ゑんぢんぶろぐANOTHER!

環境の激変に当の本人が一番馴染んでいない現状…まぁぶろぐは二つとも変わらずまったりどうでもいい事をつらつら書くだけだが。

シリーズ「読了」

2018-08-29 23:31:06 | 読書
「江神二郎の洞察」
著者:有栖川有栖

著者デビュー作を含む短編集。
主人公:江神二郎は著者長編デビュー作である「月光ゲーム Yの悲劇'88」の探偵役。
デビュー以来同じキャラが生き続けるというのも凄いが、それが30年に及ぶ、というのがもっと凄い。

…いや正直、江神&有栖コンビはこのまま黒歴史になると思ってたよ(小声)

ついでに←ブレずに新本格推理の王道一直線が更に凄い(色々と失礼)。


「ハードロック・ラバーズ・オンリー」…似鳥鶏の「家庭用事件」を連想させる江神の一言が物語の流れをひっくり返す。

「四分間では短すぎる」…ハリイ・ケメルマン「9マイルは遠すぎる」をネタにするのは推理作家の業か?
必ずと言っても良いほどに…タイトルをもじったり、似たような展開の短編をモノしたりする…。

…それが「違った角度で面白い」のが著者の著者たる所以だ。

かと思えば「開かずの間の怪」のような、読後…何とも言えない空気が漂う怪作がしれっと紛れていたり…。

「除夜を歩く」では「盛田昭夫」についての「ある一文」がオレのフヤケた脳ミソに電撃を与えた…だけではなく(当然だw)、色々と過去を縫うように伏線や引っ掛かりが通り過ぎる。


著者にとってはいつもの事ではあるが、「よくもまぁこんな細かい所にまで仕掛けをしてある」と嘆息するばかりの短編集だった。

そして勿論「未来への伏線」もしっかりと張ってあるのも著者ならば当たり前の…。


著者の他作品

火村英生シリーズ
っ「怪しい店」
っ「長い廊下がある家」
っ「火村英生に捧げる犯罪」

真夜中の探偵シリーズ
っ「論理爆弾」
っ「真夜中の探偵」
っ「闇の喇叭」

「満足度:◎」
◎:オススメ
◯:まずまず
△:好きな人もいるかも
×:読まない方が…
※:絶版キボンヌ

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