陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「NOEL ノエル」

2011-12-23 | 映画──社会派・青春・恋愛
2004年のアメリカ映画「NOEL ノエル」は、クリスマスに観たい映画のひとつ。誰もが幸せに包まれるはずのクリスマス・イブ、祝福の外側にいる人々に起きる奇跡を描いています。群像劇なのですが、それぞれ止むにやまれぬ事情を抱えていて、見ているこちらが幸せになってほしいと願わずにいられない。まさにその視聴者の意を汲んだかのように無理なくハッピーな展開が待っています。

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クリスマス・イブのニューヨークの街は華やいでいました。
誰もが歓喜に湧くその日、不幸な境遇から抜けだせない人々がいました。

やり手の女性編集者ローズは、40歳を過ぎてもバツイチで独身。
ここ十年、アルツハイマーの母の看護に追われています。年下の男性から好意を持たれていても、恋愛にも踏み出せない。彼女が愛に臆病なのは、なんともやるせない事情が。

美貌のニーナは弁護士見習いですが、フィアンセの根深い嫉妬に悩まされてます。
その彼で警察官のマイクは、ニーナがボーイフレンドとふざけあっているだけで感情を爆発させてしまいます。ついに我慢し切れなくなったニーナは家を飛び出し、マイクは、アーティ・ヴェニゼローズと名乗る謎の老人に付きまとわれることに。老人は驚くべき告白をしますが…。やがてこの老人の痛ましい過去が、マイクを目覚めさせることになります。

幼い頃の継父に虐待を受け母にも愛されなかったために、自虐的になっているジュールズ。屈折した感情をいだく彼のこころを解きほぐそうとする女性カウンセラーの言葉がすばらしいですね。

そして、ローズは深夜の岩壁で出会った神父チャーリーの説得によって、自分のための人生を歩み出そうと考えています。途中、落ちこんだニーナを励ましはしたものの、自分を元気づけることができないあたりがいじらしいといいますか。隣の病室の見舞客だったそのチャーリーとは意外な場所で出会っていました。そして母を介して幸運の兆しがみえてきます。

クリスマスを悲しい記憶に彩られてしまったそれぞれの群像劇ではありますが、互いに孤独な人々が気持ちを寄せ合っていく。ファンタジーなんだけれど、わざとらしくもない。聖夜にはそういうマジックがあるのかもしれませんね。

極度に目をひく演出こそないけれど、ほんわりと温かい気持ちにしてくれる物語ですね。奇跡というものは、人が他人に優しさを届けたいと願うときにこそ起こるものだとこの作品は語っているわけです。

出演はスーザン・サランドン、ペネロペ・クルス、ポール・ウォーカーら。チャリー神父があの男優というのがびっくりですね。
監督は「ユージュアル・サスペクツ」に出演した俳優のチャズ・パルミンテリ。

(2011年6月8日)


NOEL(ノエル) - goo 映画

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