和歌山での熊野詣りが終わってから帰りに主人にどうしても行きたい神社があるとお願いして京都の八坂神社に寄ってもらった。牛頭天王、つまり素戔嗚尊をお祀りしている。
私がお詣りしたときの八坂神社は人が少なかったけどお祭りのような活気の溢れるエネルギーを感じた。神社によって醸し出すエネルギーが違う。男神様、女神様でも違う。力強さを感じたり、なんとも言えない優しさを感じたり神社にお詣りすると幸せになる。
素戔嗚尊は古事記によると荒ぶる神という形で現されているが、実は心根の優しい力強い神様だと思う。マイナスと思われる側面を全て引き受けてくださっている尊い神様だと勝手に想像している。
天照大御神の御兄弟として生まれ、やんちゃな側面があり高天原を追放されてしまう。出雲では八岐大蛇を退治して奇稲田姫を助けて結婚し、娘を大国主尊に嫁がせる時は、最初は色々と大国主尊を試すようなことを仕掛けたとあるが、娘を託せるかを確認しただけで最後は認めて応援したりと情深さがある。母を慕って根の国に行くと泣いてみたり、童心のような心を持っていて、根の国から高天原まで顔がきく感じで何とも魅力的な神様だと思う。
知人に総理大臣クラスの方から私のような一市民まで分け隔てなく応対してくれる素敵な方がいる。その方は13歳の時にハンセン病を患い、その後病が完治したのに40年間国策により隔離されるという壮絶な人生を歩まれていて、国を相手に裁判を起こし勝訴した原告13人のうちのお一人だ。
その方とは10年以上昔私が病気をした時に知り合って、辛い身体の時、何回も電話をくれたり、家にお見舞いに来てくれたりして励ましてくださった。交通事故の補償という絡みがあり、患者が仮病扱いされ置き去りにされていた悲しい認められない病を、広く知れ渡る病にするよう国に保険適用を働きかけ尽力してくれた。お陰で最近はこの病気も認知されてきて、画像診断がつくと保険適用になった。
その方はよく「わしには我が無いんじゃ!」と言っていた。いつも一番弱い人に心を寄せ、人の痛みを自分の痛みとして捉え怒ってくれる。人を見抜く眼力が凄くてハンセン病という悲しい歴史を持つ病を解決させるために天の神様に誓って生まれてきた尊い魂のお方だと私は思っている。
その方は毎朝2時間神仏にお祈りをするという。人により態度が変わることもなく、信念を強く持っておられて、それでいて我がなく、怒る時はお不動様のようで、でも心根は底抜けに優しく私の大好きな尊敬するお方。
実は当の本人にお不動様みたいってお伝えしたことがある。その方には言葉では説明つかない凄みがあり、自分は人生被害を受けたと話してくれるが、今周りの人に与える愛は神様そのもの。母と同じ歳だと思うけど歩んできた人生が深くてその方から学ぶことは多い。
素戔嗚尊ってもしかしたらそういうイメージの神様ではないかと勝手に想像している。誤解され追放されだけど、どこに行ってもその場で最善を尽くし、強くて優しくて正義の味方で何事にも立ち向かっていく神様。あくまで私の勝手なイメージですが・・・。
そんなイメージを私なりに素戔嗚尊に持ちながら全国の神社で素戔嗚尊がお祀りされているところをみつけては手を合わせお詣りをさせていただいている。