映画「盗られてたまるか」

2002年の韓国映画「盗られてたまるか」は、凄腕の怪盗とだめ亭主との攻防を描く痛快コメディアクション。1994年に公開、武田鉄矢・明石家さんま主演の日本映画「とられてたまるか？！」のリメイクです。

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国内最高のプログラマー、チェ・ガンジョ。
知られざるその夜の顔は、再新鋭のハイテク装備を駆使して盗み出すエリート怪盗だった。彼が目をつけたのは、金持ちの娘の家に婿入りした小心者の公務員コ・サンテ。郊外に一軒ぽつんと存在しているサンテの大邸宅、ガンジョでなくともあっさり忍び込めそうなセキュリティの甘さ。

翌朝、冷蔵庫の中身に異変があり、へそくりが減り、TVのリモコンまで消えていたガンジョ一家は泥棒に気づきます。味覚ド音痴の奥さんの創作料理にハマってしまったチェは毎晩コ家を訪れます。

冴えない中間管理職サラリーマンの上司と部下とか、パートナーが殺人料理をふるまうとか、日本のコメディドラマにもありがちなネタ。反抗期の娘と生意気な息子は父に冷たい。一家の大黒柱なのに家族に蔑ろにされているお父さん、なんとも憐れみを誘います。

鍵をつけかえ、番犬を飼うなど自衛に走るサンテですが、いざ泥棒と対面しても戦うことができない。空手を学び、かつ、みずからも家に侵入して泥棒の心理を探ろうとしてみたり。サンテの奮闘ぶりがなんとも微笑ましいかぎりですね。やがて泥棒退治のために一家は協力しあい大がかりな罠を張り巡らします。

いっぽう、サンテと怪盗ガンジェも奇妙な友情をあたためていくことに。
最後の正面対決で勝つのは果たして…。

原作は斉藤ひろしの小説。
出演はソ・ジソプ、パク・サンミョン。

前半部のコメディパートはかったるいのですが、怪盗の活躍シーンは本格的なワイヤーアクションを用いなんとも洗練された仕上がりとなっています。ただアクションとしてはめぼしい勝敗のハラハラドキドキはないので、アクションドラマというより、危機を境にして父性を復権し、家族が絆を深めるホームドラマといえますねよね。

ちなみに実際に日本で起きた事件が元になっているそうな。
儒教文化の根強い韓国だったら、ちょっとした盗み癖でも許されず懲罰されていそうな気がするんですよね。

（2011年６月24日）

盗られてたまるか - goo 映画