くもり空の下で……

アルコールとギャンブル。依存症からの回復と成長を目指しながらの日々の雑感を発信。趣味の渓流釣りなども公開しています。

昔ばなし①

2017-05-29 21:45:16 | 日記
私が釣りにハマったのは今から12~13年ぐらい前だったと記憶している。


子供の頃には自転車に乗り、友達と湖などに行きウキを垂らしヘラブナ釣りなどをしたものだけれど、当時は釣りよりもTVゲームに夢中だった。




社会人になってからは酒とバイクとギャンブルばっかりだったが、以前勤めていた会社の同僚に誘われて海に行き、家族でマメアジ釣りをしたのが釣りを始めたキッカケだったような気がする。



「釣りって面白いな。」




その時には漠然とそう思っただけだった。



それから
今は離婚していて子供たちともほとんど会えなくなってしまったけれど、12年ぐらい前……当時5歳と4歳の娘二人を連れて自宅近くの湖へ行くようになった。


子供たちは釣れれば喜んで




「とうちゃん、これ何ー?」




………と聞いてくるが、当時の私はその魚がなんなのかサッパリ解らず娘たちに答えてあげることすらできないド素人。




通りかかった漁協のオッサンに

「お、釣れたねー、お嬢ちゃん。
それはブルーギルだねー。」

「お父さん、お嬢ちゃんたちはいいので、一人分だけ游漁券を買って頂かないといけません。」



と言われ1000円を払う。



………釣りするのに金払うのかよ。

そんなことを思いながらも仕方なく料金を払ったが、当時の私は游漁券を買わなくてはならないことなどまったく知らなかった。





それから徐々に釣りの知識を携帯などで調べるようになり、自宅近くの湖にはデカい鯉がいることが分かったので、大物を夢みて毎日仕事帰りに自宅近くの湖に行くようになった。

"ダンゴ釣り"
デカい針が5個も6個も付いている仕掛けだった。"吸い込み仕掛け"とよぱれ 、その針をダンゴのようにした練り餌の中に隠しセットする。
針をセットした直径10㎝ぐらいのダンゴを湖めがけて投げ入れる。
後はアタリが分かるように竿先につけた鈴がチリンチリン鳴るのをひたすら待つ………………




一時間、

二時間、

時には三時間…………



たまに30㎝ほどのフナは釣れたが、本命の巨鯉はなかなか簡単には釣れなかった。






当時、同棲をを続けながら、3人目の子供の妊娠が分かり、妊娠8ヶ月を過ぎた頃にようやく結婚し籍を入れた。
それからは小遣い制になった私はギャンブルも止めていた。
なので小遣いの範囲で楽しめた鯉釣りに夢中になっていった。




夕方6時に仕事は終わるが、ぜんぜん帰ってこない旦那。



毎日帰宅するのは夜10時過ぎ。







ちっとも鳴らない鈴を見つめながらオレはいったい何を考えていたのだろう…………




今考えてみると、当時の嫁さんや子供たちの気持ちなど、まったく考えてもいなかったのかもしれない…………




その頃からだろうか、






夫婦の仲がおかしくなってきたのは。





『オレは良い旦那をやっている。血のつながりはないけれど、二人の娘たちにとっても良い父ちゃんでいるはずだ。』



そんなように思っていたように感じる。






お互いに気持ちがスレ違いはじめていた。




きっとその頃からだろう…………




嫁さんがギャンブル(パチンコ)に狂っていたことなど、まったく夢にも思ってはいなかった。。。



























GAミーティング(Birthday)

2017-05-27 23:38:39 | 日記
夕方5時、なんとなくスッキリしない気分を紛らわそうとシャワーを浴びた。

少しスッキリした。


今夜はGA(ギャンブラーズ・アノニマス)ミーティングへ行く。
普段はAA(アルコホーリクス・アノニマス)ミーティングに集中して出席していたので、GAミーティングに出席するのは約1ヶ月ぶりだ。

昨日の日記にも書いた通り、なんとかギャンブルもslipすることなく1年を迎えることができた。

GAミーティング会場は私の自宅から約7、8キロ離れた場所にある。バイクに乗り目的の会場を目指した。




久しぶりのGAミーティングの会場へ到着。今日は日中の天気もよかった。
会場の駐車場にバイクを停めてから一服🚬
夕焼けがやけに眩しかった。

この会場から約300メートルほど離れた場所には私の母が暮らしている、かつては私も暮らしていた実家がある。




「そういえば、この前から気まずいままだったな、オフクロと………」

ふと、そんなことが頭によぎった。。。



会場へ入ると、馴染みの顔ぶれが4~5人見えた。
私のホームのGAバースデーミーティングでは、一年目の仲間にはグループとしてケーキ🍰などは用意をしてもらえる。
二年目以降になると

「自分自身のバースデーぐらいは他の仲間たちに用意できるぐらい回復(自立)していなくてはいけませんよ☝」

……という感じなので、すべてをお膳立てしてもらえるのは、この一年目だけということになる。
今日はチェアマン(司会者)が用意をしてくれたようだった。

今日は私を含めて8名の仲間が集まった。




ケーキにろうそくを立て、他の仲間にバースデーソングを歌ってもらう。
少し気恥ずかしいが、嬉しかった。

明かりを消した夕暮れの部屋の中に、ボーッと光るろうそく🎂の灯りに見とれていた。

「ちぃ~暴さん、はやく吹き消して下さい。」
………とチェアマンから言われるまでボーッとしてしまった💦



そして、私からお礼と挨拶を兼ねて、私がこのGAに繋がった経緯、そしてこの一年間、最近の近況などを報告させてもらった。

その話の中では、このブログにも書いているように、最近入社し、すぐに会社を辞めたこと、そして母とのことなどを卸させて(話させて)いただいた。





それからチェアマンに、本日のミーティングテーマはちぃ~暴さんが決めてほしい というリクエストを受けたので、少し考えてから

「皆さんそれぞれにとっての自分を超えた大きな力を教えてほしい。」

と、本日のミーティングテーマをリクエストした。




すると………

ある仲間は山、自然と答えてくれたり、

ある仲間はアイドル歌手と答えてくれた。

またある仲間は時間と答えてくれた。

中には「私は仏教」……という仲間もいた。




漠然としたものもあれば、具体的な対象を「自分を超えた大きな力」にしていたり、それぞれやっぱり、当たり前だが、人それぞれ信じているものが違うんだな……と感じさせられた。



そんな私自身はというと、私にとっての"自分を超えた大きな力"は
自然である。

私の思う"自然"という言葉には2つの意味がある。
1つはこの大自然( nature )
もう1つは自然の流れに身を任せる(leave sth to take its own course)
人間も柔軟に動ける人もいれば、窮屈に生きている人もいる。
しかし、いくら柔軟動ける人間であっても、自然の柔軟さには到底敵わない。
川の流れであったり、風に吹かれる木々、川の流れに逆らう木々は他の場所を探し枝を伸ばし続ける。
実に柔軟にゆっくり生きている。

そんな流れに逆らうことなく、たとえ流れに逆らい、他の場所へ行くことを余儀なくされたとしても、自分の居場所を探し続け、伸び続ける。
そんな柔軟さが自分にもほしい。





……ミーティング終了後……

5~6人分余っていた🍰があり、

「ちぃ~暴さん、これ、お母さんところでも持っていけばいいじゃん😁」

…………と仲間が言ってくれた。


今日のミーティング中にも、私は最近の母とのやり取りも話していたせいか、仲間が気を遣ってくれて、そんなことを言ってくれたようだった。




「どうしようかな……………。」


少し考えたが、実家はここから約300メートル先にある。




「せっかくここまで来たしな、少し寄ってくか……」


そう思い、会場を後にし、会場近くにある実家へ久しぶりに顔を出した。
夜遅い時間だったし、母もなんとなく始めは不機嫌だったが、ケーキを渡し、一時間程イロイロと話をした。

まだまだ心配をかけてはいるが、私が久々に顔を出したことで、母は少しは安心してくれたようだった。


今まで胸に引っ掛かっていたようなものがスッと取れたような感じがした。



ケーキが偶然にも余ったこと、仲間が言ってくれた一言、どうやらそれが私を後押ししてくれたように感じた。



「これがハイヤーパワー(自分を超えた大きな力)なのかも知れないな。今日の私にとってのハイヤーパワーはGAの仲間たち」




ふと、そんなようにも感じた。





仲間、母、そして自分を超えた大きな力に

ありがとう。



























ブログ開設200日

2017-05-27 00:41:46 | 日記
こんばんは。



いつまで続くのかなぁ……と、自分でも思いながら書いているこのブログも、本日で200日を越えたみたいです。
(人ごとかよ)





なんでしょうねー、この感覚。



ダラダラと書いている割りにゃ日記、釣り、ハンドメイド、すでに100近くの記事をUPしている。



いつまで続くんでしょうねー。
(知らんがな)





ま、たまにハゲ飯、じゃなく励まし(スマホで書いているとよく間違えるのよねー、…それにしてもスゲーな"はげめし"で変換するとハゲ飯かよ💦)
を貰ったりもするので、もうチョット続けてみましょうかねー。




ここのところの一日辺りの来客さんは、100人~200人ぐらい。一日の平均300~500PVが続いております。



それと……
またそのうち記事にするかもしれませんが、実はここのところ、約1ヶ月ぐらいAAのミーティングには出席してはおりません。
行けないとかではなく、チョット事情がありまして、現在自主的に欠席しております。。。


なので明日はGA(ギャンブラーズ・アノニマス)のミーティングに出席してこようと思ってます。
おかげさまでギャンブルも止めてから1年が過ぎました(👏👏👏パチパチ)
パチンコ、スロットどころか、宝くじすら買ってません
(たまに買いたくなる衝動に駆られることもありますが)

今回はGAでのバースデーミーティングなので、感謝しながら出席してこようと思っています。



日々、感情の浮き沈みはありますが、いつまでもダラダラ過ごしているわけにもいかないので、就職活動もボチボチやりながら、日々(今日一日)を後悔しないように過ごしていこうと思っております。


天気がよい日には釣りばっかり行っているので、これからは釣り自慢だけのようなブログになるかもしれませんが良しとしましょう。

このブログは俺の俺による俺のためのブログみたいなもんだし。
(えむいさん もし見ていたらごめんなさいm(__)mパクリです。)



どこの誰だか知らないけれど、いつもご覧になってくれているそこのアナタ。いつもありがとうございます。

こんな自己満のオ○ニーブログですが、これからも暇なときには覗いてくれたら嬉しいです。
ではまた。















ARP復習⑤

2017-05-26 14:42:34 | 日記
第5章 アルコール依存症から回復するために (1)

前章では、アルコール依存症の経過と転帰をみてきました。アルコール依存症はコントロール障害であり、脳の学習作用の結果として節酒をしていくことは困難であり、飲酒を続けると生命への危険が高くなってしまいます。
アルコールの無い生活が普通になるためには、1~2年の断酒期間が必要であり、その1~2年をどのように過ごしていけばよいのでしょうか? この章では、断酒の効果があると知られている3本柱という方法をみていきたいと思います。

(第5章は一部と二部に分けて掲載いたします)


1】断酒の3本柱
1本目の柱: 自助グループへの参加

自助グループとは、医療機関におけるプログラムとは違い、当事者であるアルコール依存症者同士が、お互いにアルコール依存症という病気について語り合い、問題を解決していく場です。アルコール依存症の自助グループには断酒会AAという2つの組織があります。

①AA(アルコホーリクス・アノニマス)とは?
・直訳すると「無名のアルコール依存症者たち」。その名のとおり、お互いにプライバシーを守り、メンバー全員が平等であるために、本名、住居、職業などを明らかにしなくても、アルコール依存症者であれば誰でも参加できる。自分がアルコールを止め、他の依存症者の断酒を手助けすることを目的としている。
・アルコール依存症の回復のために、「ミーティング」や「12ステップ」を活用する。自分のプライバシーをどこまで明かすのかは本人の自由。メンバーになるために必要なことは、飲酒を止めたいという願望だけ。AAは会員制ではなく、入会手続きや会費もない。サービスを行うための機関はあるが、AAそのものは決して組織化されることはない。そのための名簿などはなく、追跡調査も行われないため、正確なメンバー数を知ることはできない。(現在、世界160弱の国と地域で220万人、日本では5000人のメンバーが飲まないでいると推定される)
・ミーティングは約1時間~1時間半。司会者の進行に従って、ひとりひとり自分が「過去いつもどんなふうだったか、そして何が起こり、いまどうなっているのか」について話をする。それに対してコメントされることはなく、話の内容が外部に漏れることがないように配慮されている。ミーティングの少ない地域はまだあるものの、すべての都道府県で活動している。家族や友人、医療関係者なども参加できるオープンミーティングと、飲酒を止めたい本人しか参加できないクローズドミーティングがある。

②断酒会とは?
・戦後、AAの活動を学び、日本人向けに工夫された回復方法を持つ自助グループ。
アルコール依存症者同士が集まり、共通の酒害問題を語り合う。依存症者本人だけではなく、配偶者をはじめ家族の出席が奨励される。家族の出席により、協力して断酒していくことを特徴にしているが、単独参加でもかまわない。独身者のためのシングルの集い、女性だけの集い(アメシストの会)、家族だけの家族会もある。会費制をとり、会員は氏名を明かし、会長ほか運営責任者を置き、運営資金は小額だが会費でまかなう、寄付、助成金も受ける。直ぐに会員にならなければならないわけではない。飲酒に関する悩みの相談や、医療・援助機関の案内もする。
・例会と呼ばれる会合があり、会は約2時間。進行は場所によって違うが、「断酒の誓い」「心の誓い」などを唱和したあと、司会者に従って、依存症者と家族が、それぞれ飲酒に関する話をしていく。日本全国に5万人以上の会員がいる。

○ 自助グループ参加の効果
・1935年以前は、アメリカでも日本でもアルコール依存症は長い間「治らない病気・回復しない病気」と言われてきた。しかし、1935年、アメリカで回復不能と言われていた二人の依存症者が出会い、お互いに飲酒問題を語り合ううちに、断酒継続に成功したことからAAが始まった。日本でも、AAに加えて全日本断酒連盟の誕生以来、全国的に断酒成功者が増えていき、それとともにアルコール依存症から回復する人の数も増加し始めた。




2本目の柱: 抗酒剤
・ 抗酒剤は、肝臓内のアルコール分解課程で作られるアセトアルデヒドという毒性の強い物質を、無害な酢酸に分解する課程を阻害する作用がある。そのため抗酒剤を服用していると飲酒しても気分よく酔えず、アセトアルデヒドが体内に残るため悪酔い状態が長期間続く

・ 2種類の抗酒剤
①シアナマイド: 水薬、即効性があり、一日一回、24時間以上持続する。副作用は、かゆみのある発疹や薬疹、肝障害ですが、発生頻度は高くない。
②ノックビン: 粉薬、効き始めるまでに数時間かかるが、薬の効き目が長く、約1週間続く。副作用はほとんどないが、神経炎や睡眠障害、精神症状がみられることもある。
※抗酒剤は断酒継続の強力な援軍。副作用が出ても自己判断で服用を中止せず、主治医と必ず相談する。

・ 「本当に飲めなくなるのだろうか?」と抗酒剤服用中に飲酒して、自身の体で人体実験をすることは絶対にやめて下さい。かなり危険であり、場合によっては救急車で運ばれることもある。
(因みに私は抗酒剤は飲んではおりません。主治医の先生からも処方されてはおりません。)




3本目の柱: 治療の継続
・抗酒剤の処方を続けられる

・断酒を開始した後に起こりやすい、不眠、うつ症状にも対応できる

・自分自身の状態のチェック(様々な身体疾患など)、飲酒防止




4本目の柱: 断酒宣言
最近は3本柱に加え、4本目の柱として断酒宣言の効果が言われています。せっかく自分がアルコール問題を考え、専門治療を受け、アルコールの無い生活を始めたとしても、社会復帰をしたり、これまでの人間関係のなかに戻ったりすると、再飲酒の危険性は高まります。
・ 職場での付き合い、仲間からのお誘い、友達や親戚との付き合いなど、病気になったことは告げてあっても、今後はたとえ一杯でも飲んでは危険な病気であることを伝えておかないと 「一杯ぐらいならいいだろう」 「すっかり元気そうだし、そろそろ少しずつ飲み始めてもいいのでは?」 と周囲から飲まされてしまいがち。 自分はたとえ一杯でも飲んでは危険なのだと周囲にしっかりと「断酒宣言」することが効果的。



○ 断酒の3本柱+断酒宣言のひとつひとつは、シンプルでそれほど難しいものではない。これらを継続していく、柱を1本でも多く立てることで回復の可能性は高くなる。
○ 問題解決のために : 何事にもコツがある。情報を集めて、正しい攻略法を得て、実行し、継続していく。





【追記】

「そんなこと言われるまでもなく知っとるわー!」

…………と思われているそこのアナタ。

もう十分に知識のあるアルコール依存症の人たちには、釈迦に説法かもしれませんが、それをいかに継続していくかが、私も含めてカギになるかと思っております。

そして今現在、アルコール依存症、またはその他の依存症に悩んでいて、あまり知識や情報のない方々には、このブログが少しでもお役にたてれば幸いです。








ARP復習④

2017-05-24 22:20:46 | 日記
第4章 アルコール依存症の経過と転帰


これまでの章では、アルコールの身体への影響、及び家族や社会への影響をみてきました。アルコール依存症は進行性の病気と言われており、問題飲酒をそのままにしておくと様々な身体疾患に陥る危険性や、自分自身だけではなく周囲との関係も悪化していく危険性があります。そうした状況や状態は、自分自身がこうありたいと望んだものでしょうか?
この章では、アルコール依存症の経過と転帰についてみていきたいと思います。




1】 治療の目的
アルコール依存症な対する医学的なとりくみが始まった当初は、節酒がよいのか断酒がよいのかという議論も多かったようです。しかし、今現在では治療目標を節酒にする専門家はいません。それは、アルコール依存症という病気がコントロール障害であり、たとえ少量でも飲んでしまえば元の飲酒状態に戻ってしまうからです。

これらに関する研究の一部としては次のものがあります

○35名のアルコール依存症者に対し節酒を目標に外来治療を行うが、節酒状態を学習できたと考えられた14名も最終的には再び制御不能飲酒へ戻ってしまった、という報告。

○断酒を治療の目的にする方が確実であり、また節酒していても身体障害が大きい。節酒しようとしている者の多くは、断酒しようとして努力してもそれが不可能であるため節酒という状態を余儀なくされている。

○病院を受診するが、それ以降の治療を拒否した62名の追跡調査をすると死亡倍率が一般人に比べ5倍であった、という報告。

断酒群での死亡者の割合は8.0%、節酒群で29.4%、再飲酒群で29.6%。節酒群と再飲酒群の死亡者の割合はほぼ等しい、という報告。
⬇⬇⬇

節酒は決して良好な転帰とは言えない


それでは、アルコール依存症者はどうして節酒が困難になるのでしょう?



2】脳の学習作用
○脳内の報酬回路形成
・ 飲酒→脳内のドーパミン放出を促進する。つまり、多幸(快感)+緊張、心理的葛藤を忘れさせてくれる。
・ 反復飲酒することで、ドーパミン放出力の低下→アルコールがない状態では、機能不全が生じる。つまり、多幸感の反対、リラックスできない(緊張感)、不安感が増大→飲酒欲求の増大。
・ さらに飲酒が続くことで脳内の飲酒欲求(無意識の衝動)は増大。増大した反応性は元には戻らない(脳内学習作用)


○枯れ井戸現象

A.機会飲酒(宴会、週末飲酒など)
B.習慣性飲酒(晩酌、寝酒など)

C.少量分散飲酒(日常行動の合間合間に飲酒するなど、2日以上にわたる)
D.持続的酩酊飲酒(飲酒して深く酩酊し覚めてまた飲酒、単独、2日以上にわたる)
図 : 飲酒パターンの分類

・ 患者さんの大半は、再飲酒するときに入院前のC、Dの状態に戻ることを望んでいない。A、Bの状態でやっていこうと考える。
しかし、再飲酒の直後はそうした行動が出来ていても、いつの間にか入院前のC、Dの状態に戻ってしまう。
初飲からC、Dの状態に至るまでに要した年月に比べ、再飲酒(slip)してからC、Dの状態に至るまでに要する月日は極めて短い。
再飲酒(slip)の最初の一口目からC、Dの状態に至る経過を、水が上がらない井戸に呼び水を注ぎ入れると、再び井戸の底から水がほどばしり出てくることに例えて枯れ井戸現象と呼ぶ。

・ 断酒を続けたあとでも再飲酒すると、過去に獲得してしまった飲酒欲求反応が脳内に起こり、あまり時間をおかずに以前と同じ飲酒パターンに戻ってしまう(脳が学習したことは生涯忘れない)
・ いかに強固な意志をもってA、Bの状態に留まろうとしても、本人の意思の及ばぬ脳内のプロセスが駆動してしまうのが依存症の病態
A、Bの状態に留まることができないのは意志や精神力が不足しているためだと、アルコール依存症者は考えがちだが、それは大きな誤解
・ 一方、呼び水の一口目はアルコール依存症者本人の意思による行為




次章では、"アルコール依存症は回復可能な病気なのか?"………ということをみていきたいと思います。






【私的感想】

この前、私のブログの記事で「オレは依存症じゃない」という記事をUPしたと思いますが、こういう事実を突き付けられるとなかなか再飲酒(slip)はできないな………と感じさせられます。



過去の記事はこちら⤵
オレは依存症じゃない - くもり空の下で……



しかし、ぶっちゃけ言うと「チョットぐらいならいいじゃん、チョットなら大丈夫じゃね?もしかしたら深酒はたまにしていたけど、オレ…ホントは依存症なんかじゃないのかも?」………という思いは常に私のなかにあります。

だから依存症が【否認の病】と言われている由縁なのでしょう



今回の章については、アルコール依存症に限らず、ギャンブル、薬物、sex、買い物、etc…………すべての依存症に当てはまるものではないかと感じました。