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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

アニメの実写化だってアイドル映画だって面白い映画は面白い!『がっこうぐらし』観て来ました!

2019-02-14 14:46:59 | Weblog


2/13(水)、イオンシネマ新潟西で『がっこうぐらし』を観て来ました。
新潟市内では、イオンシネマ新潟西と新潟南で上映していたようですね。





予告編はこんな感じです。



アニメ化もされヒットしたほどの人気漫画の実写化作品であり、テレビのオーディション番組から生まれたアイドルグループ「ラストアイドル」のメンバーが演じています。
大事なポイントだと思うので最初に言っておきますけど、こういう漫画やアニメの実写化やアイドルが主演の映画って、バカにして観に行かない人が多かったり、そのくせ観もしないで叩く人が絶対いるんですよね!特にアニメや漫画のいわゆる2次元オタクの人達に!

そういう人達に僕は言いたい!実写化作品を、アイドル映画をバカにするなと!
いや、分かりますよ。原作の面白さの本質を理解せずに適当に作っとけばファンは観るだろ的な安直な発想だけで量産される実写化作品の多さ!作品に演技力が追い付いてないのに人気だけで安直に起用されてしまうタレントの多さ!僕だって嫌いですよ、そんな映画は!2000年代には異様に多かった気がします。

しかし、しかしです!邦画だって進化しているのです!漫画の実写化作品でも、原作の面白さを損なわず、どころかさらに引き立て、さらに一本の映画としてしっかり面白いような、面白い漫画の実写化映画が、ここ数年、本当に多く作られているんです。
一本だけ例を挙げるなら、今回の『がっこうぐらし』とジャンル的にも近いんじゃないかと思われる『アイアムアヒーロー』なんて、和製ゾンビ映画の歴史を更新するような大傑作でしたよね。

また、アイドル主演の映画だって、確かに演技力の拙さからB級映画だとバカにされがちだとは思いますが、僕が言いたいのは、B級だろうが何だろうが面白い映画はたくさんあるんですよ!
井口昇監督の映画なんて、毎回B級テイスト全開だし何かとアイドルが主演したりするけど毎回ちゃんと面白くて海外でも高く評価されているし、個人的にはBiS主演の『アイドル・イズ・デッド』なんて、これもB級テイスト全開でツッコミどころ満載だけど最初から最後まで超面白いですからね!

どんなにバカバカしかろうと、ツッコミどころ満載だろうと、「B級映画である」ことは映画の質や評価を下げることには絶対繋がらないと思うし、逆にB級映画だからこそ表現できるものって本当にたくさんあるわけです。
そして、アイドルが主演の映画も、役者としては未熟であるが故に今後の成長を応援したくなってしまう魅力があるのもまたアイドルだし、もっと言えば、あの拙い演技だからこそ映画の面白さが引き立つ作品って絶対あるんです!特にホラー映画なんてその要素大きいと思いますよ!

もっと個人的なことを言っちゃえば、二次元を無理やり実写化したようなキャラクターを演技の拙いアイドルが演じる映画、特にB級映画、僕、大好物なんですよ!
バカバカしいとか下らないとか気持ち悪いとか言う人もいると思いますけど、寧ろ僕は、こういう映画だけで感じられるようなあの独特の「変な感じ」、本当に大好物なんですよね!伝わる人にしか伝わらないと思いますが!

そんな人間からすると、『がっこうぐらし』なんて、ドストライクな映画なわけですよ。アイドル主演で実写化でさらにB級ホラーなわけですから。
バカにして観に行かない奴もいるけど、俺は絶対観てやるぞ!そしてちゃんと評価してやるぞ!と意気込んで映画館に向かったわけです。

とは言え、もし本当に駄作だったらどうしよう…という不安は正直ありました。映画を観に行くって行為は、少なからずそういう博打みたいな要素があるわけですよ。
しかし、安心しました。はっきり言ってこの映画、めちゃくちゃ面白かったです!率直に言って大満足です!予想以上にはるかに良かった!

で、帰宅するなり「何だよ!色々叩かれてて不安だったけど面白かったじゃんかよ!」と思って、みんなはどんな感想をツイートしたんだろう…って検索すると、やっぱりおそらく観てもいないであろう人達のバカにしたツイートばっかり出てくる訳です。
そんな訳で僕は、この映画『がっこうぐらし』は面白いからな!ということを伝えるためにも、ちゃんと感想を書いていこうと思います!いつもより無駄に熱が入ってます…笑



さてさて、ではこの『がっこうぐらし』、どんな映画かと言うと、まあ一言で言ってしまえば『ドーン・オブ・ザ・デッド』の女子高生の学園青春モノ版、ってことだなあと思いました。
『ドーン・オブ・ザ・デッド』は、ゾンビに襲われた世界で、生き残った人達がショッピングモールに籠城して生活する様子を描いた、実はゾンビ騒動よりその中で彼らがどう生活していくか、の方がメインの映画だったと思うんですけど、まさにそれを学校に置き換えたような映画だと思いました。

『がっこうぐらし』では、主人公たちが学校生活を送っている途中でゾンビ騒動が発生してしまい、生き残った4人は学校の中で生活しているのですが、バリケードを築いてゾンビを避けて束の間の安住の地で暮らしている感じとか、ゾンビが発生している地域を通ってどうやって食料庫まで辿り着くかとか、ああこれ、『ドーン・オブ・ザ・デッド』で見た!って思いました。
また、原作漫画の実写化であり、極限状況下での学校生活(文字通り居住している)を描き、SFホラー的な恐怖やアクシデントを描きつつも、あくまでも登場人物たちの日常生活をメインで描くという意味は、漫画原作の実写化という点からも、ドラマの「ロング・ラブレター漂流教室」を思い出したりもしました。

そんな日常を描きながらも、平和だと思っていた空間にゾンビがなだれ込んでくるハプニングや、ゾンビとの決死のバトルなど、ゾンビ映画のツボを描くという点も、結構頑張っていたと思います!
まあ、欲を言えばゾンビ映画ならちょっと物足りない…って部分(要するにグロテスク描写)もありましたが…でも、それやっちゃうと年齢制限が発生してしまうし、アイドル映画だし…って点を考慮すれば、全然アリです!寧ろアイドル主演でここまでやってくれれば僕は大満足です!

まあそんな感じで、ゾンビ×学園日常ものという独特の組み合わせ故の、基本はゾンビ映画なのに、「がっこうぐらし!」という可愛いタイトルや「学園生活部」という一見平和な設定というギャップが、かえって恐怖や不気味さが際立っているなあとも思えました。
こういう突飛な設定って、もともと漫画やアニメだから可能な(言葉は悪いけどバカバカしい)設定だと思うし、さらにそれが実写化されることで、原作の持っていた「この作品だから味わえる独特の変な感じ」をさらに際立たせる効果があったと思うので、本当に実写化して大正解だったと僕は思います!だからB級映画だったり漫画の実写化だったり、このやり方だから表現できる面白さが絶対あるはずなんですよ!

さらに、これはこの作品の根幹にかかわる部分なのでネタバレできないのですが、この物語全体に、ある意味観客をだますような叙述トリック的などんでん返しが用意されているんですよね。
要するに、登場人物たちの見ている世界はどこまでが現実なのか!?っていうのが、映画を最後まで観ないと分からない構成になっていて、それが明らかになった時に、「そういうことだったのか!」という感動がありました。

それが、ただ単に伏線回収とかどんでん返しの気持ちよさってだけじゃなくて、ちゃんと感動に繋がる(あるキャラクターが実は…っていう真実を考えるとぐっとくる!)ものになっていたのが、本当に素晴らしかったなと思います。
そしてこの感動、この作品の「学園生活部」という設定、外はゾンビだけどあくまで日常モノという独特の設定だからこそ、表現できるもので、だからやっぱり、ちゃんと原作の面白さを理解した上で作られた映画だと思うんですよ!

で、それだけでも感動的なんですけど、この映画はさらにその先、要するに彼女たちなりの「この世界からの卒業」をちゃんと描いているのが、本当に素晴らしいんですよね!
それは、ゾンビ映画にありがちな「脱出」オチでもあると同時に、自分達が信じていた世界の外側に本当はずっとあった真実に気付き、文字通りそれまでの自分達を「卒業」し、「外の世界」へと進んでいくという、本当に登場人物たちの成長のメタファーにもなっていたし、本当にゾンビ映画としても青春映画としても最高のエンディングじゃないですか!さらにアイドルがそれを演じるからぐっとくるというものがありました!

永遠にも続くような平和だけど実は虚構の日常から、最終的に主人公が現実世界に飛び出していく、という意味で、僕は『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』を思い出したりもしました。
さらに、同じ日に観て一つ前の記事に感想を書いた『赤い雪 Red Snow』、出演者が超ベテラン俳優か演技初心者のアイドルかという意味では一見真逆ですが、どちらも「自分が見ている世界はどこまで真実なのか?」という共通するテーマがあった気がします。

『赤い雪 Red Snow』の感想はここに書きました。
冬の田舎で起こる不吉ながらも恐ろしいくらい美しいミステリー・サスペンス『赤い雪 Red Snow』観て来ました!

そんな訳で、長々書いてきましたけど、ゾンビ映画としても学園ホラーとても青春映画としても漫画の実写化作品としてもそしてもちろんアイドル映画としても、本当に面白かったです。
何度も言うけど、アニメや漫画の実写化やアイドル主演のB級映画ってだけで観もしないで叩く人もいるけど、そういう作品だからこそ描ける面白さや感動がちゃんとあるんだ!ってことをしっかり証明できる映画だと思ったので、熱が入った感想を書いてしまいました!
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