロン著       ★★★☆

死への旅路に寄り添う優しい道連れに、乾杯!

2006-08-30 | cinema×book
死期を決めた 男と女!
その出会いは、人生最後の運命からの贈り物。


というわけで、「満潮」ですわ。
巧いんですメアリー・ウェズレー、70歳っすか。
死への旅路で愛しい男とご対面ですわ。

倦怠感漂いまくりなのに、昂ぶる情感!
死の覚悟が、死の決意が、尋常じゃなく二人を結びつける。

そこにあるのは、無理強いのない優しい関係!!
見守る眼差しのエロさに、胸を衝かれます。


というわけで、「リービング・ラスベガス」ですわ。
ラスベガスで暴飲しまくりの
やさぐれダメダメアル中男を演じきったニコラシ・ケイジ!

こちらも死への旅路で女神とご対面でした。



「満潮」       メアリー・ウェズレー著      ★★★★☆
「リービング・ラスベガス」 マイク・フィギス監督   ★★★

□ 深紅 つながりで。月野木隆監督×野沢尚原作

2006-08-16 | cinema×book
「深紅」原作 野沢尚×監督 月野木隆


被害者の娘の、深き心の闇。
加害者の娘の、孤独な人生。
トラウマが疼いて止まらない!相思相殺の仲!!
一触即発の二人が接近したとき、
運命は新たなる殺人へと二人を導いていく。


というわけで、「深紅」ですわ。
できすぎのプロットに、舌を巻くことしきり。なんてったって、原作が、
かの野沢尚ですから。つかみのうまさはピカイチ。定評アリアリですもんね。

いきなり、一家惨殺事件に巻き込まれた家族。
ひとり生き残ってしまった娘にトラウマが形成されていく様が
痛々しくリアリスティックに胸に迫ってくる前半。

小説の醍醐味を思う存分味わっちゃってください。
この部分だけでも、読む価値アリですわ。
ホンマ、あまりの衝撃にめまいがしそうでしたもん。

その分、後半は尻窄まりになっていく感が否めませんわ。
なぜか野沢さん、オチを流してしまうおヒトなんすよね。
前半の勢いを中盤からラストにかけて維持できないっつーか…。

それが野沢尚節なのかも知らんけども。
惜しいというか、ほんに、惜しいヒトを亡くしてしまいました。
ご冥福を心よりお祈り申し上げます。


とはいっても、よーできたストーリーですさかい。
哀れまれる被害者側の冷酷さも、
鬼扱いされる加害者側のやむにやまれぬ動機も、
十分な納得感を味わわせてくれますわ。

映画でも、小日向さんと緒方直人の演技が秀逸!
ヤバイって!チェーンソーやからね。

ただ、ヒロインである娘達の言動は、
答えの出ないことに本人たちも悩み苦しんでいる様を
表現しているため、すっきりとした納得感は与えてくれない。

すべては、観る者にゆだねられている感じ。
お互いの存在によって、お互いの心的外傷が、
刺激され、疼き、煽られ、癒されていく。
それを、ただ静かに見守ってやる感じ。

そう、感じてやることしか出来ないんだ!
KISS!! BY 内山理名&水沢あさみ
ってな、どないやねんラストシーンも含めて。



「深紅」 月野木隆監督    ★★★☆
◇「深紅」  野沢尚著      ★★★☆

想像する者しない者、とかくこの世はままならぬ!

2006-08-12 | cinema×book
「想像してごらんなさい!」
「想像なんてしたくもない!」


というわけで、「チャーリーとチョコレート工場」ですわ。

荒唐無稽のファンタジーながら、最高に楽しい。
楽しくなければ、ファンタジーじゃないってか。

とにかく、ティム・バートンのお遊びが、あちこちに散りばめられて。
子供だけじゃなく大人も存分に楽しめる内容になってましたわ。
やっぱ、2001年宇宙の旅ですか、秀逸なのわ。

うーん、チョコモノリス!!っすかー。

皮肉に満ちたジョニー・デップの表情も、良かったっすね。
皮肉大好きですもんね~。ブラックユーモアLOVEっすもんね~。
なんといっても、原作がロアルド・ダールですから。

というわけで、「チョコレート工場の秘密」ですわ。
夜、子供たちに話す寝物語として、即興で編み出した童話のひとつ。
だそーで、なんたる想像力!プラス類まれな独創力!
そりゃあ、世界中に評価されまくりでしょうとも!!

成長過程で失っていく子供の心を、
成長過程でどんどん肥大させていった奇跡の人ですな。

にしても、
子供ってのは、リアルで残酷で、旺盛な想像力の持ち主。ですな。
ってことは、世に恐るべきは、ザ・チルドレン。ってことですかな。

でも、世の中で一番愛すべきなのも、子供たちなんですよね~。
困ったモンっすYOん。

そうそう、
Mr.Childrenはロアルド・ダールの申し子なんですね。
ってな大ボラで、本日は〆。



「チャーリーとチョコレート工場」 ティム・バートン監督    ★★★★
「チョコレート工場の秘密」     ロアルド・ダール著    ★★★★
  Trailer  □Candy  □Willy Wonka Welcome Song

“溺れる魚”のセンスときたら只者ではない!

2006-08-04 | cinema×book
吉川ひなのと結婚するとは、
また、随分思い切ったことをしたね。

よしてくれよ、
俺にとってはもう遠い過去のことだよ。
確か、SHAZNA時代のね!     BY IZAM
     
つーか、SHAZNA 活動再開 かよー、マジで?

というわけで、「溺れる魚」ですわ。
夏本番に観るにはうってつけ違いますやろか!
なんてったって、
あらゆる面で、見事はじけちゃってますもん。

特にね。映像が楽しめます罠。
なんてったって、堤っッスから!!
監督名乗ってるだけあって、心血注いでます罠。
ほんに、堤幸彦ミラクルワールドをご堪能あれですわ。

いやはや、映像って、なんでもアリなんですねー。
堤ッ!ったら、映像にも前衛があるんだってなことを、
バリバリに気付かせてくれた偉大なる作家さんですわ。

なんや知らん、チョコチョコPP、
女優さんと浮名をお流しになったりもしてますが、
それも、まあ、愛嬌ってなもんですわ。

ま、これ一作押えといたら、
堤的映像パターンの大枠を踏襲できるんちがうやろか。
かなり、斬新で楽しめますYOん!お墨付きっス!


あかん!
なんや、堤幸彦ホメ殺しシリーズになってもーてるやん!

と・とにかく。
戸梶原作はっちゃけストーリーに負けじと、
キャラ設定もトコトンはっちゃけてますわ。
エースのジョーフリーク椎名桔平然り、
女装趣味の窪塚洋介、超定番仲間由紀恵、
キテる芸術家IZAM、そして…
ここがポイント!まんま宍戸錠っすわ!

文庫本の宍戸錠による特別エッセイがね。
オモシロイんすよ。
「ナニカ」が要ると思った俺=宍戸錠は、
「ナニカ」を形態に求め、豊頬手術をした。
オルガノーゲンにより、醜くホッペタが膨らんだ!そーだ。

うーん、言葉にならん!!
そろそろ、〆よう。
おっさんの思いつきってのは、何時の世もミラクルなのさ!

PS.窪塚洋介は『GTO』じゃないんだジョー!




「溺れる魚」 堤幸彦監督   ★★★★
「溺れる魚」 戸梶圭太著   ★★★☆

ふざけて見えましょうが、僕たちマジなんです!!

2006-08-02 | cinema×book
幸せとは、

欲望が停止し、
苦痛が消滅した負の状態である。

というわけで、「レヴォリューション№3」ですわ。
金城一紀presents『ザ・ゾンビーズ』シリーズ第1弾!
これがご存知、第2弾「フライ、ダディ、フライ」
そして、第3弾「スピード」へと続いていくわけですわ。

個性際立つゾンビーズの面々が、
欲望の数だけ苦痛を感じて、リアルに突っ走っております。

どこ映像化しても、面白いんちゃいますやろか。
つーか、何故かこのヒトの作品は映像で観たいんすよ。


というわけで、「フライ、ダディ、フライ」ですわ。
なんですか!この終盤にかけての盛り上がりは、
ロッキーですか!
ロッキーですやろ?
ロッキーですやん!!
もう、おっさんガンバレコール送りまくりですもん。
飛んでくれ!!
ここまで、ひっぱってきといて飛ばな承知せーへんで!
ってなもんですわ。

それにしても、一紀GREAT金城!
ブルース・リーめちゃスキやんな~。
ほんま、半端ない惚れこみようが窺い知れますわ。
ま、リーは萌え要素の塊っすからね。
萌え萌えファンは多ございますわな。

さいですか~あんたさんも、リー派ですか!?
そのポーズ!

これか?
岡田スンシン准一のポーズやん!!
あれは、男も惚れるで!!!



「フライ、ダディ、フライ」 成島出監督      ★★★★
「レヴォリューション№3」 金城一紀著      ★★★☆

□ ローズマリーの赤ちゃん つながりで。

2006-07-27 | cinema×book
監督 ロマン・ポランスキー×原作 アイラ・レヴィン


役者の夫を持つ一般人の妻。
役者がいつ演技でなくて真実なのか、誰に分る?

彼は見栄坊で、自己中心的で、軽薄で、嘘つきだ。
自分と結婚したのは伴侶でなくて観客が欲しかったからだ。
   …いいカモだったんだわ。

というわけで、「ローズマリーの赤ちゃん」ですわ。
新妻ローズマリーの思惑をはるかに超えて、
彼女は○○の格好のカモにされてしまいました

しかも、妊娠してる人は、絶対に見ないでください!!
ときたもんだ。なんて、魅惑的な警告!

人間心理を逆手にとって、超絶妙の宣伝文句になりました。
妊婦こそが見る、“ローズマリーの赤ちゃん”!

ヒト科メスのもつ母性の弱点を十分見越したうえでの、
文字通り悪魔の行為に、きっとキミは泣くよ!!

不穏な空気に侵され、憔悴していくミア・ファローの
ただならぬ迫真の演技に圧倒されること請け合い☆



「ローズマリーの赤ちゃん」 ロマン・ポランスキー監督  ★★★★☆
「ローズマリーの赤ちゃん」 アイラ・レヴィン著      ★★★★☆

□ 哀川翔 つながりで。

2006-07-05 | cinema×book
「ゼブラーマン」×「俺、不良品」




俺をやる気にさせちゃったんだから 、もうしょうがない。
俺一発ポッと導火線に火がついたら、爆発するまで止まらないから。
もういまはガーーッと走ってる状態よ。   …つって、アニキ
(哀しみは川に流して)、翔んでましたね!!


というわけで、「ゼブラーマン」ですわ。
監督三池やで!脚本クドカンやで!
そんでもって、主演翔アニキ哀川やで!

そんだけ聞いたら、もー本編観んでもええわってな気になるわな!
スクリーンの前で合掌してまうわな!
ありがたーて、ありがたーて、ありがたついでに、涎垂らして観てまうけどね


笑うたらアカン!アニキに失礼や!! …せやけど、笑うてまうわ。
アニキ、できすぎやねん。かっこよすぎるねんて。ギャクか思てまうわ

“ 俺の後ろに立つんじゃねーッ! ”
つってもアニキ見たさに行列できてますわ!
熱っぽくアニキコールの合唱ですわ!

シュプレヒコールの波の中、アニキ出番です!!
ダブル太陽を背に、アニキ登場です!!

…心 酔 …!!

ああ、もう、なんや知らんウイルスにやられてもーて、
ぶっちゃけ、なんでもえーから哀川翔が見たいねん!!



「ゼブラーマン」 三池崇史監督   ★★★★☆
「俺、不良品」  哀川翔著      ★★★★☆