2018.9.15 11:47更新 産経
皇太子さまが即位前最後の外国訪問とみられるフランスへの旅を終えられた。国内外で長年力を入れる子供たちと触れ合われる機会を多く持ち、時々での臨機応変の振る舞いは、新天皇の飾らない人柄として好意的に受け止められた。国際親善のあり方を「自然体」(側近)のつながりに見いだされようとしている。
「地球は水の惑星ですが…」。滞在5日目の11日に視察されたパリ近郊の日本人学校。皇太子さまは小学4年の授業で水の使われ方についての発表を聞いた後、感想を求められ、おもむろに話し始められた。
ライフワークの「水問題」に関する即席のご講義。13日に取材に応じた皇太子さまは「次の世代を担う若い子供たちが水問題について知識を深めてほしいという気持ちは強くあります」と説明された。同校の帰り際には、女子生徒に「フランスの友達にも日本のことを伝えてください」とも語りかけられた。
取材に「国際親善は互いの国を理解し協力し合って、良い関係を次の世代に語り継いでいく重要な基盤」「国と国との関係は人と人との関係」と強調された皇太子さま。補習授業校、日本語を教える現地校などの視察先でも日仏両国の子供たちと交流された。
要人との食事会でも皇太子さまらしい気遣いを見せ、公にされずに学んでいた相手の母国語・フランス語でのスピーチをご披露。一方で「若い世界のリーダー」と評した大統領との初対面の場では通訳抜きの英語で会話し「隠し事なしの人柄が伝わり、距離を縮められた」(側近)。現在はスペイン語の習得も目指されている。(伊藤真呂武)
午前11時ごろ、皇太子さまは政府専用機で羽田空港に到着されました。およそ12時間に及ぶフライトでしたが、疲れた様子も見せず、出迎えた宮内庁の職員らと笑顔で挨拶されました。また、東宮御所では、雅子さまがにこやかに出迎えられました。
皇太子さまは、フランス訪問を振り返り「フランスの人々が日本という国に対してとても高い関心と強い親近感を持ってくれていることを強く感じました」と感想を寄せられました。
そして、両国の交流が絹を通じて始まった歴史に触れ、「両国の友好親善と協力が美しい『絹の着物』へとさらに進化していくことを期待しています」と今後への思いを示されました。