NBA Thunder Dancer

オクラホマシティ・サンダーを応援していくNBAブログです。

11-12プレーオフ vs ヒート4

2012年06月20日 | 11-12 プレーオフ
アウェーでの2試合目。現在2連敗としているサンダーはこの試合勝利しないとヒートにリーチを与えてしまうという、少々危険な立場にいます。しかも、第5戦目もヒートのホームで試合を行わなければいけないと決まっている以上、プレッシャーやホームコートアドンバンテージを考えても絶対に落とせない試合なのです。
さて、勝敗やいかに。

スタート

PG ウェストブルック
SG セフォローシャ
SF デュラント
PF イバカ
C パーキンス

負けられない、ここまでの試合と違いスタートダッシュに成功します。特にウェストブルックのジャンパーが好調で出だしからFG3/3を記録。また、セフォローシャがオフェンスでは3P、ディフェンスではブロックと攻守での活躍をみせ、いきなり9-2とリードを奪ってみせたんですね。
その後も、ウェストブルックのジャンパーは止まらず、一方でレブロンとウェイドをマンマークから守るディフェンスも披露。
中盤まで完全に抑えられていたデュラントも、ディフェンスから速攻がでるようになりそこから得点を連発。第1クォーター終わってみれば8得点といつも通りの得点能力を見せつけています。
結局第1クォーター終了時、ウェストブルックが10得点と好調を維持したままスコアは33-19とサンダーリード。イバカが早々と2ファールとなってしまったマイナス要素もありますが、今シリーズ最高のスタートが切れたと思います。

しかし、第2クォーター流れは一変。なんと開始から2-16のランをヒートにかけられてしまい、あっという間に貯金を吐き出し同点となってしまったのです。
主な原因はポストプレーを積極的にしかけるレブロンにありました。
スモールラインナップを敷いていたサンダーは当然ながらポストへのヘルプディフェンスを徹底していたんですね。少なくとも今まで試合をしてきたチームには通用していたこの作戦、しかしことレブロンともなるとヘルプディフェンスに合わせアウトサイドでノーマークになる選手へ上手くボールを捌かれてしまうのですよ。
そこにコール、ジョーンズといったシューターが次々と3Pをきめていった結果、同点となってしまったというわけです。
まあサンダーが得点を取れなかったことも充分原因となりますけど。
ですが、サンダーは何とか逆転はさせなかったのです、ここが粘り強いところですよね。やや厳しい体勢ながらもデュラントが3Pにフリースローにと繋いでくれて、第1クォーター好調のウェストブルックもタフショットを連発。特に豪快に沈めたタップダンクはここまでの調子の良さを物語っていたと思います。
結局前半を49-46で終了。第2クォーター16点しかあげられなかったものの、逆転までさせなかったことは成長したポイントでもあります。

ちなみにこの時点でサンダーはFG%もターンオーバーもヒートより良く、ウェストブルック18得点、デュラント12得点と今までの試合に比べ非常に出来が良いと言えました。しかしながら、ハーデンはFG2/6、フリースロー1/2と不調が続いており、後半はここが鍵になりそうでした。


第3クォーター、やはり流れはヒートでしたか。いきなりあっさり逆転されてしまうとそこからは1点をきめてはきめ返すのシーソーゲーム。しかし、レブロンやウェイドがしっかり得点していくのに対しサンダーはデュラントが守られてしまっている為、イバカ、セフォローシャで得点をするしかなく、とうとう得点をきめられずリードが向こうへいってしまったのです。
何とかウェストブルック、そして強引にボールをもらうデュラントが繋ぎとめていましたが、点差は1→3→5点と増えていくばかり。雰囲気は最悪。
最後の最後までレブロンのポストアップを止められず、そのままクォーターを終了。スコアは75-79と、まあサンダーが粘っていますね。


そして最終クォーター、始まって早々にデュラントのジャンパーがきまり2点差とするとジョーンズのフリースロー1本を挟みウェストブルックのレイアップでまたしても1点差にまで追いあげたのでした。そしてなんと、ウェイドのターンオーバーからハーデンのノーマーク速攻が出るという、流れを完全に取り戻すことのできるプレーが出たのです。仮にこのレイアップがきまっていたらの話ですが・・・
あろうことかきめれば逆転のとなる最高のレイアップをハーデンはなんと外してしまったのです!!
しかも返しのオフェンスでヒートにきっちり得点されてしまうおまけ付き。更に3Pまできめられてしまい、実際1点リードしているはずが6点ビハインドとなっていたわけですよ。
堪らずタイムアウトを取ったサンダーでしたが、終いにはウェイドにも3Pをきめられてしまい早くも万事休すの状態。

しかし、ここでサンダーはある選手が大奮闘をするのです。その選手とは第1クォーターから好調を維持し続けているラッセル・ウェストブルックでした。
なんとたった1人で13得点を連続してあげ、あれだけのビハインドを90-90の同点にしてしまったのです。恐ろしや恐ろしや。
しかもですよ、この間にヒートはレブロンが足?を捻ったのかベンチに下がってしまったのです。サンダーにとってはこれ以上にないチャンス到来ですね。
案の定、レブロンのマークがなくなった瞬間デュラントがさらっと4得点を記録。全体でも94-92とリードを奪ったのでした。

ですが、ここにきて満を持して登場したのが他でもないレブロンだったのです。その風格はまさにラスボスでした。
まずはボッシュがレイアップ、更には足を引きずりながらもレブロンが3Pを沈め、そんでもってウェイドまでもレイアップを沈めてきたのです。ビッグ3がこの終盤にきて更にエンジンをあげてきたわけですよ。
要はサンダー、リードがたった2点ではぬるかったということになります。いっきに5点ビハインドとなってしまいました。
それでもウェストブルックの個人技により点差を3点にまで詰めますが、ここまで20得点と大車輪の活躍をみせているチャルマーズにタフレイアップを許してしまいかなり厳しい状態に。
最後は判断を誤ったウェストブルックが故意にファールをしてしまい、試合終了となりました。

最終スコア 98-104

ちなみにその最後の誤った判断というのは、ジャンプボールとショットクロックの関係にあります。
ジャンプボールというのはボールの主導権を握っていたチームが勝った場合、ショットクロックが継続される、というルールが存在するのですが、今回の具体的な場面をあげてみましょう。
残り17秒、ヒートのオフェンスをサンダーがジャンプボールに持ち込んだ場面ですね。なのでこの場合ヒートのショットクロックは継続されるわけです。で、この時は5秒でした。
サンダーとしては仮にジャンプボールに勝てなくとも残り5秒を守りきれば自分たちボールを獲得できるという場面なわけですね。そして実際にジャンプボールに勝ったのはヒートだったのです。
しかし、何を思ったのかウェストブルックはボールを持ったチャルマーズへ故意にファールしに行ったのです。そして当然のようにフリースローをきめますよね。
サンダーはジャンプボールになった場面で3点のビハインドと厳しい状況には変わらなかったのですが、少なくとも最後の12秒ほどで同点にするチャンスは生まれたわけです。それをウェストブルックのファールにより5点とされてしまった結果、最後の望みも潰してしまったというわけなんですね、はい。

とまあ、書きましたがこの試合に関しては完敗でしたね。
なんたっていままの試合はまだ言い訳できるものだったじゃないですか。それがこの試合はもう言い訳できない程の実力差で負けたと思うのです。
まず2試合連続で5ファールとなってしまっていたデュラントはもちろんのこと主力でファールトラブルになった選手がいません(一応ハーデンが5ファールですが、その件に関しては個人成績のところで)。
また、フリースローもこの試合は15/16(93.8%)、ヒート18/25(72%)と、サンダーが外し過ぎたわけでもなくヒートが入りすぎたわけでもありません。
そしてもちろん偏ったジャッジもありませんでしたし、終いにはレブロンが怪我でベンチに下がってしまっているんですよ。むしろサンダー有利な状況だったとも考えられる中負けてしまったのですから、もう完敗です。
チームスタッツもほぼ一緒。まごうことなき完敗だと思っていいでしょう。

では個人成績です。




ラッセル・ウェストブルック

45分の出場で43得点7リバウンド5アシストを記録。
FG20/32が全てを物語っていますね、試合を通して非常に好調でした。最初はミドルジャンパーが中心にオフェンスだったのですが、時間が経つにつれドライブからのレイアップも織り交ぜバランス良く得点を重ねていったのです。
しかも43得点あげておいてフロースローはたったの3本ですからね。もちろん3Pがきまったわけではありません。完全に調子が良かったのです。
しかしそれがまた、この試合では重要な役割を果たしてもいたんですよ。試合内容にも書きましたが、この試合デュラントが非常に厳しくマークされており普段通りのセットプレーができない上ボールさえ持たせてもらえない状況が続いていました。加えてハーデンは完全に沈黙しているわけですから、必然的に彼が得点あげるしかないのですよ。
そういったチームの期待に応える意味でも非常に良かった試合だと感じました。
惜しくも最後判断ミスにより、半ば自分で同点に追いついたチャンスを自分で潰すということをしてしまいましたが、そもそも彼の活躍無しにはここまで接戦できなかったわけですし、ミス分を差し引いても充分に評価できると思いました。
家族も観戦しに来ていたんですけどね。活躍している姿はみせられても、チームを勝利には導けませんでした、残念。








ケビン・デュラント

46分の出場で28得点3アシスト2スティールを記録。
確かにディフェンスは厳しかったですよ。普段なんだかんだいって10本近く取っているリバウンドがこの試合たった2本と、とにかくオンボール・オフボール関係なくバティエとレブロンがぴったりマークしていたのです。
その中でもしっかりFG9/19ときめてくるあたり評価したいのですが、いかんせん目先のライバルレブロンが怪我をしながら得点をあげ勝利に導いてしまっている為なんとも言えない状態なのです。
しかしまあ前の試合と違いフリースローを9本獲得するとともにきっちり全てきめていますし、厳しいディフェンスの中本来のプレースタイルを全うできたとは思います。
試合後の母親とのハグは泣けましたね(涙)








ジェームズ・ハーデン

36分の出場で8得点10リバウンドを記録。
でこの人ですよ。先に言いますが「若い」とか「経験値が低い」とかを考慮した上での話です。
僕は今彼が戦犯だと思っています。まあ確かにFG2/10というのは前の試合からですし、誰もスランプに陥る時はあるでしょう。また彼みたいにミドルからロングシュートが多い選手ならば尚更ですね。しかし、この試合の分岐点になったとも思える第4クォーター始めの方のレイアップ。何度も言いますがミドルやロングシュートなら分かるのですが、彼はよりによってレイアップというリングに一番近い位置からのシュートを外してしまったのです。加えて後ろからウェイドが走ってきていたとは言ってもほぼノーマークだったのです。しかも決めたら逆転という大事なシュートですよ。結果的にこの後チャルマーズに連続得点をあげられてしまい、敗戦。
また、このプレーの後にも絶対にきめたいオフェンスでターンオーバーを連発。要は何度となく逆転の芽を潰してしまっているわけなのです。そして終いには、ビビってしまいドリブルさえまともにできなくなってしまう有様でした。
いや~酷かった酷かった。彼5ファールをしていますけど、この不調はどう考えてもファールが関係しているとは思えませんし、「若さ」や「経験値が低い」というのも度を超していると思うんですよ。
指名順位のことを言うのはあまり好きではないのですが、3位指名の彼が戦犯となっている一方でヒートでは2巡目34位のチャルマーズがクラッチシュートをきめる大活躍をみせているのです。今のままでは6thマン賞(笑)となってします。
デュラントが抑えられている以上ウェストブルックで得点をあげるのには限度があります。従って彼の復調はサンダー勝利に必要不可欠なのです。
そういったことを理解して次の試合に臨んで欲しいと思いました。





その他
コリソン・・・3オフェンスリバウンド、FG3/4といつも通りの貢献度。
セフォローシャ・・・ディフェンス面での活躍が唯一のみせどころ。
イバカ・・・インサイドでの迫力がまるでありませんでした。
パーキンス・・・やはりヒート戦に彼は向いていない。
フィッシャー・・・もはやコート上のHCみたいな存在でしょうか。




ということで、ヒートにリーチをかけられてしまいました。
果たしてファイナルの舞台で1-3から逆転して優勝したチームは一体何チームあるんでしょうね?
正直厳しいのは分かっています。とりあえず次の試合を取り、ホームに戻ってから考えるしかないですね。


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8 コメント

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Unknown (てふてふ)
2012-06-20 14:57:25
ハーデンがブレーキ……
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Unknown (ウェイ丼)
2012-06-20 15:04:49
いつも詳細な文章を楽しく拝見させてもらっています。
応援しているチームの敗戦に相当堪えているはずなのに
相手チームの良かった点を素直に褒めたり、自チーム相手チームの分析も公平に見れてとても立派だと思います。
書かれているとおりハーデンがずっとイマイチですね。KDの徹底マークを緩めるためにもハーデンの奮起が必要だと私も思います。
今日のバティエとレブロンに囲まれていたKDを観ていると、デトロイトに潰されていたジョーダンを思い出しました。


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てふてふさん (kdu)
2012-06-20 23:16:31
まさにその通りです。
一部では「ハーデン髭剃れ!」なんても言われてしまっていますね。
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ウェイ丼さん (kdu)
2012-06-20 23:28:03
楽しくなんて、ありがたい限りです。ありがとうございます。
しかしまあ、仰る通り今回の敗戦は相当堪えましたね(汗)
でもチームに偏った分析をしていないのは、素直にそう感じたからに他なりませんよ。僕だってフェアじゃないと感じたらそう書きますし。

ハーデンはもう今シリーズを通してダメですからね。やはり相手が3体制で得点を取ってくるのですから、こちらも3人でないと。しかも、ディフェンスをかいくぐっての中でもありますし、本当活躍してもらわないと困るのです。

そして誠に申し訳ないのですが、僕90年代のNBAの知識ほとんどないんですよ(汗)
ネタについていけず、すいません。
ちなみに調べてみたんですが、91年プレーオフでしょうかね?
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Unknown (ウェイ丼)
2012-06-21 00:01:39
そうです。俗にジョーダンルールなどと呼ばれたエースを徹底的に、ときにはファウルもラフプレイも込みで押さえ込んだやり方です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/ジョーダン・ルール
ジョーダンは80年代に何度もPOでピストンズと対戦してずっと勝てませんでした。91年に初優勝できたのはピッペンという相棒がようやく成長したことと、トライアングルオフェンスというジョーダン一人を守っても他で得点できるオフェンスシステムを新任HCフィルジャクソンが取り入れたからでした。
ここら辺は昔ジャンプで連載してたNBAストーリーという漫画がズバリ描いてて面白かったです。今でもAmazonの全巻セット中古で500円くらいで買えたとおもいます。結構オススメです。
話が脱線しました。その状況とデュラントが重なって見えました。ピッペンのような素晴らしい相棒ウェストブルックはいますが
相手守備を分散させる、もしくは逆にデュラントを囮に使うトライアングルにあたるものがないですよね。
やはり鍵は他メンバーの奮起だと思います。特にハーデン。
しかし、これだけ悪い状況でも100点近く取れるOKCのオフェンス力は凄いと思います。あと少し歯車が噛み合えば一戦目の勢いが戻りそうな気もします。
次戦が今から楽しみです。
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ウェイ丼さん (kdu)
2012-06-21 00:21:58
詳しい説明どうもです♪
なるほど、見事に今のサンダーと一致して見えますね。しかし、確かにトライアングルオフェンスに匹敵するものを現在のサンダーは持ち合わせておりません。
そういった意味では、何度も言いますがやはりハーデンの復調が鍵となってくるのでしょうか。
現在これだけやってもなお負けてしまうのですから、もうハーデンの活躍を祈る以外ないですしね。
次の試合、第1戦の勢いを取り戻すべく頑張って欲しいと思いました。

あと、NBAストーリーの紹介ありがとうございます。ちょうどあともう少しでNBAもオフシーズンに入るわけですし、是非その間の読みたいと思いました。
できればブログのネタになれば、なんて考えています。
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Unknown (くろ)
2012-06-21 19:34:53
ま、1ー3から新たな大逆転の歴史を創るからいいんですが、

ヽ(;▽;)ノい、いいんです、けど、、

パーキンスよりコリソンを使ってほしいなー

ハーデン、レブロンについてしんどかったかなw ビビった一瞬はいただけなかった、もとよりチャレンジャーな気持ちをバンバン出して欲しかったとこですねー

レブロンが倒れたときのフィッシャーの早攻め、KDにボールを渡さず攻めたWB、、
終盤バティエ相手ならKDが攻めてよかった一瞬かなーって、後の祭りですが(´Д` )

まだまだ得るもの、できる事はあるはずです、折れずにぶつかって欲しいですねw

#thunderup!!! 歴史に名を刻めー(´Д` )
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くろさん (kdu)
2012-06-21 23:27:23
NFLでは1回ありましたし、0-3からでもないのでプラス思考でいきましょう。

僕もパーキンスよりコリソンの方が良いと思っています。むしろパーキンスがヒート戦に向いていないんで、スタートから外すまであるんじゃないでしょうかね。

ハーデンもそうですがレブロンも動きすぎて足つってますから、しんどいのはお互い一緒だったのかもしれません。もとより経験・年齢ともに相手の方が数倍上ですから、心機一転して次の試合臨んで欲しいと思います。

確かに今になって考えると、たらればが一杯浮かんできます。
しかし、僕としてはやっぱり最後のウェストブルックのファールですかね。あれを仮に守ればデュラントが3Pをきめてくれると信じていましたから(汗)

さて、明日から歴史創りますか。
頑張れ、Thunder!!
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