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新潟県立近代美術館「日本が見たドニ ドニの見た日本」見に行ってきました。

2024-10-05 21:30:46 | Weblog


10/5(土)、新潟県立近代美術館「日本が見たドニ ドニの見た日本」を見に行ってきました。



モーリス・ドニとは、19世紀末から20世紀にかけて、フランスで活躍した画家。
ドニは「ナビ派」(ヘブライ語で「預言者」という意味)という前衛芸術家たちの集団に所属し、彼らはジャポニズムと呼ばれた浮世絵などの日本の絵画から強い影響を受けていたそうです。

一方で黒田清輝や久住佳一郎、梅原龍三郎、藤田嗣治などの日本人の芸術家たちは、フランスに留学したり、ナビ派が作った美術学校「アカデミー・ランソン」で学んだりすることで、ドニなどのフランスの芸術家たちからも影響を受けていた。
そんな日本の芸術に影響を受けたフランスの芸術家たちと、フランスの芸術に影響を受けた日本の芸術家たち、それぞれの歴史を辿りながら、ドニに限らずフランスと日本の様々な芸術家たちの絵画を紹介していく展示でした。

最初はナビ派の様々な画家が紹介されているのですが、ナビ派は絵画以外にも彫刻や建築やデザインも手掛けた総合芸術の集団で、きっと色んな芸術を学んで取り入れていたから、日本にも強く惹かれたのだろうなと思いました。
ナビ派の彼らの絵画は人物や風景など日常の中にあるものを美しく描いていて、確かに浮世絵に通じる魅力がありました。

ヨーロッパの絵画なので宗教や神話を題材にしたものも多いのですが、ナビ派はそういう題材にも日常の延長にあるような素朴な魅力を見出して優しく描いているように感じました。
またドニは生涯妻を愛し、絵の題材にしてきたそうですが、その妻の亡きあとは宗教画が増えていったというのも印象的で、きっと本当に悲しくて神に祈りながら生きていったのではないかと思いました。

そしてドニらナビ派に学んだ日本人の画家たちらによって、日本でも洋画が発展するのですが、彼らの洋画には和と洋、両方の魅力を感じて、それはそのまま今の自分が親しんでいる現代美術やイラストにもそのまま通じるような魅力で、本当に今見てもまったく古びない美しさがありました。
しかしその日本とフランスの芸術家たちの交流も、第一次、第二次世界大戦によって分断された時期も長くあったそうですが、戦後は日本の芸術家たちが、まるで平和な時代に芸術が花開いたナビ派の魅力に原点回帰するような優しくて力強い絵を描いていたのも、本当に当時の日本の芸術家にとってナビ派の影響が本当に大きかったんだろうなと思いました。





今から100年以上前に、日本でもフランスでも芸術を学び、創作し、交流し、発展させてきた芸術家たちがたくさんいて、彼らの功績は現代の芸術にもしっかり受け継がれている。
ドニの「ベンガル虎 バッカス祭」という絵画だけ唯一撮影可能でしたが、こうして今から100年以上の前の絵画に現代を生きる自分が感動できる時点で、彼らの想いは今も作品の中に生きていて、それはしっかり現代に続いているのだと、感動させられる展示でした。
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