中国の嫦娥1号の月面写真は本物？という。中国版・月にいったか、どうか論

中国の嫦娥1号の月面写真は本物？という。中国版・月にいったか、どうか論

　中国政府の宇宙開発に対する疑惑は、他にもある。２００７年に日本の月周回衛星「かぐや」と同時期に発射された中国の嫦娥1号が撮影したという写真が、これまた怪しい？のである。

　この嫦娥1号は、2007年10月24日に、四川省にある西昌衛星発射センターから発射され、月の上空約200キロメートルを約1年間にわたって周回する予定だったが、11月12日、嫦娥一号からの交信が45分間にわたり中断されたのだ。その後、回復したといわれたが、一説には交信不能のままとも、機体自体が行方不明とも言われている。勿論、中国政府はこの噂を黙殺。

　更に11月26日、中国国家航天局は「嫦娥1号」が撮影した月面の画像を公表した。この写真のさらに疑念を深める事になった。写真は、幅280km、長さ460kmの月面をとらえているのだが、解像度は1ピクセルあたり120mであり、あまりにもお粗末な解像度だったのだ。

　因みに日本のかぐやの場合、解像度は1ピクセルあたり1Omである。この嫦娥1号の解像度の粗い月面写真が、様々な噂（都市伝説）を生んでいる。グーグル・ムーンから拝借した写真だとか、NASAの「NASA World Wind」に似た写真があるとか。

　この噂に対し、12月3日、中国の学者欧陽自遠氏は「嫦娥１号の画像は偽物ではない」と反論した。その根拠として、アメリカの写真にない05年から07年までの間に、小惑星が衝突して出来た新しいクレーターが写りこんでいると主張した。だが、この主張にもアラがあって、ひとつのクレーターが写真を張り合わせる時、ふたつに分割されてしまったというのが真相ではないかと言われている。

　この陰謀論は、反中国という政治スタンスと合わせて考えると大変興味深い現象である。筆者はなぜこういう陰謀論、都市伝説が起こったのかという背景に興味がある。



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