陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「ムトゥ 踊るマハラジャ」

2010-02-11 | 映画──ファンタジー・コメディ
1995年の映画「ムトゥ 踊るマハラジャ」は、二度目の鑑賞になりますが、やはりおもしろいですね。
筋書き自体はよくある話で、途中退屈な部分もありますが、楽しいミュージカルパートのおかげで二時間超の大作が長くは思えません。

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南インドの大地主に仕える召使いのムトゥは、陽気で腕っぷしも強く、お邸中の人気者。旦那様のラージャーやその母からの信頼も厚い。
ひょんなことから旅回りの美しい女優ランガを邸に住まわせることになり、ムトゥと恋仲に。だが、従姉に結婚を迫られている旦那様は、じつはランガにひと目惚れしていた。この恋の三角関係にくわえ、邸を乗っ取ろうとする旦那様の大叔父の陰謀、ランガを追いかけてきた義兄との対決を経て、ムトゥの驚くべき秘密が明らかになってしまう。
最後はそれぞれのカップルが落ち着くところにおさまるのですが、この奔放な男ムトゥの存在感がなんといっても一番際立っていますね。ランガとの恋話よりも、むしろ、数あるドタバタのアクションシーンや台詞の掛け合いが絶妙。そして、カラーヴァリエーション豊富な、ムトゥとランガの恋を歌いあうダンスシーンも必見。

最後に立場が変わっても、忠誠心と絆はいっこうに変わらないムトゥと旦那様の関係がほほえましいですね。
こういう主従愛を描いたものは大好きです。
そして、ムトゥとランガは、最初はお互いいがみ合っている仲で逃避行中に、ランガの嘘によってムトゥが災難に遭ったりと、なかなかラブコメちっくで笑えます。

主演は、二役を演じた、インドの国民的俳優ラジニーカーント。
クレジットが「スパースター・ラジニーカーント」表記されているのが、笑えますね。

監督はケー・エス・ラヴィクマール。

気分が落ちこんだときは、こういうバカバカしい映画を観るのがいちばん。
といっても、ダンスシーンはもはや芸術の域です。

ムトゥ 踊るマハラジャ(1995) - goo 映画

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4 Comments

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Unknown (インド映画大好き)
2010-02-11 15:06:09
「インドの国民的俳優ラジニーカーント。。」は全く違うようですよ。10年前でも今でもインド主流映画で最も視聴されるヒンディ語による映画(ボリウッド)の制作されるムンバイやほかのインド地域出身のインド人のお知り合いと話をしていると誰もムトウーの存在さえ知らなく、ネット検索してもらったら、インド南端にあるTamilnadu州の言語のタミル語映画の俳優ラジニーカーントのことですね!という感想ばかりでした。また、この映画は日本では変わっているということからヒットしたが、インドではB級映画扱いらしいです。ある意味地方言語で制作された映画でもあったらしい。主流のヒンディ語(ボリウッド映画)はこの10年間いかにも作り方とストーリーが進化していて、見事なできになっている映画が増えているようですよ。つまり、センスが非常によくなっていて、ホリウッド映画を見るのと同じ気持ちで観てしまっても楽しいです。
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Unknown (インド映画大好き)
2010-02-11 15:07:09
私の先コメントしたコメントが載っていないようですね。ポジティブなコメントしか歓迎されないのかな。
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庶民的俳優というべきか (万葉樹)
2010-02-11 19:50:01
調べてみたらインド映画業界は、地域によって特色があるんですね(驚)
日本の焼き物の産地みたい。参考になりました。

「スーパスター・ラジニーカーント」は、いわゆる「スターにしきのあきら」みたいな呼称なんでしょうか(笑)

身分制度の名残りなんかもあって、貧困層からの支持が高い俳優は、インドのセレブからは敬遠されているのかな、とも思ったりしました。
「ムトゥ」は日本人が抱くステレオタイプなインド人像と愉快なダンスが相まって人気を得たような気がします。進化するのはいいけど、へたに欧米に追従した作風はかえって海外では評価されにくいのでは、という懸念もあります。
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Unknown (インド映画大好き)
2010-02-11 22:16:13
「進化するのはいいけど、へたに欧米に追従した作風はかえって海外では評価されにくいのでは。。」に関しては、そうですね、そうなっていけば特徴が面白くなくなるでしょうね。ただし、そこがインド人、インド文化の特徴と言うか、インド映画の特徴というかですが、この2年間拘ってみてきたインド映画はセンスがよくなってきたといえるのがまずは技術的な進展、優秀なカメラワーク、昔のような編集ではなくNon-Linearのデジタル編集で切のいい味カットのところ、余計なメロドラマがなくなったところだと思います。ストーリー性、脚本ではインド文化の中でインド人らしさを失わない範囲でやってきているのが脱帽だと思いました。アメリカが世界市場のことを意識せずにアメリカ国内向けにアメリカらしい場面を持つまま製作し続けてきたのが、アメリカ外の人が見てもユニバーサルなアピール感を持たれるということからヒットしているように、インド映画はインド映画とインド人キャラクターの基本的な要素を失わないで頑張ってきているのが印象的だと思います。最近の映画で以前書いたWakeUp SidやRocket SInghもそうですが、現在の都市部のインドが舞台でいわゆるかっこい面が多数ありますが、キャラクター的にはとてもリアルで、インド人から聞いても場面も人物の描き方もとてもリアルで、今の現実に近い、という感想が多いです。去年のFashionという映画もそうでした。今どきそこまでシンプルなストーリでも2時間楽しめる脚本のある優秀内容がアメリカ映画とインド映画ぐらいではないかな。と、生の率直な意見です。
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