くもり空の下で……

アルコールとギャンブル。依存症からの回復と成長を目指しながらの日々の雑感を発信。趣味の渓流釣りなども公開しています。

ARP復習②

2017-05-22 16:52:47 | 日記
第2章 アルコールが原因の病気

アルコールが原因の病気というと何を思い浮かべますか?よく知られているものでは肝臓障害でしょうか。アルコール依存症では依存という心の問題に目が向きがちですが、実際には様々な身体疾患を合併しやすく、身体への影響は無視できません。

この章では人が生活していく上で欠かすことのできない身体へ、アルコールがどのように影響しているのかを見ていきます。






1】身体の病気
アルコールは感覚、認知、循環、消化、代謝、運動に関わる器官のほぼ全部に影響を与えます。
主に「肝臓障害」と「脳神経障害」の影響は深刻であり、また、両障害とも気づかないうちに病態が進行していくため、注意が必要です。

□肝臓障害
肝臓はタフな臓器で、肝脂肪や肝炎が進行するくらいではほとんど何の症状も示しません。そのため気づいた頃にはかなり病態が進行しています。

正常肝: 解毒処理・栄養素の貯蔵・合成作用(私たちが生きていく上で不可欠な働き)

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肝脂肪: アルコールの解毒作業を優先するため、エネルギー源の脂肪が肝内に残りやすくなる。アルコールを飲み続けると、肝細胞に再び大きな負担がかかり、機能を弱めていく

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アルコール性肝炎: 長年の飲酒で辛抱強い肝細胞もやがて腫れ上がり、はたらきも低下し、壊死が起こる。この段階で断酒し、治療すれば肝細胞は回復するが、飲み続けると肝不全になるか肝癌になる

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肝硬変: 肝細胞が壊死してその後に腺維が置き変わって固くなる。こうなると酒を断ち、治療しても肝細胞は元には戻らない



※肝硬変になると食道の静脈が腫れて、そのうちに破れ、大量に吐血する危険がある。
(私の入院中にも、ホントに食道静脈瘤破裂で大量に吐血した患者さんが同じ病棟にいました。)

体内にアルコールを入れないことで肝細胞は回復、それ以上悪くなることはない。

※倦怠感、黄疸、腹水、くも状血管腫、手掌紅斑、男性乳房の肥大などが現れるのは肝臓障害がかなり進行してから。



□癌
世界保健機構(WHO)は2007年に「アルコール飲料が口腔癌、咽頭癌、喉頭癌、食道癌、肝臓癌、女性の乳癌、直腸結腸癌の原因であり、アルコール飲料に含まれるエタノール(アルコール)自体に発癌性の十分な証拠があると結論づけた」と報告しました。
また、発癌の背景要因としては、栄養不良、喫煙の関与も疑われています。癌になった人の割合は飲酒者の方が高く、喫煙者だとさらに高率になることが統計で確認されています。

アルコールと関連のある癌:
食道癌(6.4倍)、喉頭癌(21.4倍)、胃癌(8倍)、大腸癌(6倍)、乳癌(1.5倍~3.5倍)、肺癌(5.9倍)、肝癌もあります。
※( )内の数字は酒もタバコもやらない人の癌発症率を1としたときの飲酒者の癌発症率の割合です


□その他にも膵炎、糖尿病、痛風、心臓病など、アルコールと関連する様々な病気がありますが、今回は省かせていただきました。










2】脳や神経系の病気
アルコール依存症者で多く脳神経障害がみられることは古くからよく知られています。しかし、常にアルコールが入っていたり離脱症状が現れていたりすると、十分な診察ができず、症状が重くなり致命的になってから気づかれる例もあります。

アルコール依存症者にみられる脳神経障害の原因には
①アルコール自体の神経への直接の毒性によるもの(急性アルコール中毒・アルコール依存症)

②飲酒時に付随してみられる栄養障害、ビタミン欠乏、電解質異常(ウェルニッケ脳症・ペラグラ脳症など)

③合併している他の内蔵疾患の影響(脳出血、くも膜下出血、脳梗塞など)

④複合的な要因(脳萎縮など)

が考えられます。しかし、いづれによるものか明確にできないものも多いようです。

●脳萎縮
脳は加齢とともに自然に萎縮していきますが、アルコールを飲み続けた人の脳は、普通の人より萎縮が早く始まり、その程度も強くなります。未成年のアルコール依存症では、20代から萎縮が始まる例もあります。

(私と同じ病棟だった推定65歳ぐらいの男性でもいました、脳萎縮の方。「オレの脳はズレてんだよ~」
………とか言ってました(-_-)💧)






3】進行性の病気
アルコールが原因で病気になった人には次のような特徴があるといわれています。
① 20年ぐらい飲酒期間を経てはじめて、病気の自覚症状がでてくる。

② 酒を少し控えると表面的な病状はすぐに回復するが、また飲んで悪化させる。

③ ②を繰り返し、平均52歳前後で亡くなることが多い。


表面化するまでに時間がかかり、飲酒を控えるといったんは治りますが、繰り返すうちに死にいたる進行性の病気だと言えます。







4】予防・その他
規則正しい生活習慣や栄養摂取が基本

○ アルコール依存症の方は栄養不良から体力が削られていることも多く、スポーツなど運動で体力を回復させていくことも大切。

○ それぞれの身体症状により専門家と相談しながら予防策や治療法を考えていく必要がある。






第2章まとめ
アルコール依存症はコントロール障害であり、進行性の病気でもあります。上記の病気はそれぞれがアルコールと関連のあるものであり、飲み続ける限りこうした病気にかかってしまったり、悪化したりする危険性が高くなります。アルコール依存症になり断酒できない人の生命予後の悪さは癌に匹敵するとも言われています。











【追記】


💧マジか…………


自分で書きながら、言うのもなんですが……
入院中に一度この勉強会に出席してはいたけれど、あの頃は心理療法士の話をただボケーっと聞いていただけだったので、改めて読み返してみると恐くなりますわ。


私は肝硬変にもなり、入院前の末期には倦怠感、黄疸、腹水までありました。



そして……………



平均寿命が52歳って💧



ヤバいじゃんオレ。






一日一日、悔いのないように………

………とは思ってんるですけどね~。。。




ま、明日、もしかしたら何かあって死んじゃうかもしれないし、

もしかしたらあと10年………


いや、20年、30年あるかもしれないし………


あくまでも平均ですからね、テキストでは。