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山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信:「デルタ変異の脅威」「デルタ変異の全世界的な拡大」  2021.07.16

2021年07月19日 17時52分26秒 | 感染症

山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信

2021.07.16デルタ変異の脅威

デルタ変異の脅威

イスラエル、イギリス、アメリカは、ワクチン接種をいち早く進め(図1)、アルファ変異による感染の抑制に成功しました。しかし、デルタ変異の急増により(図2)、これらの国において感染者が再び増加しています(図3)。死者数も増加に転じており、人口当たりで見ると3か国共に日本を上回っています(図4)
一方、インドネシアやタイは、日本や他のアジア諸国と同様に、今年初めまでは欧米諸国にくらべて感染者数も死者数もはるかに少なくすんでいました。しかし、ワクチン接種の遅れ(図1)とデルタ変異の拡大(図2)により、インドネシアやタイにおける感染者数が急増し(図3)、人口当たりの死者数では、欧米を上回っています(図4)。
 
 

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図1 ワクチン接種の経時変化

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図2 デルタ変異ウイルスの経時変化

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図3 感染者数の経時変化

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図4 死者数の経時変化

 

2021.07.16デルタ変異の全世界的な拡大

次々に変異する新型コロナウイルス

ウイルスが増殖するときも、私たちの体の細胞が分裂する時も、遺伝子が設計図となり同じウイルスや細胞が作られます。しかし自然も完璧ではありません。ウイルスが増殖するたびに、そして私たちの体の細胞が分裂するたびに、少しづつ間違い、すなわち遺伝子の変異が起こります。ほとんどの変異はウイルスや細胞の機能に影響を及ぼしません。しかしごくまれに、機能が変わることがあります。私たちの体でこれが起こると、様々な病気につながることがあります。典型例が癌です。新型コロナウイルスが出現して1年以上たちましたが、当初のウイルスと比べて、感染力や病原性が増加していると思われるウイルス株が複数、誕生しています。よく知られているものとして、イギリスから広がったアルファ変異(B.1.1.7)、南アフリカから広がったベータ変異(B.1.351)、ブラジルから広がったガンマ変異(P1)、そしてインドから広がったデルタ変異(B.1.617.2)があります。
インフルエンザウイルスやコロナウイルスの遺伝子解析を行うGISAID - Initiativeは、これらの変異型ウイルスの世界的な動向を常時公表しています(図)。

これによると、全世界でデルタ変異が感染の主体になっていることがわかります。イギリスでは新規感染の大多数がデルタ型です。オセアニア、アフリカ、アジア、イギリス以外のヨーロッパ、そしえ北米でもデルタ変異が50%を超えています。ガンマ変異が主体であった南米でも、デルタ変異が増加傾向にあります。

日本でも感染の主体がデルタ変異に移りつつあります。東京都では、デルタ変異株の割合が20%を超えています。大阪や京都でも、デルタ変異株が検出されています。アルファ変異はまず最初に大阪や京都で増加しましたが、デルタ変異は東京から増えています。

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図 デルタ変異ウイルスの世界における経時的変化


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