毎日新聞 によるストーリー
• 18 時間(2024/5/9)社会福祉法人「和歌山県福祉事業団」は9日、重度の知的障害者が利用する障害者支援施設「南紀あけぼの園」(同県上富田町)で、30代の女性職員が入所者や通所者計11人に虐待行為をしていたと発表した。このうち、8人が暮らす市と町は、この8人への虐待を認定した。
事業団によると、入所者の目や口を養生テープで塞ぐなどしていた。いずれもけがはなかった。事業団は10日付でこの女性職員を懲戒解雇にする。
女性職員は1月1日午後8時半ごろ、入所者の一人が大声で騒いだことから、目と口を養生テープで塞ぎ、その様子を撮影した画像を無料通信アプリ「LINE(ライン)」で同僚職員と共有した。別の同僚職員が2月27日に園長に報告し、虐待が発覚した。
その後、事業団と園は他にも虐待がないのか施設の全職員を対象に聞き取り調査をした。その結果、この女性職員が2023年7月以降に別の入所者や通所者ら10人に、ドライヤーで髪を逆立てた状態にして写真を撮影する、胸を突いて尻餅をつかせるといった虐待をしていたことを確認した。顔や頭をたたいたり蹴ったりしていたこともあった。
女性職員は何人かへの虐待を認めていて「公私ともストレスがたまっていて、入所者が大声を出すのを何とかしたいと思い、とっさにやってしまった」と話しているという。
事業団の日置美次理事長は、9日に開いた記者会見で「虐待防止に向けた研修や勉強会を見直し、法令順守など信頼回復に向けて努力したい」と述べた。【大澤孝二】