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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

緊急ダイヤルのオペレーションルームの中だけで描くサスペンス!『THE GUILTY ギルティ』観てきました!

2019-04-29 22:42:24 | Weblog


4/28(日)、ユナイテッド・シネマ新潟で『THE GUILTY ギルティ』を観てきました。
新潟県内での上映は多分ユナイテッド・シネマ新潟だけだったと思います。





予告編はこんな感じです。


警察の緊急ダイヤルのオペレーションルームだけを舞台に、オペレーターをしている主人公と、そこにかかってくる電話の音声のみで、物語を描いた異色サスペンス。
非常に限定されたシチュエーションの作品でありながら、主人公にかかってくる緊急ダイヤル、彼個人の携帯電話での会話、そして同僚とのさりげない会話から、金融ダイヤルの向こうで進行する何らかの事件、そして主人公が抱えている背景などを、観客の想像力をかきたてながら徐々に真実を明らかにしている脚本が見事で、面白かったです。

まず、映画の冒頭、緊急ダイヤルのオペレーターという仕事の内容を紹介するようなシーンから始まるのですが、何度も言うように、映画に登場するのはオペレーションルームの主人公のみで、電話越しに様々な事件、事故に対処していく様子が次々と描かれます。
映画を観ている我々は当然、主人公の電話の内容だけでどんな出来事が起こっているか想像しながら映画を観ることになり、同時に「緊急ダイヤルってこんな仕事なんだ…」と、この時点で限定されたシチュエーションの映画から様々な情報を読み取りながら映画を観ていくわけです。

ただ、最初は「この話、どこに向かってるの…?」とか、「このエピソードはストーリーの伏線なの?それとも関係ないの?」と、煙にまかれたような気持ちで映画を観ているわけですが、徐々にある電話から浮かび上がる一つの事件を中心として物語は動き出します。
主人公は、かかってくる電話の音声の情報のみから、電話の向こうで起こっている事件の内容を想像し、解決しようとするのですが、それが音声情報からストーリーを想像しながら観ている観客の自分の状況とシンクロするし、また映画の中で進む時間と上映時間がほぼ一緒だったりするために、主人公に感情移入しながら映画を観ることになります。

限定的なシチュエーションでありながら、電話の相手は一人だけでなく、事件の複数の関係者、警察の様々な部署や、時には主人公のプライベートな電話も駆使して、事件を解決しようと奮闘する主人公に、徐々に引き込まれていきます。
そう思って観ていると、サスペンスだからネタバレはできないのですが、映画の中盤で、主人公も観客の自分も「騙された!」と思わされるようなどんでん返し的な衝撃的な展開を迎え、サスペンスとして盛り上がると同時に、一面的な情報だけでは見えてこない真実の重さや、一方的な思い込みだけで決めつけて行動することの危険さが、主人公も観客の自分も突き付けられることになり、今まで以上に手に汗握る映画となっていきます。

それと並行して、オペレーターにしてはやけに警察内部に精通していたり、事件解決に向けて積極的に動くような主人公の言動が見えてきたり、そんな主人公がどうしてそもそもオペレーターをしているのか?の謎も、少しずつ明かされていきます。
ネタバレを回避して話すのが難しいのですが、どうやら主人公が抱えているらしい過去と、彼がずっと電話をしている事件のある関係者が取ったある行動が、実は非常に似たような問題であることが判明し、それ故に主人公は後悔し葛藤するのですが、それでも本当に正しい行動をしようとすることを決して諦めない姿がぐっときました。

クライマックスでは、事件の結末と平行して主人公の成長も描かれるのですが、それが、主人公が成長したから事件はあの結末を迎えられた、というものになっていて、非常によくできた脚本だと思いました。
ここ最近は、例えばパソコンの画面のみでサスペンスを描いた「search/サーチ」という名作なんかもありましたが、この「THE GUILTY ギルティ」も、緊急ダイヤルのオペレーションルームの内部のみという非常に限定的な状況の中で、二転三転する事件と主人公の成長などの人間ドラマを描いた、見事なサスペンスだと思いました。
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