陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「モモ」

2010-01-10 | 映画──ファンタジー・コメディ
子どもの頃、あまり児童文学なんぞ読まなかったせいか、ミヒャエル・エンデの作品なんぞもついぞ知らずに育ってしまいました。で、なんの気の迷いか、たまにはファンタジーな映画も観てみようかと思い手にしたのが、1987年の映画「モモ」
ちなみに内容を知るまでは、男の子が主人公の活劇だと思ってました(汗)

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とある村に住み着いたモモは、ふしぎな魅力で人びとを優しい気持ちにさせてくれる女の子。村の誰もが彼女を慕ってやってくる。
しかし、時間泥棒たちが現れて、ゆったりと過ごす村人たちの時間を奪っていった。利権主義であくせくと働きはじめる大人たちは、こころの余裕を失っていく。

時間を司る老人マイスター・ホラに出会ったモモは、時間を奪われ愛情をうしなった村の人びとを救うために、時間泥棒たちに戦いを挑みはじめる。

時間の大切さ、生きることの喜び、人間らしい優しさを描く感動作とあるのですが、この物語のよさがわかりませんでした。現代社会を揶揄したものと受け取れますが、時間に追われて働く大人はふつうの姿ですし、どこがいけないの?って思ってしまう。
そして、主人公が妙にハーレム状態で好かれるという設定も。ゆとり思想の代弁みたいでいやだなぁと。一分一秒を惜しむように生きて、なにが悪いのかと。だって人生なんてほんとに短いんですから。
こんな意見でファンタジーを純粋に楽しめない大人になった私は、いやな大人なんだろうなぁとしみじみ自覚してしまうのでした(苦笑)

たぶん、原作はすばらしいのでしょうが、映画の演出があまりおもしろくなかったせいで、引き込まれなかったせいでしょう。開始三〇分ぐらいで退屈してしまいました。

(〇九年八月二十六日)

モモ(1987) - goo 映画


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はじめまして ()
2010-02-08 01:36:09
個人のブログは持っていませんのでURLはmixiのものです。アカウントを持っていなかったらすみません。

モモの原作が好きで映画版も見てみようと思い、検索していたらたどり着きました。

他のサイトのレビューでも演出や原作との相違などの批判があったので、映画版だけ見てもあまり魅力を感じないというのは仕方がないと思います。

時間の大切さという表現をしてしまうとそれこそ一分一秒を惜しむということが良しとされてしまうように感じられますが、おそらくエンデが言いたいことは、時間というものはほかの何か(お金や数字や物など)に取って代えられるものではないということだと思います。

たとえば、もし仮に私の現在の年齢が30歳で寿命が60歳だとします。そして私がこれまでの人生を振り返ってあっという間に過ぎてしまったと思ったとしたら、同様に残りの30年の人生もあっという間に過ぎてしまうと感じて絶望するかもしれません。
しかし、時間というものはそのように一定に流れるものではないし、誰しもが同様に感じるものでもないのです。これまでの30年という時間とこれからの30年という時間が同じ長さであるはずがないのです。だから節約した時間を計って貯蓄しておくこともできるはずがない。なぜなら節約したと思っている時間が自分が実際にすごした時間と同様に流れているという保障がないからです。

一分一秒を惜しむことが悪いというのではなく、それによって他の人より得をできるということが錯覚に過ぎないと言いたいのだと思うのです。

突然の長文コメントお許しください。
ぜひ機会があれば原作も読んでみてください。
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原作をまだ未読 (万葉樹)
2010-02-09 20:50:03
原作をまだ未読ですので、映画が伝えたかったことの消化不良はあるかと思います。
原作そのものを否定するつもりはありません。

ただ時間のとらえ方って、人それぞれで一概に言えない。明日なんて来ないかも、なんて思って過ごしている人は、自分がいかに一日を有意義を過ごすかを望むはず。
子どもの頃と違って、大人になるとお金で買わないと時間がとれないこともあります。この「時間」というのは、時計の針が進む量的な時間のことではない。

「オズの魔法使」のように、子どもの視点から大人社会の矛盾をつきつつも、冒険を経て子どもらしい無理解からすこしだけ成長するというファンタジーなら、なんとなく心に響くものですが。現代人の慌ただしい生き方を、暗に非難されているような気持ちになります。

身も蓋もない言い方をすれば。
主人公のモモがいぎたない女の子すぎて、説得力がなかった。
敵さんのアジトの設計がおそまつすぎて、これでは舞台劇のほうが良かったのではと思えました。


今度はもっといいレヴューに会えるといいですね。
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