1971年のイギリス映画「イワン・デニーソヴィチの一日」は、ロシアの強制収容所送りにされた囚人の一日を描くもの。
ハリウッドの刑務所暮らしの映画よりは、よほどリアリティがありますね。
シベリア強制収容所に送られたイワン・デニーソヴィチの朝。まだ夜も明け切らないうちに、体調が優れないために起床が遅れ、極寒の外での作業に従事させられる。
食事はたいしておいしいはずはなく、量も乏しい。班ごとに組まされて、互いを監視しあっているが、イワンのいる班では連帯感が生まれている。きつい労働を終えたあとで、眠りにつく夜。営倉にも社会センターにも送られなければ、イワンにとっては幸せな一日といえる。こんな日が彼には10年分、3656日も続く…。
とくに劇的なドラマ性はなく、あたかもドキュメンタリーのように淡々と進みます。
イワンはドイツ兵に協力したかどで罰せられただけ。スターリン政権下では、こんなささいなことで逮捕され、労役を強いられた方は大勢いたのでしょう。「シンドラーのリスト」が描く、アウシュビッツ強制収容所のガス室送りよりはまだましかもしれないですが、それでも耐えられるものではないはず。
それでも、希望をうしなわずいつか終わる刑期を信じて、不当な拘束に耐え忍ぶ囚人たちの姿。耐えていこう、と励ましあう。それは現代社会でなにかのしがらみに囚われている生活を送る自分もおなじなのでは、と感じました。すくない食糧を奪い合ったり、暴力に支配されたりもしていないところが、まだ救いがあります。
主演は「ドクトル・ジバゴ」でヒロインの前夫で革命家パーシャを演じたトム・コートネイ。
監督は、キャスパー・リード。
原作は、国外追放処分をうけたロシアの作家アレクサンダー・ソルジェニーツィン。
なお囚人たちの口を借りて、体制に迎合するエイゼンシュタイン監督の代表作「戦艦ポチョムキン」を酷評するシーンがあり、作り手の芸術観がうかがえますね。
イワン・デニーソヴィチの一日(1971) - goo 映画
ハリウッドの刑務所暮らしの映画よりは、よほどリアリティがありますね。
シベリア強制収容所に送られたイワン・デニーソヴィチの朝。まだ夜も明け切らないうちに、体調が優れないために起床が遅れ、極寒の外での作業に従事させられる。
食事はたいしておいしいはずはなく、量も乏しい。班ごとに組まされて、互いを監視しあっているが、イワンのいる班では連帯感が生まれている。きつい労働を終えたあとで、眠りにつく夜。営倉にも社会センターにも送られなければ、イワンにとっては幸せな一日といえる。こんな日が彼には10年分、3656日も続く…。
とくに劇的なドラマ性はなく、あたかもドキュメンタリーのように淡々と進みます。
イワンはドイツ兵に協力したかどで罰せられただけ。スターリン政権下では、こんなささいなことで逮捕され、労役を強いられた方は大勢いたのでしょう。「シンドラーのリスト」が描く、アウシュビッツ強制収容所のガス室送りよりはまだましかもしれないですが、それでも耐えられるものではないはず。
それでも、希望をうしなわずいつか終わる刑期を信じて、不当な拘束に耐え忍ぶ囚人たちの姿。耐えていこう、と励ましあう。それは現代社会でなにかのしがらみに囚われている生活を送る自分もおなじなのでは、と感じました。すくない食糧を奪い合ったり、暴力に支配されたりもしていないところが、まだ救いがあります。
主演は「ドクトル・ジバゴ」でヒロインの前夫で革命家パーシャを演じたトム・コートネイ。
監督は、キャスパー・リード。
原作は、国外追放処分をうけたロシアの作家アレクサンダー・ソルジェニーツィン。
イワン・デニーソヴィチの一日 (新潮文庫) | |
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なお囚人たちの口を借りて、体制に迎合するエイゼンシュタイン監督の代表作「戦艦ポチョムキン」を酷評するシーンがあり、作り手の芸術観がうかがえますね。
イワン・デニーソヴィチの一日(1971) - goo 映画