
気分転換にまず立ち寄ったのは、近所のタバコ屋兼酒屋さん。ここは町内会のメンバーがよく集まるところ。この地区に古くから酒屋を開いている店主がいるところ。
私「どう?町内会では、まだ自民党を支持しているの?」
店主は吐き捨てるように答えた。
「いや、自民党に期待している人なんて誰もいないよ。みんな民主党支持さ。うわさによると自民党の内部はひどいんだってね。派閥あらそいばかりしているらしい。結局政権を長くとりすぎたんだよ」
簡潔で当を得た答えですね。
タバコを買って、それからさらに街をぶらついた。そして例の店長のお花屋の前を通ったら、この「コスモス」が目にとまった。オレンジ色が気に入りました。従来からあるコスモスとは葉のかたちがちがう。「キバナコスモス」というのだそうです。購入して帰宅しました。
夜中になってから、ふと、「キバナコスモス」って何だろうと気になり、23時だったけれど店長のケータイに電話したら、店長はまだお店で働いていた。「キバナコスモス」はいかなるものかを質問したら、最近の改良種であると思うがよく分からないので明日市場(いちば)へ行ったときに聞いてくるという返事。
ケータイを切ってから、昔から持っている『家庭の園芸百科』全513ページ(主婦と生活社)を開いてみた。今は絶版になっているがこれは本当にいい本だ。植物に関することがすべて載っている。植物を育てる人用の百科辞典だ。けれども1990年度刊行なので、最近品種改良した花は出ていないことがままある。半分あきらめて「コスモス」のページを開いたら、なんと出ていました。
「在来種のコスモスは背高が伸びすぎて倒れやすいことなどから、近頃はもっぱら改良種の早咲きコスモスが多く作られるようになった」(p386)――このように改良品種の歴史もわかるので、便利。
改良種は、赤、白、桃、黄の花をつけるビピンナタス系と、赤、橙、黄の花を咲かせるキバナコスモス系に大別されるそうだ。花形は、一重咲き、八重咲き、アネモネ咲き、絞り咲きがあるそうだ。
園芸は、こりはじめたら放蕩息子のように湯水のようにお金を使いはじめるので要注意だ。
わたしは、珍しい新しい品種やさまざまな品種に目をうばわれる時期はとっくに卒業して、今はもっぱら各属、各品種の生態観察――つまり育てたり繁殖させたりすることに楽しみを見出している。で、お金が、かからないので助かる。ただ、20年近く前かがみの園芸作業を夢中でやってきたので、最近腰痛が激しくなってきたという身体的悩みが新たに加わった。店長に言わせると、園芸作業、花屋は見かけとちがい力仕事なので、腰への力の入れ方にはコツがあるそうなのだ。わたしは、やはり素人ですね。けれど体力はいつまでもあるものではないことは思い知った。
ただ、できるだけ大地が欲しい、田舎へ引っ越したいという夢は捨てきれないでいる。いつか家庭菜園をしたり(農業は、花より何倍も難しいだろう。それに、野菜はプランターでは土の力が足らず、やはり大地の力が必要なのだ)。あるいは夢かなわず運命でいつか老人ホームへ行くようにでもなったら、一角に花壇をもらい、花係にさせてもらい、1年中花を絶やさず咲かせてやろうと心ひそかにおもっていたけれど、この腰痛に悩まされるようになってからは、自信がまったくなくなった。しぼんだフウセン状態。最近少し良くなりましたが、いつか母のように一歩も歩けなくなる日がくるんだなということを覚悟するようになりました。(悲観的になるのは秋だからかしら?)
まぁ、そんなことは、さておいて、このオレンジのコスモスの苗も4つで600円でしたが、きれいなオレンジでしょ?わたしは、安いのと色がいいのですごく気に入っている。特に色! ぱっと明るいのが、いいじゃない?
ただしコスモスは、早咲き(改良種)は6月~7月、秋咲き(従来種)は9月~10月と花期は短い。花屋さんの店頭では早咲きの改良種の「キバナコスモス」と秋咲きの「従来種」が今一緒に並んで売られている。季節感が狂うのではないかと、ちょっと気になるところ。
ところで、最近なぜか心が落ち着かず読書がすすまないのが悩み。園芸をさらに縮小しなければならないのかな?
おわり。
PS:さだまさし作詞作曲で山口百恵が歌った「秋桜」(コスモス)は、したがって在来種のコスモスを歌っていることになるのだなぁ。