舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

実際の無差別テロ事件を被害者の視点からワンカットでリアルに描く。『ウトヤ島、7月22日』を観てきました!

2019-04-17 01:22:02 | Weblog


4/16(火)、T-JOY新潟万代で、『ウトヤ島、7月22日』を観てきました。





予告編はこんな感じです。



2011年7月22日に、ノルウェーのウトヤ島で実際に発生し、多くの子供達が犠牲になったテロ事件を、被害者の一人の視点で描いた映画。
キャンプに来ていた子供達が、何が起こったか理解もできないまま突然テロに巻き込まれていく恐怖が、ワンカットによってリアルに伝わってきました。

ワンカットが魅力の映画はたくさんありますが、この映画の場合は、冒頭ではごくごく普通のキャンプの光景が描かれるのですが、そこで突然テロ事件が起きる、という過程がワンカットで描かれることで、平和な日常が悲劇の非日常へと地続きで繋がっている恐怖が表現されていたと思います。
また、ワンカットによって観る側の緊張感がまったく途切れることないため、それによって事件に巻き込まれた人間が一瞬たりとも心が休まる瞬間がない恐怖も表現されていたと思います。

また、主人公の視点で映画が撮られることで、例えば突然テロが始まる時の「あれ、遠くで変な音がしたけど何だろう…?」「あれ、たくさん人が逃げてきた…!?何…!?」「えっ、人が死んでるの…!!??どういうこと!!??」「えっ、これってテロなの!!??待って、嘘でしょ!!!!助けて!!!!」という、まったく予測できない事態に巻き込まれていく恐怖が非常に効果的に表現されていたと思います。
さらに、テロに巻き込まれながら、主人公がとにかく右往左往するんですけど、それが映画を観ていても正解なのか不正解なのかまったく分からないまま進んでいくあたりも、実際にテロに巻き込まれたらそうなるよな…というリアリティがありました。

映画ではカッコよく描かれがちな銃撃戦が実際に起こったらいかに恐ろしいのか、ドキュメンタリーに思えるほどごくごく普通の日常がテロによって一変する恐怖、普通に生きていた人間が死の危機に直面する重さ、それがほぼ全編のワンカットによって緊張感がまったく途切れずに伝わってくる映画でした。
アクションの高揚感も、クライマックスのカタルシスも、脚本の伏線回収もまったくない、とにかく、テロに巻き込まれた人間のリアルな恐怖を観客に突き付けてくる映画でした。
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