一昨日の午後11時過ぎに発生した豊後水道での地震関連のニュース解説を見ていて、「事前避難」という用語が出て来たのに驚いた。政府は、いつの間にそんなことを決めていて、こんな大切な事を国民に周知徹底しないのは何なんだろうかと疑問を持った。勿論、政府としては、ある程度は広報もしているし、ホームページなどでも周知していると言うかもしれないが、でも、それが対象地域の住民にほとんど知られていないとすれば、それこそ、政府の失敗であると言わざるを得ない。ちなみに、そのQ&Aでは、
「事前避難は何をすればいいの? 突発的に地震が発生したら、最寄りの津波避難タワーや津波避難ビル又は避難所まで避難します。 津波警報が発表された場合は、津波警報が解除されるまで避難を継続します。 津波警報が解除されるまでの間や解除された後に、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合は、お住まいの地域に応じた防災対応が必要になります。 事前避難対象地域にお住まいの方は、津波警報の解除後に、浸水想定区域外の避難所や知人宅等に移動し、1週間の事前避難を行います。」
とのことが書かれているらしい。おそらく、私が住んでいる地域も、その対象地域に入るのだろうが、まず疑問に思うのは、仮に、南海トラフの巨大地震の発生が予知されたとして、果たして、西日本の産業ベルトの機能を一定期間は止めてしまことにもなりかねない臨時情報を、政治家や官僚達が本当に出せるのだろうかということと、もし、臨時情報を出したとして、浸水想定区域外の避難所や知人宅等に一週間も避難することが、物理的に可能かということである。東北地震の発生直後は、大津波で多数の被害もあったし、福島原発のメルトダウンがあり米軍すら避難しようとしていたような差し迫った危険があったが、未だに発生していない南海トラフ巨大地震を仮に予知出来たとして、誰の責任で、対象地域の国民に危険性を発表し、避難を促すということが出来るだろうか。そんな勇気を持った政治家や官僚が、この国に存在するだろうか。官僚達は、縦割り、横並び、慣例重視、出世主義の牙を抜かれた者達だし、政治家は、二世・三世の家業としての政治家が多くて、裏金を作って選挙対策の為に使っていても、何等悪い事とも思っていない者しかないように見えてならない。更に言えば、それでは、政府は、津波避難対象地域以外の地域に、大規模な避難対策物資の集積をしているんだろうか。菅元首相は、「災害時にあっては自助・共助・公助の順が大切だ。」と言っていたと記憶しているが、そんな大災害の危険性が迫っている時には、政府としても、事前避難の必要性を言うのであれば、避難対策物資の事前集積くらいはしておくべきだと思う。先の台湾の地震では、発生直後直ちに避難所が開設され、手厚い支援がなされていたのをテレビで見たが、小さい国だから出来たというのではなく、政府と国民の意識や仕組みの差であるのではなかろうか。能登半島地震でも、未だに、支援が行き届いていないのを知ると、この国の公の仕組みの足りなさを痛感せざるを得ない。
それはさて置いても、大地震が差し迫った情報を得たとして、国民としてはどうすれば良いのだろうか。津波被害の心配のないような内陸地域に逃げるとして、季節にもよるが、いつまでたっても変わらない体育館などのお粗末な避難所に避難したとしても、性被害や泥棒被害に遭うかもしれないし(日本人が災害時でも秩序を維持していて犯罪者も少ないというのは、作られた都市伝説に過ぎず、実際には、災害地に入り込んで泥棒や強姦などを企む者が絶えない。)、どこかの駐車場に止めた車内にずっといることも出来ない。当然、ホテルなども満室で予約できないだろうし、空き地などにテントを張って自炊することが可能だとしても、とても一週間も耐えられないだろう。もっとも、南海トラフ地震については、本当に危険となるのは、10年後か15年後よりも先になるとの説もあるが、その時には、私も今以上に高齢となっていて、逃げようとする気力も持てないかもしれない。
NHKの歴史探偵という番組で空海のことを取りあげていて、「即身成仏」ということが真言宗を開いた空海の教えの根本にあるとされていた。そこで、即身成仏についてネットで調べると、「衆生が、死んで生まれ変わって現実の凡夫の身を改めることなく、仏の境涯を得ること。」という解説があり、真言宗では、それに至る様々な修行方法があるとのこと。
しかし、私が思うに、「我」(自分が存在しているとの認識)は、自分の脳に蓄えられた記憶と脳内における自己認識の作用で形成されており、「我」は、また、大自然の摂理の中で、この世界を構成する因縁によって生成されたものであり、そのことを認識して、五欲や、それに対する死の恐怖なども、自然の作用であると見做すことが出来てこそが、即ち、仏の境地に達したと言えるのではなかろうかと推察している。
ところが、世の中の宗教全体について言えることだが、葬式仏教に代表されるように、本来、釈迦が説いたものとは異なる解釈を並べ立てて、宗教者の金儲けの為に大衆を誤った方向に誘導しているとしか思えない。そもそも、死後の世界があるとか、輪廻転生があるとかは、それを説く人々の、「そうであったら良いのに」という願望に過ぎなくて、釈迦が亡くなって後の弟子達の一部の解釈が伝わってきたのではなかろうか。修行者であり、万物について深く考察していた釈迦は、来世とか、死後の世界とかは、「わからないもの」であるとしか述べてないのではと、思えてならない。
不可知論という言葉もあるが、死んで意識を無くしてしまえば、それから先は、わからないとしか言いようがないと思う。

何気なく見過ごすような草花が春の匂いを運んで来るようで、何となく物憂い感じがする。中東情勢の影響か、はたまた、アメリカの金利政策の影響なのかは知らないが、株価が爆下がりしている。しかし、私は持ち株は売らず、押し目狙いに徹する覚悟だ。水原元通訳がギャンブル依存症だと自認しているそうだが、株式取引などもギャンブルの一種だと思う。政府は、新NISAなどで、国民の堅実な貯蓄を投資に振り向けようと企んでいるようだが、私の乏しい経験からしても、コツコツと地道に貯蓄するのに勝るものは無いと思う。
ところで、大阪万博まで一年を切ったとのことだ。
桜の花が散ってしまったと思ったらフジが花盛りとなり、気温も春から初夏に近づいてきた。年齢を重ねると、益々、日々の移り変わりが早いと感じている。
先程から、イランからイスラエルに向けて200発ものミサイルやドローンが発射され、イスラエルやアメリカ軍が迎撃に務めているというニュースが流れている。ニューヨーク株価は、これを先取りして大幅な下落があった。日本の明日の株価の下げ幅も大きいだろう。両国とも軍事大国でもあり、事態が大きくなって歯止めが効かなくなることが怖い。岸田首相は、アメリカに行って、在日米軍と自衛隊の一体運用についての約束をしてきたところでもあった。何らかの形で、我が国も巻き込まれる可能性もある。