URUK NEWS イラク情勢ニュース (転送・紹介歓迎)
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2008/10/20 (月)
[飛耳長目録 today's news list]
☆イラク派遣米兵は敵よりもストレスが怖い 2008/10/18
☆新刊案内 『イラク崩壊』 合同出版/吉岡一・著
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☆★イラク派遣米兵は敵よりもストレスが怖い
US soldiers in Iraq find stress deadlier than enemy
イラク情勢ニュース 速報&コメント 10月18日
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バグダッド発 -- 9月14日の朝、米軍のジョセフ・ボジスビッチ三等軍
曹はライフルを取りだし、イラクの首都(バグダッド)の南にある米軍基地で上
官にあたる2人に照準を合わせて射殺した。
幾つかの米国メディアが伝えた記事によると、ボジスビッチ(39歳)はダリ
ス・ドーソン上級曹長(24歳)とウィスリー・ダービン三等軍曹(26歳)を
射殺したとされている。理由は、この2人から責められることに耐えられなかっ
たからという。
米軍の発表では、「1人の米兵が銃殺に関与して拘束されている。彼は軍の判
事による尋問を受けることになっている」と書かれていた。
ドーソンの母マキシン・マチスは、フロリダの新聞に、その銃撃事件の前に彼
が不満をこぼし、多くの若い兵士がこうむっているイラク戦争の影響について話
していたと語った。
マチスは、「母さん、僕は敵を怖いとは思わない。そこらにいる部隊の若い連
中の方が怖いよ。彼らはびくびくしていて、すぐ発砲するんだ」と話していたド
ーソンの言葉を紹介した。
トラウマ、ストレス、疲労、うつ病、家族問題と結びついた緊張が、イラクに
派遣された米軍兵士の死亡と関係していて、しばしば彼らが戦うはずのゲリラよ
りも大きな脅威となっている。
「繰り返されたり長びいたりするイラク派遣で、戦争に起因するストレスがわ
が軍の兵士と家族に影響を与えているとカメロン・リッチー大佐は指摘した。彼
はメリーランドにある陸軍の医療部隊で精神科医をしている。
軍の報告書によると、イラクとアフガニスタンの戦争は、PTSD(心的外傷
後ストレス障害)を患う米軍兵士の数を上昇させ、自殺と離婚の発生率を高い水
準に押し上げている。
戦争心理を扱った米軍のウェブサイトによると、イラクに派遣されたことのあ
るアメリカ兵の5分の1近くがPTSDを患っている。
米軍によると、イラクとアフガニスタンに派遣されたアメリカ兵のなかで、P
TSDを患う患者数は2007年より約50%増えた。
カメロン・リッチーによれば、「派遣期間が長くなると、PTSDの発生も増
えるので、われわれは派遣期間を短縮する権限を持つ軍の指導部にそれを報告し
た」という。
ブッシュ政府は2007年の初めには15ヶ月だった派遣期間を12ヶ月に短
縮した。同じ時期、専門家たちがPTSDの治療法についても検査をしている。
離婚と自殺の発生率が高くなっていることも、軍の重要な関心事になっている
。
2008年5月に発行されたイラクとアフガニスタン派遣兵士の精神衛生に関
する軍の報告書は、「2つの戦場とも、自殺率は高いままで、陸軍の通常の発生
率より高い水準にある」と述べている。
米軍内の離婚率は、軍の統計によると、2001年に2.3%だったものが2
008年には3.5%にまで上がった。
「イラクに派遣された兵士の20%近くが、夫婦間の問題を悩んでいるか経験
した」という。
ショーン・ウッドワード特技兵は、結婚生活が破綻した1人である。
ウッドワードは、「マサチューセッツに帰るつもりだ。離婚したので、大学に
戻って、新しい生活を始めるよ」と、バグダッドの北にある基地で語った。
「軍隊には同じような状況の者が大勢いる。戦地への派遣は家族にも大きなス
トレスなのさ」。
中立系のウェブサイトによると、イラクの自由作戦では、イラクの内外で44
90人に近い米兵が死んだが、その内の862人、率にして19%は敵に殺され
たのではない。
それが事故によるものか、病気か、自殺か、あるいは同士撃ちか、詳細は記さ
れていない。
US soldiers in Iraq find stress deadlier than enemy
ミドルイースト・オンライン 2008年10月15日
http://www.middle-east-online.com/english/iraq/?id=28314
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☆★新刊案内 『イラク崩壊』 合同出版/吉岡一・著
イラク情勢ニュース 速報&コメント 10月20日
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http://geocities.yahoo.co.jp/gl/uruknewsjapan/view/20081020/1224460934
この本は合同出版から先月刊行されたもので、同時期に出た『イラク 米軍脱
走兵、真実の告発』とともに、出版社では現在のイラクの実相を伝える2部作と
位置づけられている。
※参照; 『イラク 米軍脱走兵、真実の告発』の紹介記事
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/2008_the_book_Joshua_Key.html
著者は朝日新聞記者で、2003年より外報部、2004年4月から2007
年5月まで中東アフリカ総局(カイロ)特派員としてイラクを中心に中東諸国を
取材している。危険ゆえにイラクに入国できなくなってからも、イラク人助手た
ちからの情報を切らさず、またイラクで発生するさまざまな事件・現象について
も、優秀なイラク人助手を介して現地イラク人ならではの分析や受けとめ方を代
弁してくれる。
著者自身にとっても、既成概念や米系メディアを通して描いていた通念をくつ
がえすものであったり、ジャーナリストならでは現地取材ぬきには見えなかった
であろう真相も少なくない。それは読者にとっても、「目からウロコが落ちる」
ような情報・解説となりうるだろう。
本書は「米国の言う<対テロ戦争>の実態の報告」に多くのページが割かれ、
「イラク戦争の真の目的」を論証するのは「本書の役目ではない」とプロローグ
では書かれている。
しかし、占領軍がイラク人にどのように受けとめられているのか、さらに進ん
で、そもそもアメリカはなぜイラクに侵攻したのか、それが石油だけで説明がつ
かないとすれば本当の(最大の)理由はなんだったのか--という根本的な問い
かけには、むしろイラク戦争と占領の実態を積み重ねることを通して答えようと
したのではないかと思われる。イラクにとどまらない著者の戦争取材も駆使して
。
諸事件の評価については、見解を異にするところもあるが、占領下のイラクで
生起する多方面のできごとを、これほどまでに現地取材にもとづいて、一つ一つ
丹念に伝える作業は、まだ誰もしなかったと言えるだろう。それを一冊にまとめ
出版にこぎつけた要因は、それを見聞し取材した者としての責任感でもあろうが
、同時にイラク現地で交わってきた人々への愛着であり、そこに根ざした執念の
結実なのかもしれない。
------- 各章のタイトル ----
バグダッドの雨
「法と秩序」の境界
レジスタンスか、テロリストか
なぜ、自衛隊はサマワへ?
異端排斥
占領軍
野放しの石油省
バグダッド脱出
狂気の支配
内戦への序曲
キリングフィールド
裏切られたハラブジャ
自爆とは何か?
アルカイダ対イラク武将勢力
現代の宗教戦争
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『イラク崩壊』-- 米軍占領下、15万人の命はなぜ奪われたのか
吉岡 一著
税込価格: \1,890 (本体 : \1,800)
出版 : 合同出版
サイズ : 20cm / 405p
ISBN : 978-4-7726-0435-2
発行年月 : 2008.9
オンライン書店ピーケーワン http://www.bk1.jp/product/03031806
7&Y http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/32129410
紀伊國屋書店 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4772604359.html
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※URUK NEWS イラク情勢ニュース (webサイト)
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/index.html
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※DVD『イラク・レジスタンスからのメッセージ』販売中
注文はメールまたは郵便振替で! mail to: uruknewsjapan@yahoo.co.jp
口座番号: 01780-7-117317
口座名称: イラク情勢ニュース
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2008/10/20 (月)
[飛耳長目録 today's news list]
☆イラク派遣米兵は敵よりもストレスが怖い 2008/10/18
☆新刊案内 『イラク崩壊』 合同出版/吉岡一・著
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☆★イラク派遣米兵は敵よりもストレスが怖い
US soldiers in Iraq find stress deadlier than enemy
イラク情勢ニュース 速報&コメント 10月18日
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バグダッド発 -- 9月14日の朝、米軍のジョセフ・ボジスビッチ三等軍
曹はライフルを取りだし、イラクの首都(バグダッド)の南にある米軍基地で上
官にあたる2人に照準を合わせて射殺した。
幾つかの米国メディアが伝えた記事によると、ボジスビッチ(39歳)はダリ
ス・ドーソン上級曹長(24歳)とウィスリー・ダービン三等軍曹(26歳)を
射殺したとされている。理由は、この2人から責められることに耐えられなかっ
たからという。
米軍の発表では、「1人の米兵が銃殺に関与して拘束されている。彼は軍の判
事による尋問を受けることになっている」と書かれていた。
ドーソンの母マキシン・マチスは、フロリダの新聞に、その銃撃事件の前に彼
が不満をこぼし、多くの若い兵士がこうむっているイラク戦争の影響について話
していたと語った。
マチスは、「母さん、僕は敵を怖いとは思わない。そこらにいる部隊の若い連
中の方が怖いよ。彼らはびくびくしていて、すぐ発砲するんだ」と話していたド
ーソンの言葉を紹介した。
トラウマ、ストレス、疲労、うつ病、家族問題と結びついた緊張が、イラクに
派遣された米軍兵士の死亡と関係していて、しばしば彼らが戦うはずのゲリラよ
りも大きな脅威となっている。
「繰り返されたり長びいたりするイラク派遣で、戦争に起因するストレスがわ
が軍の兵士と家族に影響を与えているとカメロン・リッチー大佐は指摘した。彼
はメリーランドにある陸軍の医療部隊で精神科医をしている。
軍の報告書によると、イラクとアフガニスタンの戦争は、PTSD(心的外傷
後ストレス障害)を患う米軍兵士の数を上昇させ、自殺と離婚の発生率を高い水
準に押し上げている。
戦争心理を扱った米軍のウェブサイトによると、イラクに派遣されたことのあ
るアメリカ兵の5分の1近くがPTSDを患っている。
米軍によると、イラクとアフガニスタンに派遣されたアメリカ兵のなかで、P
TSDを患う患者数は2007年より約50%増えた。
カメロン・リッチーによれば、「派遣期間が長くなると、PTSDの発生も増
えるので、われわれは派遣期間を短縮する権限を持つ軍の指導部にそれを報告し
た」という。
ブッシュ政府は2007年の初めには15ヶ月だった派遣期間を12ヶ月に短
縮した。同じ時期、専門家たちがPTSDの治療法についても検査をしている。
離婚と自殺の発生率が高くなっていることも、軍の重要な関心事になっている
。
2008年5月に発行されたイラクとアフガニスタン派遣兵士の精神衛生に関
する軍の報告書は、「2つの戦場とも、自殺率は高いままで、陸軍の通常の発生
率より高い水準にある」と述べている。
米軍内の離婚率は、軍の統計によると、2001年に2.3%だったものが2
008年には3.5%にまで上がった。
「イラクに派遣された兵士の20%近くが、夫婦間の問題を悩んでいるか経験
した」という。
ショーン・ウッドワード特技兵は、結婚生活が破綻した1人である。
ウッドワードは、「マサチューセッツに帰るつもりだ。離婚したので、大学に
戻って、新しい生活を始めるよ」と、バグダッドの北にある基地で語った。
「軍隊には同じような状況の者が大勢いる。戦地への派遣は家族にも大きなス
トレスなのさ」。
中立系のウェブサイトによると、イラクの自由作戦では、イラクの内外で44
90人に近い米兵が死んだが、その内の862人、率にして19%は敵に殺され
たのではない。
それが事故によるものか、病気か、自殺か、あるいは同士撃ちか、詳細は記さ
れていない。
US soldiers in Iraq find stress deadlier than enemy
ミドルイースト・オンライン 2008年10月15日
http://www.middle-east-online.com/english/iraq/?id=28314
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☆★新刊案内 『イラク崩壊』 合同出版/吉岡一・著
イラク情勢ニュース 速報&コメント 10月20日
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http://geocities.yahoo.co.jp/gl/uruknewsjapan/view/20081020/1224460934
この本は合同出版から先月刊行されたもので、同時期に出た『イラク 米軍脱
走兵、真実の告発』とともに、出版社では現在のイラクの実相を伝える2部作と
位置づけられている。
※参照; 『イラク 米軍脱走兵、真実の告発』の紹介記事
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/2008_the_book_Joshua_Key.html
著者は朝日新聞記者で、2003年より外報部、2004年4月から2007
年5月まで中東アフリカ総局(カイロ)特派員としてイラクを中心に中東諸国を
取材している。危険ゆえにイラクに入国できなくなってからも、イラク人助手た
ちからの情報を切らさず、またイラクで発生するさまざまな事件・現象について
も、優秀なイラク人助手を介して現地イラク人ならではの分析や受けとめ方を代
弁してくれる。
著者自身にとっても、既成概念や米系メディアを通して描いていた通念をくつ
がえすものであったり、ジャーナリストならでは現地取材ぬきには見えなかった
であろう真相も少なくない。それは読者にとっても、「目からウロコが落ちる」
ような情報・解説となりうるだろう。
本書は「米国の言う<対テロ戦争>の実態の報告」に多くのページが割かれ、
「イラク戦争の真の目的」を論証するのは「本書の役目ではない」とプロローグ
では書かれている。
しかし、占領軍がイラク人にどのように受けとめられているのか、さらに進ん
で、そもそもアメリカはなぜイラクに侵攻したのか、それが石油だけで説明がつ
かないとすれば本当の(最大の)理由はなんだったのか--という根本的な問い
かけには、むしろイラク戦争と占領の実態を積み重ねることを通して答えようと
したのではないかと思われる。イラクにとどまらない著者の戦争取材も駆使して
。
諸事件の評価については、見解を異にするところもあるが、占領下のイラクで
生起する多方面のできごとを、これほどまでに現地取材にもとづいて、一つ一つ
丹念に伝える作業は、まだ誰もしなかったと言えるだろう。それを一冊にまとめ
出版にこぎつけた要因は、それを見聞し取材した者としての責任感でもあろうが
、同時にイラク現地で交わってきた人々への愛着であり、そこに根ざした執念の
結実なのかもしれない。
------- 各章のタイトル ----
バグダッドの雨
「法と秩序」の境界
レジスタンスか、テロリストか
なぜ、自衛隊はサマワへ?
異端排斥
占領軍
野放しの石油省
バグダッド脱出
狂気の支配
内戦への序曲
キリングフィールド
裏切られたハラブジャ
自爆とは何か?
アルカイダ対イラク武将勢力
現代の宗教戦争
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『イラク崩壊』-- 米軍占領下、15万人の命はなぜ奪われたのか
吉岡 一著
税込価格: \1,890 (本体 : \1,800)
出版 : 合同出版
サイズ : 20cm / 405p
ISBN : 978-4-7726-0435-2
発行年月 : 2008.9
オンライン書店ピーケーワン http://www.bk1.jp/product/03031806
7&Y http://www.7andy.jp/books/detail/-/accd/32129410
紀伊國屋書店 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4772604359.html
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※URUK NEWS イラク情勢ニュース (webサイト)
http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/index.html
メーリング・リストへの参加・退会手続きはここでもできます
※DVD『イラク・レジスタンスからのメッセージ』販売中
注文はメールまたは郵便振替で! mail to: uruknewsjapan@yahoo.co.jp
口座番号: 01780-7-117317
口座名称: イラク情勢ニュース
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