ギボアイコも怖れた遠野の幽霊屋敷
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ギボアイコも怖れた遠野の幽霊屋敷
岩手
「この屋敷は危険よ、これ以上近づいてはいけない」
歩みを止めたキボアイコは、強くスタッフに要請した。
「……」
燦々と木漏れ日が揺れる山中で、全員の動きが一瞬にして固まる。
目の前には時間の流れが止まったような古い家屋が見えている。
某人気番組の収録で、遠野を訪れていた彼女は、この屋敷に憑依している凶悪な霊体を感
知し、険しい表情で撮影の中止をうながしたのだ。
スタッフ一同、心なしか顔色が青白くみえる。
「…ギボさんがそこまで言うなら… 他の場所を探しますか」
スタッフは、競演の竹中直人に詳細を説明し、理解を促した。
勿論、これに異議をとなえるものはいない。
当初、ギボアイコと竹中直人が遠野の(霊的に)やばい場所を訪問する企画だった。
現場に到着し、カメラを抱えたスタッフが撮影に入ろうとした時、ギボアイコが只ならぬ
霊気を感じたというわけだ。
結局、撮影場所は遠野の伝統家屋である「千葉家の曲がり家」に変更され、内容も竹中直
人がザシキワラシにあう為、旧家に宿泊するという内容に変更された。
当時、番組スタッフに、この場所を紹介したのは、遠野の駅前にある民宿・御伽屋のオー
ナー佐々木氏だった。
「あそこは、遠野でも有数の心霊スポットですよ」
彼が遠野の不思議スポットをいくつか情報提供したのである。
本人もこの幽霊屋敷を探検しているし、屋敷に関する奇妙な噂をいくつか聞いている。
例えばこんな話があった。
かつて、付近で工事を行っていた職人たちが、この屋敷に泊まった事があった。
危険な場所だとは聞いていたが、山中の為、他に泊まるれる場所もなく、仕方なく飯場に
利用した。
「幽霊なんぞ、いるもんか!酒呑んで、寝ちまえよ」
「そうですね。社長!」
社長は、若い衆にそう言いながら、酒をかっくらった。
若い者も全然気にしてない。
昼間の疲れもあってか、酒量もどんどん増えていく。
全員が酩酊する中、一人、社長だけ奇妙な足音を聞いていた。
「バタバタバタバタ」
何者かが廊下を走っていく。
振り返っても誰もいない。
(おかしいな、誰かいるのか)
疑問に思ったものの、他の連中は気にしていない。
だが、社長の耳にはその足音がこびりついて離れない。
(気持ち悪いな、仕方ねえや寝るか)
若い衆に寝るように社長が言い、全員がごろりと横になった。
一同が静まり舞えると、足音が鮮明になった。
(やっぱり、聞こえる)
社長は確信した。
他の連中も、一人づつ酔いが覚めていく。
(あの足音はなんだ)
(あれはなんだ)
全員がそんな疑念に支配された時、今度は更なる脅迫が襲った。
目に見えない何者かによって、
一人づつ首を絞められたのだ。
「うわー、なんだ!」
見えない手が ぐーっと首を絞めていく。
確かに人の手が首を絞めた。
「うわーっ」
得も知れぬ恐怖感からか、屈強な男たちが全員、屋敷を飛び出してしまったという。
佐々木氏は知人でもある屋敷の所有者に、この怪現象の原因を聞いた事がある。
この知人が住んでいた頃から、同所では奇妙な出来事が多かった。
俗に言うポルターガイスト現象が頻発したのだ。
困り果てた結果、霊能者に見て貰ったのだが、
「かつてこの屋敷の敷地で亡くなった山伏の祟りにより、怪現象が起きておる。ある高僧
を呼べば調伏できると思う」
と言われた。
「しかし、その高僧でも確実に調伏できるかどうか不明なのに、呼ぶ意味があるのだろう
か、それなら、いっそこの不便な山中の屋敷を放棄してはどうだろうか」
と家族で結論し、この屋敷を出てしまったのだという。
それから、何年も経った、今も屋敷は山中にある。
――足音の主は、今もそこにいるのだろうか。
遠野関連、写真など
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岩手
「この屋敷は危険よ、これ以上近づいてはいけない」
歩みを止めたキボアイコは、強くスタッフに要請した。
「……」
燦々と木漏れ日が揺れる山中で、全員の動きが一瞬にして固まる。
目の前には時間の流れが止まったような古い家屋が見えている。
某人気番組の収録で、遠野を訪れていた彼女は、この屋敷に憑依している凶悪な霊体を感
知し、険しい表情で撮影の中止をうながしたのだ。
スタッフ一同、心なしか顔色が青白くみえる。
「…ギボさんがそこまで言うなら… 他の場所を探しますか」
スタッフは、競演の竹中直人に詳細を説明し、理解を促した。
勿論、これに異議をとなえるものはいない。
当初、ギボアイコと竹中直人が遠野の(霊的に)やばい場所を訪問する企画だった。
現場に到着し、カメラを抱えたスタッフが撮影に入ろうとした時、ギボアイコが只ならぬ
霊気を感じたというわけだ。
結局、撮影場所は遠野の伝統家屋である「千葉家の曲がり家」に変更され、内容も竹中直
人がザシキワラシにあう為、旧家に宿泊するという内容に変更された。
当時、番組スタッフに、この場所を紹介したのは、遠野の駅前にある民宿・御伽屋のオー
ナー佐々木氏だった。
「あそこは、遠野でも有数の心霊スポットですよ」
彼が遠野の不思議スポットをいくつか情報提供したのである。
本人もこの幽霊屋敷を探検しているし、屋敷に関する奇妙な噂をいくつか聞いている。
例えばこんな話があった。
かつて、付近で工事を行っていた職人たちが、この屋敷に泊まった事があった。
危険な場所だとは聞いていたが、山中の為、他に泊まるれる場所もなく、仕方なく飯場に
利用した。
「幽霊なんぞ、いるもんか!酒呑んで、寝ちまえよ」
「そうですね。社長!」
社長は、若い衆にそう言いながら、酒をかっくらった。
若い者も全然気にしてない。
昼間の疲れもあってか、酒量もどんどん増えていく。
全員が酩酊する中、一人、社長だけ奇妙な足音を聞いていた。
「バタバタバタバタ」
何者かが廊下を走っていく。
振り返っても誰もいない。
(おかしいな、誰かいるのか)
疑問に思ったものの、他の連中は気にしていない。
だが、社長の耳にはその足音がこびりついて離れない。
(気持ち悪いな、仕方ねえや寝るか)
若い衆に寝るように社長が言い、全員がごろりと横になった。
一同が静まり舞えると、足音が鮮明になった。
(やっぱり、聞こえる)
社長は確信した。
他の連中も、一人づつ酔いが覚めていく。
(あの足音はなんだ)
(あれはなんだ)
全員がそんな疑念に支配された時、今度は更なる脅迫が襲った。
目に見えない何者かによって、
一人づつ首を絞められたのだ。
「うわー、なんだ!」
見えない手が ぐーっと首を絞めていく。
確かに人の手が首を絞めた。
「うわーっ」
得も知れぬ恐怖感からか、屈強な男たちが全員、屋敷を飛び出してしまったという。
佐々木氏は知人でもある屋敷の所有者に、この怪現象の原因を聞いた事がある。
この知人が住んでいた頃から、同所では奇妙な出来事が多かった。
俗に言うポルターガイスト現象が頻発したのだ。
困り果てた結果、霊能者に見て貰ったのだが、
「かつてこの屋敷の敷地で亡くなった山伏の祟りにより、怪現象が起きておる。ある高僧
を呼べば調伏できると思う」
と言われた。
「しかし、その高僧でも確実に調伏できるかどうか不明なのに、呼ぶ意味があるのだろう
か、それなら、いっそこの不便な山中の屋敷を放棄してはどうだろうか」
と家族で結論し、この屋敷を出てしまったのだという。
それから、何年も経った、今も屋敷は山中にある。
――足音の主は、今もそこにいるのだろうか。
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