最近は、みなさま、疲れていらっしゃるというか、スピードに追いたてられてい
るというか、文章も、短文化、軽量化し、ふわりふわり化している。
たしかに、へたくそで、おもしろくない、無駄の多い文章が、べたっと書かれて
あると、一字も読む気がしない。(どきり)
ふわふわ言葉も、もちろん、いいけれど、あんまり使っていると......
.....心配になる。わたしたちが書いている言葉って、なにかに似てきている。新聞?テレビ?雑誌?広告?マンガ?アニメ?ネット?
カタカナ言葉の氾濫、混乱もいやですね。
「ことば」に関する本が多くなったという印象は、個人的な興味のせいでしょうか?
少し古い話になりますが、アフガン戦争の時に、朝日新聞に津島佑子(言うまでもなく、太宰治の娘)が「本当の言葉」という記事を載せた。
「今、文芸誌から、インターネットから、私たちは世界各国の作家たちの言葉
を受け止めている。受け止めたいと願っている。政治家やテロリストのパター
ン化された言葉に世界が窒息させられているとき、私たちは「本当の言葉」を
求めずにいられなくなる。「戦争」とは、言葉も殺してしまう事態なのだ。そ
こで文学者たちは自分の言葉を懸命に取り戻そうとするし、その言葉にまわり
の人たちは注目する。「本当の言葉」をどれだけ、文学者なる人種は取り戻せ
るのだろう、と期待と疑いの思いを込めて」
あの時、唯一「ほんとうの言葉」と感じたのは、現在も、アフガンで井戸を掘りつつ、医療活動していらっしゃる中村哲氏の文章だけだった。
児童文学のために購入した『絵本が育てる子どもの心』松居直の本は、読んでみたら、それは2004年10月にに兵庫県尼崎の教会で行われた「絵本は声の文化」サブタイトル「長崎の事件を手がかりに」という講演録だった。
長崎事件(中学生が幼児を誘拐殺害)神戸の事件(酒鬼薔薇)柏崎(小学生の女の子を誘拐して10年間監禁した)にも、「言葉」を失っているという印象をお持ちになったとか。
ラストはこうしめくくられていた。
「人類はいま、機械文明という計り知れぬ質と量のバベルの塔をつくるのに夢中
です。一方でケータイを持ったサルといった退化現象もみられます。6歳3ヶ月の
男の子が「猿から だんだん 人間になったんでしょう?じゃあまただんだん
猿になっちゃうかもしれないよ」と、不安そうな顔でつぶやいたという記録を眼
にしたことがありますが、大人も子どもも何かしら不安を常に感じていることは
確かです。この不安感こそ、子どもの成長にとって大きなブレーキであり障害で
す。
21世紀において、言葉がどう変質するかを見極めることは緊急の課題です」
中文で印象的な松居氏の文
「「キレる」という言葉がありますね。子どもが暴力化するというのも、実は言
葉を見失うことだと思うのです。言葉を見失うと自分を見失います。自分を見失
うということは、心を見失うということです。そうすると、自分だけではなくて
ほかの人も見えなくなってしまいます」
やはり、「言葉」への危機感だ。
るというか、文章も、短文化、軽量化し、ふわりふわり化している。
たしかに、へたくそで、おもしろくない、無駄の多い文章が、べたっと書かれて
あると、一字も読む気がしない。(どきり)
ふわふわ言葉も、もちろん、いいけれど、あんまり使っていると......
.....心配になる。わたしたちが書いている言葉って、なにかに似てきている。新聞?テレビ?雑誌?広告?マンガ?アニメ?ネット?
カタカナ言葉の氾濫、混乱もいやですね。
「ことば」に関する本が多くなったという印象は、個人的な興味のせいでしょうか?
少し古い話になりますが、アフガン戦争の時に、朝日新聞に津島佑子(言うまでもなく、太宰治の娘)が「本当の言葉」という記事を載せた。
「今、文芸誌から、インターネットから、私たちは世界各国の作家たちの言葉
を受け止めている。受け止めたいと願っている。政治家やテロリストのパター
ン化された言葉に世界が窒息させられているとき、私たちは「本当の言葉」を
求めずにいられなくなる。「戦争」とは、言葉も殺してしまう事態なのだ。そ
こで文学者たちは自分の言葉を懸命に取り戻そうとするし、その言葉にまわり
の人たちは注目する。「本当の言葉」をどれだけ、文学者なる人種は取り戻せ
るのだろう、と期待と疑いの思いを込めて」
あの時、唯一「ほんとうの言葉」と感じたのは、現在も、アフガンで井戸を掘りつつ、医療活動していらっしゃる中村哲氏の文章だけだった。
児童文学のために購入した『絵本が育てる子どもの心』松居直の本は、読んでみたら、それは2004年10月にに兵庫県尼崎の教会で行われた「絵本は声の文化」サブタイトル「長崎の事件を手がかりに」という講演録だった。
長崎事件(中学生が幼児を誘拐殺害)神戸の事件(酒鬼薔薇)柏崎(小学生の女の子を誘拐して10年間監禁した)にも、「言葉」を失っているという印象をお持ちになったとか。
ラストはこうしめくくられていた。
「人類はいま、機械文明という計り知れぬ質と量のバベルの塔をつくるのに夢中
です。一方でケータイを持ったサルといった退化現象もみられます。6歳3ヶ月の
男の子が「猿から だんだん 人間になったんでしょう?じゃあまただんだん
猿になっちゃうかもしれないよ」と、不安そうな顔でつぶやいたという記録を眼
にしたことがありますが、大人も子どもも何かしら不安を常に感じていることは
確かです。この不安感こそ、子どもの成長にとって大きなブレーキであり障害で
す。
21世紀において、言葉がどう変質するかを見極めることは緊急の課題です」
中文で印象的な松居氏の文
「「キレる」という言葉がありますね。子どもが暴力化するというのも、実は言
葉を見失うことだと思うのです。言葉を見失うと自分を見失います。自分を見失
うということは、心を見失うということです。そうすると、自分だけではなくて
ほかの人も見えなくなってしまいます」
やはり、「言葉」への危機感だ。