「竹中平蔵の正体」 〜岩上安身による『市場と権力』著者・佐々木実氏インタビュー 2014.7.16
(IWJ・藤澤要)
「竹中平蔵」――。嵐のような「構造改革」全盛時代を演出した張本人である。
ジャーナリストの佐々木実氏は、8年という取材期間を経て、竹中氏の評伝『市場と権力』(講談社、2013.05)を執筆。同書は、経済学者、政府閣僚、企業経営者といった複数の顔を自在に使い分け、政策決定に絶大な影響力をおよぼしてきた竹中氏の実像をとらえた力作として高い評価を得ている。
記事目次
2014/07/16 【イントロ】岩上安身による『市場と権力』著者・ジャーナリスト 佐々木実氏インタビュー
[追記]
私はこの本は読んでいませんが、悪党としての竹中平蔵にはおおいに興味があります。
amazonのレビューから
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日本における「悪人」の一類型,2013/6/15
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レビュー対象商品: 市場と権力 「改革」に憑かれた経済学者の肖像 (単行本)
こんな重厚なルポが掲載されていたのですね。知りませんでした。相当な時間と労力をかけ、竹中氏の幼年時代から現在までが相当な深さで探られていきます。和歌山での青年時代、そして上京、就職などにかかわる様々な興味深いディテールがさりげなく提示されていきます。これらの竹中前史にかかわるディテールは、想像をたくましくすれば、いくらでも話を様々な方向へ展開することが可能ですが、著者は禁欲的にその前でとどまります。どのエピソードも様々なストーリーの展開を可能とするものです。
後半はその奇妙な生態と動きが日本の変貌と共に完膚なきまで解明されていきます。そこで明らかにされるのは、1970年代というブレトンウッヅ以後の時代に社会に放り出された、田舎の何のコネもない、しかし世俗的な権力欲だけは人並み以上だった一青年の生き様です。
アメリカとのかかわり、大蔵省でのコネづくり、様々な日本固有の仕組みへの実務責任者としての関わり、強烈な節税への意識、ここに示されるのは、東京出身の典型的な日本のエスタブリッシュメントとは明確に異なる軌跡です。
案外、規制緩和や新自由主義なんて当人にとってはどうでもいい話なのかもしれません。彼がキャリアを形成した時代は、ただそのイデオロギーがアメリカによって日本に強制されたため、一番の勝ち馬に乗ったというだけなのかもしれません。一番興味深いのは、この権力欲と隠された破壊願望の源ですが、この部分は青年時代のエピソードの羅列だけで、深められることはありません。この部分の解明は、ノン・フィクションではなく、小説(宴のあと (新潮文庫)などの別な形のジャンルの方がより効果的なのかもしれません。
後半はその奇妙な生態と動きが日本の変貌と共に完膚なきまで解明されていきます。そこで明らかにされるのは、1970年代というブレトンウッヅ以後の時代に社会に放り出された、田舎の何のコネもない、しかし世俗的な権力欲だけは人並み以上だった一青年の生き様です。
アメリカとのかかわり、大蔵省でのコネづくり、様々な日本固有の仕組みへの実務責任者としての関わり、強烈な節税への意識、ここに示されるのは、東京出身の典型的な日本のエスタブリッシュメントとは明確に異なる軌跡です。
案外、規制緩和や新自由主義なんて当人にとってはどうでもいい話なのかもしれません。彼がキャリアを形成した時代は、ただそのイデオロギーがアメリカによって日本に強制されたため、一番の勝ち馬に乗ったというだけなのかもしれません。一番興味深いのは、この権力欲と隠された破壊願望の源ですが、この部分は青年時代のエピソードの羅列だけで、深められることはありません。この部分の解明は、ノン・フィクションではなく、小説(宴のあと (新潮文庫)などの別な形のジャンルの方がより効果的なのかもしれません。