陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「武器よさらば」

2012-02-13 | 映画──社会派・青春・恋愛
文豪アーネスト・ヘミングウェイのよく知られた歴史ロマンを映画化したのが、1957年の名作「武器よさらば」
第一次世界戦中に巡り会った米国人将校と英国人看護婦の悲恋を通した、一種の反戦映画でもあります。

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第一次大戦中、オーストリアとの境に接するイタリア軍の駐屯地。
アメリカ人でありながら、イタリア軍の志願兵となったフレデリック・ヘンリー中尉は、イギリス人で赤十字の看護婦キャサリン・バークレーと出逢う。
キャサリンは戦争未亡人。出撃間近い軍人との恋路に迷いを見せつつも、ふたりは相思相愛の仲に。

次にふたりが再会したのは、患者と看護婦としてだった。膝に負傷して病床に担ぎこまれたヘンリーは、キャサリンと甘いひとときを過ごすも、次なる戦場へ送られてしまう。
その前線でイタリア軍は敗北を喫し、味方は遁走。しかも、ヘンリーと上司のリナルディ軍医少佐には反逆罪の汚名を着せられてしまう。リナルディは射殺され、脱走したヘンリーはキャサリンの待つホテルを目指す…。

前半はいささかラブコメタッチで甘い恋愛話なのですが、後半から一転。
とくに敗走するイタリア軍と市民の置かれた苦境が、さりげなく描写してあるあたりは、戦争の悲惨さを思わずにはいられない。

そして、悲劇は武器をとらずに平和な家庭へと逃げこんだはずのふたりまで引き離してしまいます。
戦争がなければけっして巡り会わなかった運命。しかし、悲しいかな、戦争がないところでも人は死ぬ。人を死に至らしめる武器によってではなく、生まれいづる新しい力によって、人の命を救ってきた貞節な女性がいのち奪われてしまう。なんとも悲劇ですね。

主演はロック・ハドソン。
看護婦役には、「慕情」でも戦争で悲恋の女性を演じたジェニファー・ジョーンズ。2009年12月に永眠されました。
リナルディ少佐を演じたヴィットリオ・デ・シーカは、戦争ロマンスの名作「ひまわり」の監督としても有名。

監督はチャールズ・ヴィダー。
なお製作は「風と共に去りぬ」のプロデューサーであり、ジェニファー・ジョーンズの夫デイヴィッド・O・セルズニック。

武器よさらば(1957) - goo 映画

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