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*from my room*

家計簿管理、読書メモなど
思いついたことをぼちぼちと

引越しました

2025-06-16 13:38:04 | 読書メモ
ブログをお引越ししました。→こちら

最近はのんびり更新で、読書メモくらいしかアップしていませんが、
ぼちぼちやっていきますので、よろしくお願いいたします(^^)

読書メモ(2025.4)

2025-06-05 16:27:34 | 読書メモ
「恋とか愛とかやさしさなら」一穂ミチ audible
 とにかく導入がショッキング。
でもいやいや実は違うっていう展開なんでしょって思ったら、そういうわけでもなく。 
その出来事に向き合うそれぞれの姿勢とか感じ方とか向き合い方が
ほんとにそれぞれ過ぎて、いろんな感情が駆け巡る。
私が彼女だったら絶対逃げ出しちゃうと思ったけれど、
でも結婚まで考えていた相手だったら、そう簡単にもいかないか。
この彼女はとにかくどんな形にせよ向き合おうと徹底していたのがすごい。
だからこそ、最後自分が納得した形で進むことができたのかな。

「娘が巣立つ朝」伊吹有喜 
以前audibleで聞いた伊吹さんの「犬のいた季節」がとてもよかったので、
期待して読んだものの、誰にも共感できず。
若い二人の結婚式に向けたウキウキ感もほぼなく、両親は不穏。
うるうるする場面も少しはあったけれど、楽しい中に不安材料があるのではなく、
前向きになれる材料がほぼ見つからないのがとにかくつらかった。
ラストについては、若い二人はもし上手くいかなかったとしてもまだやり直せるし、
とりあえずやってみてくれという感じだけど、
両親については余生こんな感じでいくのって暗い気持ちになる。 

「結婚させる家」林望実 
設定が思っていたのと違うし、全体的に何かちぐはぐした印象。
登場人物はなかなかクセのある人たちで、それに愛着がわけばいいけれど、
応援したいと思えないような人たちばかりで残念。 

☆「カフネ」阿部暁子 audible 
愛なのか呪縛なのかわからない繋がり。
それぞれ感じ方も違うし、それを完全に分かり合うことなんて不可能なのに、
家族という形態に縛られてもがき苦しむ人たち。
薫子とセツナの対照的なキャラがよい。
薫子は最初は鬱陶しかったけれど、がむしゃらな姿にだんだん応援したくなる。 
セツナは思っていた以上に深刻だし、頑固だし、心配になってしまったけれど、
最後素直になれて一安心。 
最悪の組み合わせと思えた二人だけれど、出会えてよかった。 

◎「月下のサクラ」柚月裕子 
二作目なのに、なぜか泉のキャラが未だにつかめない。
本当はめちゃくちゃデキるやつ? 
ずっと頑なで誰も変えられなかった上司を泉が説得する様子が出来過ぎで、
いやいやすごすぎん?ってなる。
 タイトルがサクラなのでしょうがないけど、外事が絡んでくるスケール感になぜかついていけない。

「震える天秤」染井為人 
染井さんなので期待して読んだが、なかなか引き込まれず。
まずマニュアル車でブレーキとアクセルの踏み間違いが引っかかってしょうがない。
(マニュアル車はブレーキと同時にクラッチ踏むので、
間違ってアクセル踏んだとしても空ぶかしになるだけでは?)
どこに着目すればいいのかわからないし、時代錯誤な感じもするし、
歯切れの良さが感じられないし、ラストはもやもやするし。
他の作品がぐいぐい引き込まれただけに残念。 

◎「点と線」松本清張 audible 
何十年ぶりかに松本清張を読んでみたというか聞いてみた。
謎解きとしては時刻表とか交通機関とか、今となっては目新しいものはないけれど、
文体とか表現が懐かしくもあり。
ラストがおおぅそっかーと。女性の描き方が松本清張っぽいよなーと。 
そういえば昔ドラマで見たような気がするけど、どうかな。 

5月分の家計簿、noteにアップしました!

読書メモ(2025.3)

2025-04-19 16:37:47 | 読書メモ
◎「Q」呉勝浩  audible
「爆弾」はそれぞれの登場人物の言わんとするところがわからんでもなかったが(共感するかは別として)、
「Q」はそれぞれの言い分がまじわからん。ぶっ飛んでる。怖過ぎる。
クライマックスそこかーな感じや、えっ終わり?みたいなラストなどいまいちのめり込めず。
おもしろくはあったけど、期待しすぎたかな。

◎「ザリガニの鳴くところ」ディーリア・オーエンズ 
翻訳物苦手なんだけど思っていたより違和感なく。
当時の社会背景諸々あるんだろうけど、カイアの子供時代が壮絶過ぎて。
でもとにかく逞しい。
テイトとの再会でいい方向に進むかもと思いきや、なんでー。
 カイアのあの選択が正しかったとは思わないけど、それもまた彼女。

◎「平場の月」朝倉かすみ
私と同年代の男女のお話。
冒頭で女性が亡くなったことが明らかにされているのになぜか死なないでくれと祈っている私。
大きな事件はないけれど、それぞれがもがいたり迷ったり、近づいたり離れたり、
微妙な距離感、気持ちのすれ違いがなんとも切ない。

◎「霧をはらう」雫井脩介 audible
 読んだことあったけど、audibleでも聞いてみた。 
所々覚えているところはあったけど、犯人や肝心なとこの記憶が無さ過ぎて新鮮な気持ちで聞けた。
 姉妹の対照的な描き方が印象的。
母親に対しての周りの評価には私も反省。 
ラスト、鍵を握っていたのは思いがけない人物でそりゃないぜ!私の記憶力。

◎「いただきます」喜多川泰  audible
十代の何がやりたいかわからず悶々としている感じが
酸いも甘いも噛分けた大先輩たちの言葉や体験によって少しずつ変わっていく様が良い。 
私には、タイトルの「いただきます」よりも「個性」に関する考え方が目から鱗だったけれど。
大きなことに目が行きがちだけど、まずはそこから。
 
◎「朽ちないサクラ」柚月裕子
 映画は未見だが、キャスティングを見て、ある人物が事件に関与しているだろうことは予想できてしまった…。
でも実際は予想以上に闇深い。
主人公は警察署でも捜査する部署ではなかったが、これを転機に方向転換。
ある意味エピソード0的なお話か。続編も読んでみたい。

 ☆「プラージュ」誉田哲也 audible
 特殊なシェアハウスの個性的な人たち。並行して語られる記者目線。
最初よくわからず戸惑いもしたが、最終的にそうつながるかと。
 一度罪を犯してしまったら人はそれまでなのか。
人はそもそも変われないのか。人それぞれだし、境遇や状況も多様。
 でも捨てたもんじゃないな…と思えるお話。

4月分の家計簿、noteにアップしました!

読書メモ(2025.2)

2025-03-21 12:26:38 | 読書メモ
◎「派遣社員あさみの家計簿」青木祐子
 主人公にイラッとすることもあるけど、とにかく周りに恵まれてるよなあ。
 具体的な数字が興味深く、自業自得ながらも壁を一つずつ乗り越えて行く様は応援もしたくなるけど、
タイトルからして続編もずっと派遣のままなのか?

◎「もぎ取れ!3億円大作戦」香住泰 audible
前半は思わぬ設定、あの手この手で達成していく過程をドキドキしながら楽しんでいたが、
途中からの強引な展開、祖母の甲高い声で捲し立てる上からなキャラがどうにも受け入れられず。
それにあれだけのことやって何の報いもないっていいんかなーともやもや。

「みんなを嫌いマン」献鹿狸太朗 
設定やグロテスクな描写がうまく脳内再生できずアニメっぽくなったり、
主人公がちょっと何言ってるかわからない部分とかもあったけど、
とにかく勢いで読み進め、ラストはなんとなく読めるよなぁと思っていたら、
最後 自分自身の「嫌い」の概念が浅過ぎて愕然。
「嫌い」って深くて面倒くさくて愛おしい。弟くんの存在が救い。 

◎「タックスヘイブン」橘玲 audible
最近興味を持っている地政学や経済などが題材ではあるが、
未熟な私は登場人物や経済のあれこれ等、把握しきれない部分もあって、なんとなく雰囲気で聴き切った。
 ハードボイルドっていうのか、ちょっとかっこよすぎん?という所もあり。
 ラストに語られるある人物の半生が過酷過ぎて、他の諸々がぶっ飛ぶほど。

 ◎「ゼロ打ち」相場英雄
 テレビなどではわからない選挙の裏側や駆け引きなど、なかなか知れない部分が見れて、必死感や切迫感も伝わってきた。
そして努力や必死さ正しさだけではどうにもならないジレンマも。 
ラストは光が見えたような気もするし、現実問題何も変わらないような気もするし、虚しさも残る。

☆「死んだを木村を上演」金子玲介 
みんな記憶力良過ぎ!(でもラストそういうことか…と)
最初台本形式の会話文では、いちいち名前を確認し登場人物のキャラを想像しながらまったり読んでいたのだが、
終盤の改行無しの怒涛の会話文では、名前が無くても誰かわかるし、ものすごいスピードで読み進められたのはすごい。お見事過ぎる。 
ラストでタイトルの意味を知り、最後木村にも伝わってよかったねとジーンとさせられた。
そう言えば「死んだ山田と教室」も青春だなあとまったり読んでたら、終盤怒涛の展開にやられたんだった。またまんまとはめられてしまった。 

☆「爆弾」呉勝浩 audible
ナレーターの男性の笑うセールスマンばりの特徴的な感じに最初引いてしまったけど、だんだん鈴木にし聞こえなくなった。
男性の方も女性の方も演じ分けが素晴らしく、臨場感たっぷり。 特に女性の低音の声が好きだなあ。
刑事と鈴木のやり取り、壮絶な現場、緊迫感、個性的な登場人物たち(最初鈴木のこと嫌悪してたけど、だんだん興味深く惹きつけられる)など何から何までおもしろい。
この後どうなるんだろう…と思ったら、続編あった! 早速聴き始めたが、法廷が舞台!被害者の親族が?とまあ最初から引き込まれてる。
 あまりむごいことが起こりませんように…と無駄なことを祈りながら聴いてる。 

☆「法廷占拠」呉勝浩 audible
「爆弾」の続編。いきなり緊迫感ヤバすぎて、早く解放してくれーと冒頭から逃げ出したくなる。
そしたら、そうだ鈴木がいたんだよ!と謎の安堵感。(いやいやなんで)まあいろいろあれど、鈴木にはなんか期待感が増すというか不思議な存在。とにかくおもしろい。

読書メモ(2025.1)

2025-02-02 11:26:37 | 読書メモ
◎「車輪の下」ヘルマン・ヘッセ audible
十代の頃に読んだと思うんだけど、鬱屈とした雰囲気とラストの衝撃は嫌いじゃなかった。
でもそれ以外はほぼ記憶になく。
でも、実際聞いてみるとやはり翻訳物は言い回しがいちいち気になってしまい、
audibleじゃなかったら挫折してた。
でも思っていたほど暗くなく、こんな話だったのかーと。
後半の方が多少記憶に残ってる感じ。
ラストはわかってはいたもののやっぱりやるせない。

◎「マンモスの抜け殻」相場英雄
介護現場の現状や闇についてはなるほどと思う所もあれば所々ひっかかる部分もあり。
事件の発端となるM&Aの対象をなぜそこにしたのかが納得できずもやもや。
ノスタルジーとか思い入れとかわからんでもないが、それにしても絶対に関わりたくない相手。
しかも、子供の頃の真相をあなた主導で話す?みたいな。
相場作品、期待していただけにもったいない感じ。

◎「パラソルでパラシュート」一穂ミチ
芸人を題材にしたドラマや小説はいくつか見たり読んだりしたが、これが一番とっつきやすかったかも。
主人公が芸人ではなく傍観者だからかな。芸人目線は時々重かったり面倒くさかったりする。
(それがおもしろいんだけど)
でも、その主人公の言動や距離感が個性的というかちょっと浮世離れしているというか、
いろいろ短絡的な私からすると羨ましくもあった。
登場人物が押し付けがましくなく、それぞれが魅力的だった。

☆「善良と傲慢」辻村深月
抽象的というか直接的というか思い切ったタイトルだな、一体何が描かれているんだろうと思ったら、
まんま見事に表現されていた。
登場人物は多いけど、それぞれの立場、考え、生き方や価値観が丁寧に描かれていて、
嫌悪感を抱いたり、共感したり、目から鱗だったり、こっちの気持ちも右往左往。
主人公や周りとの関係性、それぞれの考え方や感じ方は、
自分が気づかなかったり蓋をしていたものが顕になり気持ちえぐられる。
でもあまり深く考えずに結婚した身からすると、ここまで追い詰められるのは辛過ぎる。
(年代?それとも時代?)
とにかく主人公が自分自身で悩んで経験して考え抜いて答えを見つけられてよかった。

◎「親の家が空き家になりました」葉山由季
相続や空き家問題だけでなく、身内とのやりとりなど何もそこまでみたいな所もあって身ににつまされ、
ちと辛かった。でもいろんな人が助けてもくれるし、結局やるしかないしいずれ終わる。
とにかくいろいろ面倒くさそうだけど、空き家カフェは楽しそうだったなあ。
家を処分する前に不用品や様々な手作り品なども売りに出して、一石二鳥。

☆「地面師たち」新庄耕 audible
話題になっているが、映像は見たことない。
ナレーターは数人の方が担当されていて、女性は女性の声なので、
ラジオドラマに近い感じで話自体もおもしろくサクサク聴ける。
自分とは関係のないない世界と思って聴いてはいたが、
理不尽さ残酷さ狡猾さ、それらは決して無くなることはない絶望がなんともやるせない。

◎「金融義賊」エフ audible
格差社会に対する不満が極端で一面的で(SNSでよく見る感じ)がんじがらめ過ぎる主人公。
しかし、あの手この手で計画を遂行する姿はあっぱれでもあり、むなしくもあり。
最後は同じような立場だと思っていた人たちからも突き放され、
戦い方を間違えてしまった主人公は一体どこへ行くのか。
(後輩は何か鍵を握っているとは思っていたけど、そっちだったかー。実はしっかりしてた)

☆「13歳からの地政学」田中孝幸
地政学に興味があり、とっかかりとして読んでみた。
子供向けで対話形式というのもあり、わかりやすかった。
日頃ぼんやり感じていた事の根拠や疑問にすら思っていなかったことの真相など、
と共に自分の無知さ加減も知る。
それで何かが急に変わるわけでもないけれど、まずはそこから。
カイゾクさんにまた会いたいなぁ。

△「好きを言語化する技術」三宅香帆 audible
途中まで読んでわかった気になってしまい、止まってる。

△「自分とか、ないから」しんめいP audible
いやもうフィクションとかいいから!
今私が感じてるこれは何なの?ってなって、止まってる。

◎「派遣社員あさみの家計簿」青木祐子 audible
主人公が思っていた感じと違ってとまどったりイラッと来たり。
(危機感がないというか、ずれてるというか)
窮地にあんな風に接してくれる親友は素晴らしいし、周りに恵まれてるよなあ。
家計簿の具体的な数字も示されていて興味深く。
自業自得ながらも壁を一つずつ乗り越えて行く様は応援もしたくなるけど、
タイトルからして続編もずっと派遣のままなのか?

◎「ちゃっけがいる移動図書館」高森美由紀
たまたま派遣社員あさみと同じような立場(非正規雇用)の主人公。
あさみとは対照的で、殻に閉じこもって意固地な感じの主人公にもう少し素直になればいいのにと思っていたが、
ちゃっけや周りのお陰で少しずつ成長。
相手の見えなかった部分が見えてきたり、様々なことを受け入れられるように。
状況は変わらなくとも目の前が開ける感じが羨ましく。あー私も犬飼うかっ。
(現実はなかなか難しい)
移動図書館が舞台なので、いろんな本も出て来てついつい読みたくなる。

読書メモ(2024.12)

2025-01-27 15:15:46 | 読書メモ
◎「鍵のない夢を見る」辻村深月
まさかの短編集だった。
もしかして身近であり得なくもないようなスレスレな感じにぞっとする。
どうにもならない感情や言動。
一番印象に残っているのは誘拐のお話。いろんな意味で怖過ぎる。
それにしてもなぜこのタイトルなんだろう。

☆「存在のすべてを」塩田武士 audible
2児同時誘拐のジリジリとした現場にドキトキし、
美術界の白い巨塔感の理不尽さに憤り、淡い初恋には成就を願い、
束の間だけど濃い家族に永遠を願い、取材の過程なども興味深く。
とにかくふんだんに盛り込まれていてかなりの聞き応え。
ミステリー的要素で言えば思っていたより早く種明かしがあり、
ラストも想定内だった。でもあれで少しは救われた。

☆「護られなかった者たちへ」中山七里 audible
生活保護を題材にした「悪い夏」とはまた違った切り口。
どんな理由があるにせよ殺人は正当化できないし、真面目さは理由にはならないし、
警察が同情?とか違和感というか納得できない部分がいくつかあってもやもやしていたが、
ラストでそうだったのかと。
問題提起はされたけど、だからと言って実際になかなか変わらないのが今の社会で悶々とした感じは残る。
映画のキャストを見たら意外な感じ。あえて原作と変えた部分がどう描かれているのか見てみたい。

◎「百年法」山田宗樹
思ってたのとだいぶ違った。
架空の国家、近未来的設定になかなか馴染めず。(SF苦手)
特殊過ぎる展開はおもしろくはあったけど、気持ちがなかなか入っていかない。
病気になることもなく、死ぬ期限が決まっていて苦しまずに死ねるなんて羨ましいくらいだー
なんて考えているからかな。

☆「きみのお金は誰のため」田内学 audible
お金の本当の役割やお金に対する考え方、向き合い方を物語形式でわかりやすく教えてくれる。
目から鱗ではあるが、実際はなかなか難しくお金に振り回される日常。
理想だけではなかなか解決できない問題もあるわけで、もう少し深掘りしたものも読んでみたい。

◎「赤と青のガウン」彬子女王
皇室というと想像のつかない世界だけれど、
警衛のエピソードがなんとも微笑ましくて好きだった。
留学先では皇族といえども一人の学生として扱われるわけで、
一人悩み苦しみ、周りに助けられ、時にはうるっとしたり笑ってしまったり、
疑似体験させてもらって得した気分。

☆「サファイア」湊かなえ audible
最初永作さんの声色に引き込まれたものの、もしかしてこれ短編集?と実はがっかり。
ところが、どんな状況、人物が出て来ても不穏や不安が拭えないのに
ずぶずぶ引き込まれる湊沼はやはりお見事。
そして色鮮やかに世界を立ち上がらせる永作さんの朗読!
過剰になるギリギリのラインで演じ分け、一人芝居のような臨場感。
特にすずめ女の甲高い声には思わず笑ってしまった。大好きだ。
「正義の申し子」の大久保多聞さんと共にaudible大賞あげたい気分。

◎「婚活マエストロ」宮島未奈 audible
成瀬の印象が強過ぎて期待がでか過ぎたか。
でも湊作品の後だったので気楽に楽しめた。
婚活という未知の世界はなかなか興味深く。
上手く行き過ぎの感は否めないが、本当に大変なのはこれから。
でもいろんな経験をしたから大丈夫か。二人のドタバタ結婚記も見てみたい気も。


読書メモ(2024.10~11)

2025-01-27 15:01:50 | 読書メモ
☆「いつかまた、ここで暮らせたら」大崎百紀
ベストな介護を探ってもがき孤軍奮闘する著者の姿は、
両親にそこまで愛情も情熱も持てない私からすると驚きでもあり羨ましくもある。
そんな私は親の症状がある程度進行したら迷わず施設に預けるつもりではいるが、
実は不安もとても大きい。
すでに短期記憶のできない母だが、自宅でルーティン的に洗濯や簡単な料理はやっている。
ところが入院した時は自分がどこにいるかわからず、電話でも意味不明なことを喋っていた。
その時に住み慣れた自宅で生活することがとても大きな意味を持っていることを痛感したから。
だから施設は最後の手段。
この本で、利用する制度や施設などの選択の連続の過酷さ、
その選択の度に迷い覚悟し納得させたりと思っていた以上に大変な状況に正直どんより。
でも結局正解もないし、100%後悔のない選択もないんだろう。
この先不安しかないが、私だけじゃないんだと少し慰められた気もする。

◎「ニュータウンは黄昏れて」垣谷美雨
うん?年齢と時代が合ってないなと思ったら、10年以上前の作品だった。
身につまされたり、勉強になったり、10年後まさにそうなってますよな現状だったり。
現実的な問題をちょっとありえなさそうな展開も盛り込んで、
ぐいぐい引き込んじゃうのはさすがです。
それにしても面倒な彼をイヤな奴ならまだしも友達に押し付けるという展開は
やっぱ最後まで引っかかったな。
市議になるという展開は飛躍したなと思いつつも過程も見てみたかった。
登場人物のネガティブな所が際立っていたので、好きなキャラが見つけられなかったのは残念。
でもサクサク読めて楽しめた。

☆「むらさきのスカートの女」今村夏子
「こちらあみ子」「星の子」とはまた違った独特の世界にぐいぐい引き込まれる。
むらさきのスカートの女のミステリアスな所に興味津々だったのが、
徐々に主人公の行動がヤバ過ぎ、怖過ぎってなって、
ラストは結局何だったんだ?っていう謎のおもしろさが癖になる感じ。

◎「月のぶどう」寺地はるな
寺地さんの作品はは「川のほとりに立つ者は」「水を縫う」に続いて3作目。
2作品に比べるとちょっと物足りなかったかな。
双子の弟には少しずつ変化が見えるのに、姉の頑な感じが延々と続いたのはきつかった。
でもそこを弟がグサグサついていくのはいい関係性だなと。
登場人物がけっこう多くて、叔母さんの過去をもっと掘り下げて欲しかったかな。
でもなんとなく想像がつきそうな気もするが。
あえて掘り下げなくてもおじいちゃんは好きだな。
ワイン作りの過程も知れたのもよい。

☆「星を編む」凪良ゆう
「汝、星のごとく」辛くて切なくてもどかしくてなんとも言えないお話だった。
その中でも好きだった北原先生の過去が知れ、
暁海と新たにまた歩み始めることができて感無量。
いろんなことが報われ、昇華され、次のステップへ。
そして彼らの人生はまだまだ続いていく。

◎「覇王の轍」相場英雄
相葉作品には珍しく女性が主人公なのがなぜか違和感で…。
ストーリー展開がもどかしく感じたが、ラストは結局そうなってそうなるか!と。
ほっとした反面、結局正義感や執着心や真実だけではどうにもならず、
最後はその時の情勢次第でどちらにも転がってしまうという危うさに愕然としてしまう。
この後が気になる。

☆「あひる」今村夏子
相変わらずの独特の世界観、突き放されるようなラストの短編集。
中でも「森の兄妹」は珍しく?私には理解しやすかったというか、
身につまされるような感覚、高揚感や絶望感がなんとも辛く切なく。
ラストはしっくりくるというか納得感があるというか。
それはそれでとても切ないんだけど。

◎「七十歳死亡法案可決」垣谷美雨
将来寝たきりになったらいっそのこと…と考えることはあるものの、
70歳になったら死というのはあまりにも乱暴過ぎる法案だなと。
で、ラストはやっぱりそう来たかと。
家族それぞれの立場や苦労、葛藤など他人事に思えず一喜一憂したが、あの夫は論外。
ただ専業主婦の主人公がパート勤めを始めて3日でレジを使いこなし、
その後の展開が上手く行き過ぎなのは急にリアリティが無くなって残念。
これからどう生きるかということについては考えさせられたが、
私の懸案事項に対しての答えはなく。
アラ還としては遠くない未来に不安は尽きない。

◎「三度のメシより事件が好きな元新聞記者が教える事件報道の裏側」三枝玄太郎
さらばのチャンネルで紹介されていた本。
ニュースでなんとなく耳にしていたり違和感のあった言葉の意味や仕組みがわかったりと
役にも立つし、実際に取材した人にしかわからない生々しいエピソードがおもしろい。
ドラマや小説の描写に対して元新聞記者の視点から考察してるのもおもしろく、
横山秀夫作品読み返したくなる。高村薫作品も考察して欲しい。

☆「父と私の桜尾通り商店街」今村夏子
人形やもぐら、パン屋など具体的な題材のせいかカラフルなおもちゃ箱みたいな短編集。
すぐそこにありそうなのに異質な世界、微妙に不可解な登場人物、
絶妙に不思議な展開が寓話っぽいというか、変に答えを求めちゃいけないんだなあと。
とりあえず浸ろうと思う。

◎「レイアウトは期日までに」碧野圭
装丁や本のデザインという仕事、そんな細かい部分までこだわるのかと興味深かった。
いろんな働き方に優劣をつけるのではなく、一長一短を描いているのもよい。
対照的な二人にはいらっとすることもあったけど、
距離感をもてあます感じがもどかしくもあり。
でも、少しずつ二人の距離が縮まっていく過程も楽しく。
主人公が少しずつ自信を持てるようになり、関係にも変化が。続き読んでみたい。
但しなんでこのタイトルなんだろう。もったいない。

読書メモ(2024.9)

2025-01-27 14:39:30 | 読書メモ
☆「星の子」今村夏子
世間的には普通ではないと言われる人達のそれぞれの出来事、
向き合い方、感じ方を淡々と描いていて、誰が正しいとか間違ってるとか、
何が善で何が悪なのかとか決めつけず、でかい主語でひとくくりにしたりせず、
あえて全てを明らかにせず、淡々と描かれるのが妙にリアル。
余計な評価とかなく、あくまでその人の事を描いているというシンプルな感じが心地よい。
ラストはえっこれで終わり?っ肩透かしにも思たけど、
そこにはかけがえのない想いがあるんだろうなとか、
あの後どうなったんだろうなと切なくなったりして、余韻の残る作品。

☆「おくのそこみえ」図野象
読み始めて最初はこれが衝撃作?と。
主人公に同情できる部分もなくはないが、やること為すこと全く共感できない。
するとある事件勃発。
これはミステリー?いや違うなと思いつつも真相が気になりなんとなく読み進めたら、
ラストの破茶滅茶過ぎる怒涛の展開に一気に引き込まれる!
甘ったれで不器用で自分勝手でやりたい放題な主人公のこと全然好きじゃなかったのに
最後はほろっとしてちょっと愛おしくさえ思えて来た。最悪だけど最高の結末。
そして、ストーカーのあいつの気持ち悪いぐらい真っ直ぐな所がよかったな。

◎「小田くん家は南部せんべい店」高森美由紀
子供目線で描かれているので読みやすい。
口は悪いが本当は愛情いっぱいの祖父よっしーがいい味出してる。
主人公の男の子の真っ直ぐさ、不器用さ、不完全さがよい。
せんべいに友情や家族、いっぱい悩んでもがいて失敗したからこそ得るものがある。

☆「未明の砦」太田愛
ちょうど興味を持っていたテーマだったので勉強になった部分もあるが、
フィクションとはいえあまりにも理不尽で過酷な労働の現場に愕然。
そんな現実に闘いを挑む4人。
しかしそれを阻むものたちのやり口にフィクションと言い切れない恐怖を感じ、ぞっとする。
ストーリーは最初の場面から過去に遡る形で描かれるが、
なかなかそこに到達しないのが少しもどかしかったが、終盤は一気に読んでしまった。
ラストは彼らの行動が大きな力となっていくのが感じられ、
まだまだ前途多難ではあろうけれど、希望の持てる晴れやかな気持ちで読了できたのがとてもよかった。

◎「死んだ山田と教室」金子玲介
死んだ山田がスピーカーに憑依?という突拍子もない設定に惹かれて読んだ。
どこか引っかかりを感じながらも男子校のわちゃわちゃ感に青春だなぁと油断してたら、
時と共に残酷な方へ。終盤はぐっと引き込まれ巻き込まれやられました。
和久津くん大丈夫かな…。

☆「死にゆく者の祈り」中山七里
教誨師という馴染みのないお仕事。まず導入が衝撃。
今後死にゆく者と一体どんな風に対峙し見届けるのかと思ったら、事態は思わぬ方向へ。
ミステリー要素はもちろんそれぞれの信念、葛藤、執念が伝わってきて、
終盤はページを繰る手が止まらず。ラストはほろっと。
但し私が期待していた方向とは違った展開だったので、死にゆく者との真っ向勝負も見てみたい。

読書メモ(2024.8)

2025-01-27 14:28:01 | 読書メモ
☆「イラストで思わずわかる日本近現代史」水野大樹
教科としての社会が苦手。新聞もあまり読まない。大河ドラマも完走できたのは3本くらい。
でも最近経済や政治に興味を持ち始め、ニュースを気がけて見たりしてたら、
そもそも私ってものを知らな過ぎじゃない?と気付くアラ還。
で、図書館で借りてきたのがこの本。
ところが初っ端から歴史アレルギーが!
実はこの本、明治から令和まで毎年起こった出来事が見開き2ページに書いてあるんだが、
明治元年で早速拒絶反応。早過ぎ。
ということで、身近な令和4年からスタートしてみたら、
実際ニュースで見たり自分が体験したりしたことなので、すんなり入って来る。
そして少しずつ遡って行き興味深く読んでいたが、やはり時代が前後しちゃうのでちょいとややこしい。
そこで一旦小泉総理あたりまで読んで、今度は平成元年から年代順に読み進めることに。
大学卒業し就職した年でもあり、なんとなくキリが良いし。
しかし読むのに思いの外時間がかかる。
というのもニホンゴムズカシイ。ていうか専門用語。やっぱ勉強大事だな。
でも、あーそんな人いたなとか連日ニュースでやってたなとか
おぼろげな記憶を引っ張り出し、
わからないことはネットで調べたりしながら読み進めていて、
今の所順調だが、この調子で明治まで行き着けるかが問題。

◎「戸村飯店青春100連発」瀬尾まいこ
明るめの作品が読みたくて手に取ったのが久々の瀬尾作品。
姉妹育ちの私からすると男同士ってこんな感じ?近くにいながらその距離感は何?
お兄ちゃん切な過ぎるやろ!弟くんわかって!みたいな。
でも全部はわかりあえなくても、いざとなったら兄弟だし親子。

☆「国道沿いでだいじょうぶ100回」岸田奈美
ドラマがおもしろ過ぎて、岸田さんの本も読んでみた。
やっぱりさすがだな。
おもしろいなあとクスクスしてたら、泣けるし、痛いとこつかれるし、
楽しいし、反省することしきりだし、あっという間に読めてお腹いっぱい。
私ももう少しマシに生きたいなあ。

◎「こちら横浜ボートシティ不動産」右手盛賢富
相続に関するお話でややこしかったりもするけど、法的な話もあって勉強にはなる。
けど相続する額が桁違いで私にはあまり参考にはならなかったかな。
でもそれだけでなくそれぞれの思いも大切にしているのが印象的。
続編あれば認知症の場合も知りたい。

◎「変な家」雨穴
間取りを見ただけで推理する栗原さん。
いやいや具体的過ぎるやろ、荒唐無稽過ぎるやろ、これ当たってたら栗原さんこそが恐ろしい!
ということで私は、実際は違いました!っていうその上を行く展開を期待していたけれど、
推理大当たりで、しかも更に荒唐無稽なエピソード連発にちょっと引いてしまった。
そもそも最初この家を購入しようとした人、あの間取り見て変だと思わなかったんかい!
会話形式で余計な描写がないので、誰にも感情移入せず、サクサク読めるので、
謎解き読み物としてはおもしろいかな。
実験的というかアイデアありきというか、妄想がいい感じに爆発してるように見えておもしろいが、
続編読むかと言われたらうーむ。

〇「編集ガール」五十嵐貴久
読み始めて何か違和感あるなと思ったら10年以上前の作品だった。
4分の3くらいまで、5人の主要人物にこれといった動きや成長、見せ場もなく
どうしたもんかと思っていたら編集長がやっと動いてくれたよ!
性格が私に似ている分、頑張りが認められたのは嬉しかったけど遅っ!
それぞれの登場人物にもっと見せ場があったらなあと。もったいない。
結局誰にも愛着が湧かなくて残念。
特に彼氏には何の魅力も感じなかった。最後の選択が意外過ぎて先行きが不安。
雑誌を一から作る過程や大変さを知れたのはよかったかな。


読書メモ(2024.7)

2025-01-27 13:49:03 | 読書メモ
◎「悪い夏」染井為人 audible
「正体」「正義の申し子」の次に聞いてみた。とにかく染井さんの振り幅すごい。
ミステリー?社会派小説ぽい感じかな?と思っていたら、とにかく陰惨な方にしか話が進まず辛い。
でも最後は何か希望や救いがあるはずと信じて読み進めたが、ラストはひたすら暴力、破滅。
生活保護に対する問題提起とかいう次元ではなく、ただただ呆然。
この中では一番まともだと思っていた守の狂わされ具合が半端なくて、理不尽過ぎやしないかと。
だからこそ怖いのかもしれないけど。
そして美空ちゃんがまだ絵は描いてるみたいなので、それだけが救い。

☆「幻夏」太田愛 audible
聞き始めて「犯罪者」の3人が出ていることを知り、得した気分に。
今回は相馬の思い出が発端。
まあいろいろあるけど、国民の人権や生活を守るべき人達が都合の良過ぎる選択で、
ある人間の人生を狂わせ、それでも普通に生きてるのが腹立たしい。
そして、巻き込まれた側は思わぬ選択をせざるを得なくなり、
もがき自滅していく様が痛ましくやるせない。
それにしても二転三転する展開は息つく暇もなく、また驚かされる。
「天上の葦」は本を借りて来たので、今度は耳ではなく目で楽しもう。

◎「書店員は見た!」森田めぐみ
まさに本屋さんで起こる小さなドラマ。
お客さんと距離が近く、運命的な巡り合わせもあったり、本当に?って思っちゃうほど。
やはり作者の人柄に寄る所が大きいんだろうなあ。
ノンストレスでサクサク読めてあったかい気持ちになれて読みたい本がどんどん増えてしまう本!

◎「何者」浅井リョウ audile
浅井リョウ作品はお初。
勝手に気をてらった感じの作風をイメージしていたので、意外と普通なんだなーと最初は。
若い頃ぬるっと過ごしてた私は、 SNSやらインターンやらグルディスやら今時の事情に
この時代じゃなくてよかったーと胸を撫で下ろす。でも一方、変わらないものもあるわけで。
立場によって物の見え方も感じ方も違うし、独りよがりだったり思い込みだったり虚勢もある。
それが思わぬ形で露わになったのにびっくり(私も同罪)
でも何もそこまで詰めんでもーと思ったが。まだ成長途中だもの。
でも最後主人公が不器用ながらも踏み出せたようでよかった。

☆「天上の葦」太田愛
太田愛作品はいくつもの山を超えて行く感じで、
どんだけ彷徨ったら目的地に辿り着けるんかという過酷さがいいんだけど、
今回はそもそもの目的がわかりづらく多少とまどったところも。
戦争の悲惨さ恐ろしさは今までも見聞きしてきたけど、また意外な面からつきつけられてぞっとした。
しかもそれは過去で終わりではなく、今もその危険性に晒されているんだろうなと思うと怖くなる。
今回は槍水の過去も明らかになり、このメンツのお話はひとまず終わりなのかな。また会いたいな。

◎「こころ」夏目漱石 audible
何十年ぶりかに触れてみた漱石の世界。
正直いろいろつっこみたい所もあった。
でも、言葉に言い表せないもやっとした感じや人間の弱さ、ずるさ、不可解さが
自分にも心当たりがあるようで、そんなことあるんかいとは簡単には突き放せない感じ。
なんとも不思議な魅力。

◎「本心」平野啓一郎
設定を読んでSFっぽいのはあんまりなあ、でも平野啓一郎さんだしということで読んでみたら、
あっという間に読了。
あまり未来に希望が持てない現代、小説とはいえ今との地続き感がリアルでちょっと落ち込んだけど。
しかも悩みや苦悩はいつの時代も変わらず。
死者との向き合い方、その後の生き方、他者との距離感など身につまされる部分もあったけれど、
私自身まだ身近な人を亡くしたことがないせいかなかなか実感できず。
いやあえて自分事として捉えるのを避けているのかもしれないな。
いつかまた読み返したら、違う風に感じるのかも。