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「SNSに飛び交う罵倒と呪詛 『空虚な人』が拒絶したもの」内田樹 5/28(水) 7:32配信  AERA

2025年05月28日 12時45分02秒 | ブログ・電脳社会

「SNSに飛び交う罵倒と呪詛 『空虚な人』が拒絶したもの」内田樹

配信  AERA

 哲学者の内田樹さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、批評的視点からアプローチします。

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*  *  *  若い知人から「どうしてSNSでは人々はあれほど攻撃的な言葉づかいをするようになるんでしょうか?」という質問を向けられた。

どうしてなのか、私にもよくわからない。でも、その現象の一部についてはこんな説明ができると思う。

 SNSで多くのフォロワーを獲得したければ、できるだけ「誰でも言いそうなこと」を語るのが捷径である。定型的であればあるほどよい。現に、本当に個人的な、「自分以外には誰も言いそうもないこと」をSNSに書く人はまずいない。その作業のためには高度な言語能力が必要だからである。情理を尽くして、読者の袖をとらえて語り掛ける文体を持っていなければ、「誰も言いそうもないこと」を読んでもらうことはできない。でも、そんなことをする人はSNSでは圧倒的少数派である。

 ネットで飛び交う言葉のほとんどは定型的な罵倒と呪詛の言葉である。でも、その発信者が匿名にとどまる限り、読む人の肺腑をえぐるような激烈な罵倒や呪詛を以てしても、心の奥底にわだかまる「本当に個人的なこと」を語ることはできない。

 私たちは自分の中に誰もが「人に知られたくない邪悪な、非道な思い」を抱え込んでいる。これにはほぼ例外がないと思う。私たちは日々その自分の邪悪さや卑しさや弱さに向き合い、そういうものを抱えている自分を引き受けて生きている。そして、その内的葛藤が私たちを少しだけ複雑な人間に仕上げてくれる。

 でも、SNSで「人に知られたくない内なる邪悪さ」をできあいの定型句に載せて「汚物」のように気分よく排泄してしまうと、その人は「本当に個人的なもの」とたった一人で正面から向き合う機会を逸してしまう。おのれの邪悪さや卑しさや弱さをみつめ、それを引き受けることを拒んだ時、そこに「空洞」が穿たれる。

 最近、「空虚な人」という以外に形容のしようのない人を見かけるようになった。目の奥に「何もない」のだ。  彼らはたぶん人生のどこかで自分の邪悪さや愚かさや弱さと向き合い、それを引き受けることを拒絶したのだと思う。その内的な空虚が表情や発語にまで露呈しているように見える。

※AERA 2025年6月2日号

内田樹;画像はwikipedeiaから

(コメント)

タマニャンチ会長

現代社会の一つの大きな特徴を、少ない言葉で表現しようとされている。流石、哲学者の書いた文章という印象。 人間の心の中には、邪悪なものと聖なるものが同居しているというのが私の結論なのだが、近頃は人間の本質を「ロクでもなく邪悪なモノ」としている人が多いようだ。 それは、世の人達の言動を見てそうなっていったということと、一人一人が「聖なるもの」を否定したからだと思う。

その聖なるものとは、理想・正義・善・希望などの言葉で表現しようと先人たちは努力をされてきたと思う。 何故否定され始めたかと言えば、自分の欲望に執着する人が増えたからだろう。また、そこには著名人やメディアが煽ってきたという事実がある。それは、大きな社会的責任だ。 自分の欲望だけを追うから「空虚」なのだろうと。


高校などで学力で振り分けられるようになると、知的好奇心が旺盛な子たちと、そういうものが全く見られない子たちとで、差が顕著になるらしい。

生まれ持った脳機能が低いと知的好奇心が乏しく、無気力だったり、ポルノや快楽的な性行為(性的加害行為)タバコやアルコール、大麻やその他違法薬物、射幸性の高いガチャゲーや、万引きやギャンブル、暴力などの、ドーパミン報酬系が過剰に刺激される目先の快楽に駆り立てられるが、積み重ねの努力を必要とするような健全で建設的な趣味や打ち込むことには興味を示さない。

知的好奇心を持った建設的な趣味というのは、時間を忘れて没頭し、自己成長を感じられ、人生を非常に豊かにしてくれる。 そういうものが無い人たちは、物資的価値観に囚われて内的幸福度が非常に低く、不平不満が他者への攻撃性になって発露する。

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