毎日新聞2018年5月2日 10時45分(最終更新 5月2日 10時58分)
【ラマラ(パレスチナ自治区ヨルダン川西岸)光田宗義】安倍晋三首相は1日午後(日本時間2日未明)、パレスチナ自治政府のアッバス議長とラマラにある議長府で会談した。首相は、米国のトランプ政権がエルサレムをイスラエルの首都と認定して大使館を移転する姿勢を示していることに関し、「(日本は)大使館をエルサレムに移すつもりはない」と明言。米国と一線を画す姿勢を示しつつ、中東和平交渉の仲介を目指す米国との対話を呼びかけた。
首相は会談で「エルサレム問題がいかに機微に触れる問題か理解している」と述べ、将来的なイスラエル、パレスチナの共存を目指す「2国家解決」を支持する考えを改めて示した。
米国が昨年12月にエルサレムを首都と認定して以降、パレスチナでは米国への反感が高まっている。首相は、テルアビブにある大使館を移転させる考えはないと表明。同時に、「(和平実現には)米国の役割が不可欠だ。和平案が米国から提示された場合は交渉の席につくことが重要だ」と和平交渉への復帰を促した。
首相は1000万ドル(約11億円)の食糧援助などでパレスチナ支援を継続する姿勢も強調した。これに対し、アッバス氏は「日本の一貫した支援に感謝する。中東和平に向けた日本の役割に期待する」と謝意を表明。日本がイスラエル、パレスチナ、ヨルダンと共に、農業など産業振興を通じて中東和平を図る「平和と繁栄の回廊」構想を今後も連携して進めることで一致した。
首相は2日にイスラエルのネタニヤフ首相と会談し、パレスチナとの直接対話を促す方針だ。
【参考】
バラマキの安倍外交…中東4カ国歴訪で2940億円をポン
日刊ゲンダイ2015年1月19日
先週16日から20日までエジプト、ヨルダン、イスラエル、パレスチナの中東4カ国を歴訪している安倍首相。いつものことだが、また訪問する国々で景気よくカネをばらまいている。
エジプトに430億円、ヨルダンに147億円……と、中東に総額25億ドル(約2940億円)ものカネを援助すると表明した。もちろん、すべて国民の税金である。
しかし、いま中東に行く緊急性はなにもないはずだ。(後略)