「対岸の彼女」 平山秀幸監督×角田光代原作
ひとりでいるのがこわくなるような たくさんの友達よりも
ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる
- 何かと出会うこと -
そのほうが、 うんと大事な気がする。
というわけで、「対岸の彼女」ですわ。
30代既婚子持ち(勝ち犬)の小夜子と、同じく30代独身子ナシ(負け犬)の葵。
性格も生活環境も全く違う二人の女の間に、はたして友情は成立するのか!?
そんな問いかけをすること自体、35歳女にとっては無謀な試みであるワケで
女の本当の友情ってのは、なんぞや?ってなハナシにもなるワケであるからして。
多様な価値観を認め合うことをせず、境遇や立場が同じってなだけでつるんでる
そんな関係を友情と呼ぶには、虚しい。そんな35歳という人生半ばにさしかかった
女性たちの不安や焦りをすくい取り、このドラマ、なかなかシビアな部分を突いてくる。
専業主婦の小夜子(夏川結衣)は、人付き合いが苦手で、言いたいことも言えない
性格。そんな彼女が再就職のために訪れた会社の社長は、独身の葵(財前直見)。
同窓生DE同年代の2人は意気投合。人間関係に臆病になっていた小夜子は、葵の
その開けっぴろげでおおざっぱな性格に感化され、次第に心を開いていくのだが…
付き合ううちに葵の言動に自分との違いを見出し、勝手に失望し、心は離れていく。
葵は葵で、過去に受けた心の傷をトラウマに、その過去を引きずって生きていた。
そんな葵の過去の風景が、美しく儚く切なく、郷愁を誘う()。このドラマの肝だ
いじめから逃れるため転校した高校生の葵(石田未来)に、いつも明るく幸せそうな
魚子(多部未華子)という親友ができたのだが、魚子の家庭環境は芳しくなかった。
集団でつるみたがるヤツってのは、誰かをハブにするのが好きなようで-()。
貧乏ゆえ級友達のいじめにあいだした魚子は、そんな彼女たちを見下すことなく、
ましてや自分を卑下することもなく、どこかココではない処を見つめ、飄々と言うノダ。
私、ホント何にも怖くないんだ。
だって、私の大切ものはそんなところにはないから。
この場面、切ない して、ナナナンの「Blue」の世界観がカブる。実にイイ()。
紆余曲折のすえ、ラスト、葵のもとに駆けつける小夜子の真摯な思いが、心に響く。
素直になった2人の笑顔に触発されて、友達に会いたくなる。笑顔を思い浮かべる。
さらに、自らの生きてきた軌跡を、(こっ恥ずかしくも)素直に肯定してみたくなる
◇ 「対岸の彼女」 平山秀幸監督 ドラマW 2006/1月放映
◇ 「対岸の彼女」 角田光代 著 ★★★★☆
ひとりでいるのがこわくなるような たくさんの友達よりも
ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる
- 何かと出会うこと -
そのほうが、 うんと大事な気がする。
というわけで、「対岸の彼女」ですわ。
30代既婚子持ち(勝ち犬)の小夜子と、同じく30代独身子ナシ(負け犬)の葵。
性格も生活環境も全く違う二人の女の間に、はたして友情は成立するのか!?
そんな問いかけをすること自体、35歳女にとっては無謀な試みであるワケで
女の本当の友情ってのは、なんぞや?ってなハナシにもなるワケであるからして。
多様な価値観を認め合うことをせず、境遇や立場が同じってなだけでつるんでる
そんな関係を友情と呼ぶには、虚しい。そんな35歳という人生半ばにさしかかった
女性たちの不安や焦りをすくい取り、このドラマ、なかなかシビアな部分を突いてくる。
専業主婦の小夜子(夏川結衣)は、人付き合いが苦手で、言いたいことも言えない
性格。そんな彼女が再就職のために訪れた会社の社長は、独身の葵(財前直見)。
同窓生DE同年代の2人は意気投合。人間関係に臆病になっていた小夜子は、葵の
その開けっぴろげでおおざっぱな性格に感化され、次第に心を開いていくのだが…
付き合ううちに葵の言動に自分との違いを見出し、勝手に失望し、心は離れていく。
葵は葵で、過去に受けた心の傷をトラウマに、その過去を引きずって生きていた。
そんな葵の過去の風景が、美しく儚く切なく、郷愁を誘う()。このドラマの肝だ
いじめから逃れるため転校した高校生の葵(石田未来)に、いつも明るく幸せそうな
魚子(多部未華子)という親友ができたのだが、魚子の家庭環境は芳しくなかった。
集団でつるみたがるヤツってのは、誰かをハブにするのが好きなようで-()。
貧乏ゆえ級友達のいじめにあいだした魚子は、そんな彼女たちを見下すことなく、
ましてや自分を卑下することもなく、どこかココではない処を見つめ、飄々と言うノダ。
私、ホント何にも怖くないんだ。
だって、私の大切ものはそんなところにはないから。
この場面、切ない して、ナナナンの「Blue」の世界観がカブる。実にイイ()。
紆余曲折のすえ、ラスト、葵のもとに駆けつける小夜子の真摯な思いが、心に響く。
素直になった2人の笑顔に触発されて、友達に会いたくなる。笑顔を思い浮かべる。
さらに、自らの生きてきた軌跡を、(こっ恥ずかしくも)素直に肯定してみたくなる
◇ 「対岸の彼女」 平山秀幸監督 ドラマW 2006/1月放映
◇ 「対岸の彼女」 角田光代 著 ★★★★☆