陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

アニメ「英国一家、日本を食べる」

2015-05-10 | テレビドラマ・アニメ


食をテーマにしたアニメーションは珍しくはありません。
古くは「ミスター味っ子」ですとか「美味しんぼ」がありましたし、少し後だと「中華一番!」だとか「焼きたてジャパン」だとか。漫画が原作だけど、実写ドラマ化されているのもありましたよね。最近ですと、「食戟のソーマ」(主人公の名前を聞いただけで、なぜか笑いがこみ上げてしまう…)なる料理少年が人気作らしいですが。男子厨房に入らず、はもはや古くて、女もすなる料理というものを男もするなりのご時勢です。

さて、今回ご紹介する「英国一家、日本を食べる」は、NHKで放映されている、ちょっと変わったグルメアニメです。どこが珍奇かといいますと、キャラクターたちが料理バトルをしたりするのではなく。実在する英国人ジャーナリスト一家が、訪日し日本料理を食べつくす、そのルポルタージュ(の日本語訳)を原作としたもの。

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絵柄がいかにも欧米風のカートゥーン風。
大学で習った基礎フランス語の教科書の挿絵みたい。日本人がかなりデフォルメされてて、たとえばゴスロリ少女が珍獣扱いだったり、料理界の重鎮がヤクザの親分っぽかったり、極端な戯画はあるのですが、日本人の良さや食の豊かさを伝えてくれるあたりが嬉しい。出てくる料理も、料亭の高級品というのではなくて、身近な意外と穴場のスポットらしい場所での料理だったりします。一般人でもあまり足を運ぶことはないようなマニアックな。しかも、料理はそれなりにおいしそうに描写されてますし。

この番組、十五分ぐらいがアニメーションで、残り五分は街ぶらコーナーになってるのですが、特定の料理店の広告塔になったりもしないで、食に関するうんちくを紹介するようになっています。人情味あふれる下町の雰囲気が出たアーケード街ですとか、幼稚園児の食育に造詣の深い栄養士さんのお仕事ぶりですとか、地味なんだけど、おもしろいですね。

最新放映の第四話は相撲部屋の突撃取材でちゃんこ鍋の紹介。
外国人から見ると、力士ってそう見えるんだ、と思うふしぎな感覚です。観たあとに、かならずお腹が空くことまちがいなし。

「テルマエ・ロマエ」のような異国の文化へのカルチャーショック、もしくは、タイムスリップものによる時代格差を利用しての、現代日本文化の賞賛ものって、わかりやすいテーマなんですけど。最近は円安効果で来日する外国人観光客の方も多いので、日本の良さが理解されるのは嬉しいですね。

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