旅がらすな日々

上州にふるさとを見つけ10年余。世界を走り回りたいけど他にもやりたいこといろいろ。ラン日記のはずが走らない言い訳日記

7月29日 雨の北岳、修行の足りなさを痛感

2013-08-02 10:03:33 | 山、トレイル
nisekoさんのnise予報をうのみにしてしまった。自分で天気予報をチェックすることが当然なのに。そして、空を見て少しは予想できるようになれると良いのだが。
28日、仙丈ケ岳から下り、臨時バスで広河原、乗り合いタクシーでお昼には芦安に戻って、午後ヒマ~。ということが下りながらわかったので、懸案のあれ、やるのは今でしょ!と家から遠い奈良田に移動。

マイカー規制の南アルプス林道は、今なら路線バスで広河原~奈良田が移動できる。だから、ピストンせず縦走ができる。
 晴天を信じて、荷物を最小限、靴も履きなれたトレランシューズで、早朝のバスに乗り奈良田から広河原へまた戻ってきた。広河原、。モチベーション稜線は寒くてとてもムリだろう。このまま引き返してどこかで遊ぼうかな。それもバス代が悔しいから、まあ、北岳往復で、と6:25雨具上だけつけて出発。



本降り。この時点ではまだ暑く、汗ダーダー
大樺沢を木の橋や足場で渡り返しながら登って行くと大きな雪渓が見えてきた。

寒い~。汗が冷える。雪渓の横を登り、7:40二俣。右俣を肩の小屋に向かって登る。寒いから山頂はよそう。肩の小屋で折り返しだ、と決めた。

こんな天気で月曜なのに、人が多い。8:30ごろ、10人ぐらいが休憩して道をふさいでるなと思ったら「どこまで行きますか?」と聞かれた。「肩の小屋で折り返すつもりです」と答えたら、「骨折して動けない人がいます。肩の小屋に知らせて救助を頼んでほしい」と言われた。その人は意識ははっきりしてるし、ぶっ倒れてもいないけど、何かによりかかって立っていて、動けないんです、よろしく、と。そこには2~3グループ集ってたので、同じグループは誰かなと思ったら単独行。人の多い日じゃなかったら、命に関わることになってた。その人はちゃんと大荷物(山で普通の荷物)で、着るものも充分みたいだからまだ助かるけど・・・もし私の装備だったら・・・
そろそろペースダウンしそうなところだったが、それでは急いで知らせに行きます、とペース維持して頑張る。まもなく御池小屋分岐。稜線に出たら寒風ふきすさび、寒い寒い。低体温でぶっ倒れないように、体が温まるように頑張って早歩き。9:05、小屋に着いた。普通のタイムの半分だから、まあ人様の御役にたてたかも。人ごみで中に入れない。が救助要請だから割り込んでずんずん入り、小屋の人に伝えた。立ち止まったトタン、ガタガタ震えが来てまともに口もきけない。熱いココアを出してくれた。宿泊者用のコーナーに入り込んでありったけの衣類を着込んだ。小屋では、警察の救助隊や、隣の御池小屋に連絡をとり、助っ人の手配。救援道具をザックに詰めて救急者1台出発。
正確な位置やけが人の特徴を聞かれたので、私もここまでで下り、その現場に行きますと。「ぼくたち走って行きますから」と言われ、では一足お先に、私も走って・・・9:35出発。が、尾根上は岩場とかもあって、登りは必死だったけどとても走れない。寒けが収まらず足がしびれて感覚がおかしい。靴が脱げかけた。手がかじかみ履きなおして紐結ぶのに苦労する。そこへ2台目の救急シャが走り去った。岩場をビビリ足で下っていると、3台目の救急シャが走って行った。すげー、かっこいいよ。なんていってる場合じゃない。彼ら真剣。
現場までやっと下ると足をテーピングなどで固定し、救助真っ最中。といっても街中で救急車が来るのと違い、人力でおろすしかない。大変だなあ。あの人の荷物もどうするんだろう。
二俣近くまで降りたら、そこにもけが人がいて救助の人が来ていた。
天気が悪いせいか、けが人が多いな。
11:45、広河原に戻り、次のバスまで2時間以上、インフォメーションセンターで待っていたら、そこのスタッフ(県警救助隊らしい)がさっきの人のことで連絡取り合っていたし、また別件か?出動して行った。
山の雨は怖い。もうちょっとで低体温でぶったおれそうだったし、危なそうなところは気をつけるけど、なんでもないところで滑って転んであちこちぶつけた。一歩間違えば私も救助要請だ。街なら119すればつながるけど、そして救急車がくるまで10分かかると遅いとイライラするけど、いつ来るかわからない誰かを待ち、連絡を頼み、頼まれた人が小屋に行かないと始まらない。それからも、人力で現場に行き、人力でおろさないとならない。病院に搬送まで何人の人手をかけ、何時間かかるんだろう。
装備、衣類の調整の判断(はじめから着込むと汗で濡れて、それが冷えるし、あとで着るには、雨風しのげる場所があるか、手がかじかんで動作がうまくできないことも。低体温の予防はどうすればいいのだろう)岩の上の歩き方(慎重に下るのとビビリ足は全然違う。ビビリ足だとかえってバランス崩したり滑ったりしやすい)
ほかにもいろいろ考えることの多い山行となった。
衣類が全部濡れてしまったので、インフォメーションセンターの室内にいても寒い。やっとバスの時間になり、1時間近く乗ってやっと奈良田に戻れた。





奈良田の里で暖まり、乾いた服に着替え、やれやれ・・・