漫画家アシスタント物語

漫画家アシスタントの馬鹿人生40年と、リタイア後のタイ移住生活。

漫画家アシスタント 古い話で章 その45

2015年03月13日 07時49分11秒 | アシスタント

 ( この写真は、本編に登場する仲田さんが利用する西武池袋線の某駅改札口です。 ここまで自宅から私を迎えに来
  てくれることもあります。 まだ新しい建物で、改札の前は小奇麗なショッピングモールになっています・・・・
  ・・・・《 2015年、3月、撮影 》 )
 
 
  【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】

 
 
                   その45
 
    《 漫画家アシスタントが・・・先生の評価に不満をもつ・・・!? 》
 
 
絵の技術とは難しいもので、呑気に同じ様なレベルの絵を描いていても上手にはならないもので・
・・・・・・難しい絵に挑戦して挫折や習得を繰り返してやっと少しだけ成長するものなのです。

アシスタントもはじめの3ヶ月ほどは、怒られながら辛抱して成長するものですが・・・・・半年
もすると少し慣れてきてダレてしまう事も多いわけです。
 
1年もすると先輩風を吹かしたりして偉そうな態度を見せますが・・・・・・技術的には成長が止
まってしまっている事に本人が気付いていなかったりします。

J先生( ※参照 )は、そんな状態の仲田さん( ※参照 )に忠告をしたのだと思いますが・・・・・・
・・・・
 
 『 成長してねィ~んだよ! 』
 
・・・・・・・という一言はきつかったと思います。
 
その言葉に傷付いてから40年以上になるのに、まだハッキリとその時の事を思い出せるのですから。
 
特に物書きにとって、比較されるのは辛いものです・・・・・・・そんな事は、誰だって一度や二
度、経験するとは思いますが・・・・・・・。

18歳になっていた仲田さんにとって、中学生と比較された事は相当屈辱的だったのではないかと思
われます・・・・・・
 
私は、以前、描いた原稿をS学館の「 ○ックコミック 」の編集員に見てもらった時に、師匠であるJ
先生と比較されて・・・・・・・
 
 「 J先生は素晴らしいのになァ~ 」
 
・・・・・・・なんて言われてうんざりさせられた記憶があります。
 
 
1970年からは、仲田さんと他に二人のスタッフ( ※参照 )の合計3人のアシスタントで忙しく仕事を
していました。
 
仕事中は、先生はまったく喋りませんし、また仕事以外のプライベートな時間でもアシスタントた
ちと仲良くお茶を飲むといった事もなかったのです。
 
黙っていれば、勉強もしない、漫画も描かない・・・・・・・そんな弟子たちに、たまにはハッパ
をかける事もありましたが、厳しい批評ばかりしていたわけではありません。
 
ある日、仲田さんがいない時に先生はスタッフ全員の絵( 仕事で描いた背景画 )をデスクに並べたそ
うです・・・・・・・
 
デスクの前に立つスタッフ最年長の20歳の加川さんと、17歳で最年少のKさん。
 
二人は、先生が原稿を並べて一枚一枚を比べながら語りだすその言葉に緊張します・・・・・・・
 
 「 この絵が一番よく描けている 」
 
J先生がそう言って取り上げた一枚の原稿用紙を、二人は・・・・・・・加川さんとKさんは、「 俺
の絵か! 」と思って覗き込みますが・・・・・・・
 
その原稿は、加川さんのでもKさんの絵でもなく、一番汚れた仲田さんの原稿でした。
 
最年少とはいえ技術的には最も高いレベルだったKさんは、まったく意外( 心外 )だといった表情で
先生を見つめます。
 
二人とも、どうして上手でもなく、手垢だらけの仲田さんの汚い原稿を「 一番よく描けている 」な
んて言ったのだろうと不思議でならないわけです・・・・・・・
 
加川さんもKさんも、ただ・・・・・・・
 
 「 はぁ・・・・・・・ 」
 
とか
 
 「 えぇ・・・・まぁ 」
 
とか、不服そうな生返事を返します・・・・・・・
 
 『 なんで、この汚ね~絵が、一番良い絵なわけ? 』
 
先生は、不服そうな二人にいちいち説明はしませんでした。
 
ただ黙っていました。
 
実は・・・・・・・
 
仲田さんは、一生懸命描いたのですが・・・・・・・片手で描くためにどうしても原稿が汚れてしま
っていたのです。
 
 
 
     「 漫画家アシスタント 古い話で章 その46 」( 3月20日以降公開 ) へつづく・・・・
 

           ★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント古い話で章 その44」へ戻る 】

 
 
 
 
  【 ※参照 】
 ・J先生・・・・・・・・・・・・・・・有名漫画家、1966年、23歳で売れっ子作家に。70年には週刊
  連載6誌という逸話もある。現在は1誌に連載中。2014年現在、71歳。1969年当時は26歳。
 ・仲田さん・・・・・・・・・(仮名)1969年当時、17歳、横浜出身、高校を中退、家出してJプロへ入る。 
  現在は、フリーのアニメクリエーターとして「ポケモン」などの原画を制作している。
 ・二人のスタッフ・・・・一人は19歳でJプロへ入った加川さん、後に独立して連載を持つが短期間
  で連載が打ち切られてから随分と苦労した後にカムバックする。もう一人は、16歳で入った最
  年少のKさん、後にJプロ背景画の大黒柱になる。有名漫画家からもヘッドハンティングされそ
  うになったほどの実力者。
 
 
 
 

 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ お知らせ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 
 ★ このブログ「漫画家アシスタント物語」が書籍化! 
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 ★ 拙作、文庫本『 劇画 蟹工船 覇王の船 』も発売中!
   詳しくは・・・ 《アマゾンのネット通販》
 
 ★ 「漫画家アシスタント物語 4章の31~」に書かせてもらったガンさん
   (ブログ本では『ハアさん』)が描いたソープランドの実録漫画を公開
   中です・・・ 特別寄稿「 親不孝通り 」 第40話お父さん

 ★ 拙ブログのうぶ主が1987年にヤングジャンプ新人賞で準入選デビュー
   した作品・・・ 「 雨のドモ五郎 」

 ★ 「漫画家アシスタント物語 第6章の10~」に書かせていただいた
   リョウさんが描いたイラストを公開中です・・・ 「 龍馬さんとボク 」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 
 
 
 

【 各章案内 】   「第1章 改訂版」  「第2章 改訂版」  「第3章 改訂版」
          「第4章 その1」  「第5章 その1」  「第6章 その1」
          「第7章 その1」  「第8章 その1」  「第9章 その1」
          「諦めま章 その1」   「古い話で章 その1」
          
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」




 

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15 コメント

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Unknown (みみ)
2015-03-13 12:24:01
>16歳で入った最年少のKさん

Kさんは、まだJプろでお仕事をされているのでしょうか。

片手で書くと、紙がよごれるとは知りませんでした。

そうすると、水木先生の原稿も同じことになっているのなかぁ、とおもいました。
返信する
みみさん、コメントどうもありがとうございました! (yes)
2015-03-13 21:20:06

Kさんは、数年前に亡くなっています。 亡くなる半年ほど前まで
Jプロで仕事をされていました。

 >水木先生の原稿も同じことになっているのなかぁ

本当に上手な人なら原稿を汚すことはあまりないと思います。

返信する
基準値は偉大なり (遅れてきた男)
2015-03-14 14:59:54
>被爆した広島の女性が長生きしているという話は初耳です。

扇 ひろ子(おうぎ・ひろこ、本名:田辺 博美、1945年2月14日 - )は、日本の演歌歌手。

広島県広島市段原中町(現:南区段原)生まれ。生後6ヶ月を目前にした1945年8月6日、爆心地から約2キロの自宅で被爆 現在70歳

哀愁海峡 扇ひろ子

https://www.youtube.com/watch?v=dh_7EscwrPk

https://www.youtube.com/watch?v=n7Kz7qhrNeU

美輪 明宏(みわ あきひろ、1935年5月15日---

10歳だった美輪は長崎への原爆投下時、長崎市本石灰町(爆心地から約4キロ)の自宅におり無事だったが[1]、その後、近くの防空壕で待機した後に、6日後の終戦の日に爆心地近くにあった生母の実家へ祖父母を1人で探しに行き、惨状を目の当たりにする

というふうに、原爆直撃、爆心地徘徊のあと、80歳過ぎても、元気に活躍しています。

おととい、TV報道で楢葉町から避難し、2年程度で帰宅できるときかされていた、90歳の老夫婦が、その後、除染があまり進まず、3年を過ぎて、夫が他界〔93歳〕し、その半年後に妻が自殺した報道がありましたが、80歳過ぎの高齢者は、放射線濃度が基準より高くても、帰還を認めてもいいのではないかと思いました。

100ベクレルとか、基準値にとらわれすぎな感じがします。
返信する
人権に自己陶酔する人々 (遅れてきた男)
2015-03-15 16:21:56
先日テレビで大沢弁護士が話していましたが、
「日本の司法研修は、いかに加害者の人権を守るかということを徹底的に教えられる」とのこと。

TVの共演者も、視聴者もびっくり。

大澤 孝征(おおさわ たかゆき、1945年7月14日 - )は、日本の弁護士
TV番組に多数出演.

そのため、普通2名を殺した殺人犯ならば、死刑になるところ、無期懲役となった。これは、この事件を担当した裁判官が、年齢的に見てそういう教えの中で育てられたグループであるためらしい。つまり、人権派裁判官ということです。

「みみかき店員殺人事件」
〔新橋ストーカー殺人事件【耳かき店員殺害事件】概要
2009年8月3日午前8時50分頃、東京都港区西新橋の民家で、耳かき専門店の江尻さん江尻美保さん(当時21歳)と祖母・鈴木芳江さん(当時78歳)が襲われて2名が死亡した事件〕

光市の母子殺害事件も、一審で死刑になりましたが、上級審〔広島高裁〕で、死刑は酷いだろうと差し戻し、つまり、死刑は棄却との判決が出て、殺された夫が怒り狂っていました。

概要
「1999年(平成11年)4月14日の午後2時半頃、少年A(当時18歳。以下、加害者、または時期により被告人若しくは死刑囚とする)が山口県光市の社宅アパートに強姦目的で押し入った。排水検査を装って居間に侵入した加害者は、女性を引き倒し馬乗りになって強姦しようとしたが、女性の激しい抵抗を受けたため、女性を殺害した上で強姦の目的を遂げようと決意。頸部を圧迫して窒息死させた。
その後加害者は女性を屍姦し、傍らで泣きやまない娘(生後11カ月)を殺意をもって床に叩きつけるなどした上、首に紐を巻きつけて窒息死させた。そして女性の遺体を押入れに、娘の遺体を天袋にそれぞれ放置し、居間にあった財布を盗んで逃走した。
加害者は盗んだ金品を使ってゲームセンターで遊んだり友達の家に寄るなどしていたが、事件から4日後の平成11年4月18日に逮捕された。」

広島高等裁判所での差し戻し審では、「母恋しさ、寂しさからくる抱き付き行為が発展した傷害致死事件。凶悪性は強くない」として死刑の回避を求める方針を明らかにしている。
以下は、差し戻し審の弁護団によって引き出された被告人の主張の一部である。
強姦目的ではなく、優しくしてもらいたいという甘えの気持ちで抱きついた
(乳児を殺そうとしたのではなく)泣き止ますために首に蝶々結びしただけ
乳児を押し入れに入れたのはドラえもんに助けてもらおうと思ったから
死後に姦淫をしたのは小説『魔界転生』に復活の儀式と書いてあったから

これらは、兵庫県生まれの安田 好弘弁護士「一橋大学法学部卒業。大学時代には全学共闘会議運動の活動家として活動し、弱者保護を主張」により、死刑回避のためのアイディアから導かれた主張です。
安田 好弘弁護士は、死刑が求刑された事件の刑事弁護を数多く担当し、死刑判決を多数回避させてきた経歴を持つ死刑廃止主義者。

さて、光市の事件は、夫の怒り狂い方がすさまじく、テレビでその様子が多数報道されたこともあって、最高裁で死刑が出ましたが、弁護団は再審請求を続けて、まだ、騒ぎまわっています。

一方、放射能問題も、福島のあと、私に言わせれば、人権派「基準値設定屋」たちが、100ベクレルだの、いやいや50ベクレルだのと言って騒いでいましたが、放射能については、誰も有史以来実験したことがないので、基準値をいかに厳しく設定するかで、各博士の人権度を競い合っているような気がします。

「おれは、こんなに厳しく設定したんだぞ、どうだ、俺の人権博士度は・・・」なんて、感じかな。

こんなこともあって、市長も、県知事も、政府も及び腰になって、住民の帰還を認めづらくなって、結局80歳代、90歳代の老人が、多数自殺したり、うつ病になったりしています。

世界の誰も実験していないのだから、死刑囚を福島の回りに住まわせて、死刑は当分延期するから、代わりにここで実験に協力してね、と実施してみるのがいいんじゃないかと感じるのです。

その場合、またまた人権派が騒ぎ出して、「死刑囚の殺される権利を守れ、人体実験反対」などといって、騒ぎ出しそうです。
返信する
遅れてきた男さん、コメントどうもありがとうございました! (yes)
2015-03-16 00:35:51

先日、ネットで病院のCTスキャナーを受けた人の10%は発癌する
ってな話がありました。(かなりいい加減な話)

放射線に発癌性があるのは明らかですし、どの程度でどの様な癌
になるかも多くの実証データがあるわけですが・・・・・・

それにしても、放射線をたっぷり浴びているのに癌にならない人
はなりませんよね。

元々、体に対癌免疫力を持っているのでしょうが・・・・・・こんな人
がだいたい100歳以上元気に生きてしまうのだと思います。

微弱な放射線を危険だと騒ぐのも結構ですが、添加物食品や排気
ガス、など、多くの化学物質による影響の方が深刻だったりする
かもしれません。

小さな事で悩むより、長生き老人から学ぶ事の方が賢明なのでは
ないかと思いますね。

昨日、テレビでオシッコ一滴で癌を発見するという科学研究が発
表されていましたが・・・・・・これからも癌がどんどん増えて(早期
発見されて)、さらに数々の検査方法が登場して・・・・・・一億総癌
患者、一億総痴呆症、一億総糖尿病、一億総鬱病・・・・・・なんて、
笑えません。

 >基準値をいかに厳しく設定するかで、各博士の人権度を競
 >い合っているような・・・・

「人権度」「博士度」など、興味深い話をありがとうございました。

とても皮肉のきいた面白い文章だと思います。

特に、被害者ではなく加害者に重きを置いた法曹界の教育など、意
外な事実が面白いですね。

もっとも、裁判そのものが「公平に裁く」ためのものではなく、元
々が被疑者をリンチにして殺したり、虐殺したりしない様に被疑者
の権利を守るためのものなので、ある意味、被害者感情と「公平」
を無視したものになるのも仕方がないのですが。

それにしても、「極悪人」(マスコミ的表現、あくまで権力者や金
持ちの犯罪者)の弁護士する人って嫌な感じがどうしてもしちゃい
ますね。

高額な報酬のためなら、「こんな奴の弁護なんかするのかよ!」・・
・・・・・ってな気持ちなってしまう人は少ないないと思います。

ちなみに・・・・

日本って、やけに死刑囚に優しいんですよね。(拘置所では死刑
を嫌がっているそうな)

ドイツじゃあの名車で有名な会社(みんなの憧れメルセデス)では
昔、死刑囚の死体を使った衝突実験で安全性の成果を得ていたと
いう写真を見た事があります。(日本ではダミー人形を使用)

さすが、ドイツだなぁ・・・・なんて思ったものでしたが、意外と死刑
囚を使った人体実験(医薬品の投与など)って結構あっちゃこっちゃ
の国でやってるみたいですね。

死刑が済んだ日本の囚人は、「罪を償った」と解釈して普通の
「一般人」として丁重に葬られるそうです。

・・・・・・・・殺した看守の罪滅ぼしかなのかどうかはわかりません。

返信する
今週のお散歩 (灰色ねずみ)
2015-03-19 00:20:02
ニッケコルトンプラザに行ってきました。

去年の年貢納税のためです。
コルトンプラザが、市川・浦安市民大納税会の会場になっています。

千葉県市川市鬼高一丁目

http://www.nikke-cp.gr.jp/shop/ex/floor.jsp

浦安から本八幡の近くの鬼高一丁目までは、約10キロありますが、バスで行っても、電車でも乗り換えや歩きがあって一時間はかかります。

そこで、原チャリで25分で現場に到着しました。
車だと、万一駐車場がいっぱいの場合、アウトになってしまいます。

現地では、ダイエー、ニトリなど100件ほどのお店が連なっていますが、巨大会場のため、納税大会がどこかは、わかりづらいです。
せめて、のぼりでも立てておいてもらえばわかるのですが、垂れ幕さえありません。

駐車場の前のおじさんに聞いたら、階段を登って2階に行って、人だかりがあるところが、「Tis is it」だと、教えてくれました。

会場入り口でお札〔フェリカの読み取りカード〕をもらって、ノートパソコンに認識させ、いよいよ、打ち込み開始です。
まず、自分の4文字*4セットの16文字を打ち込みます。
すると、住所・生年月日・sexなど、過去暦が自動で入ります。
あとは年金収入を記入すると、それから120万円を引いた数字が、自動的に雑所得として表示され、そのほか配当金や一時所得を打ち込んで、総所得が表示されます。
ここから、いよいよ納税申告のハイライト--医療費の記入に入ります。
うちの場合、養老院にいる母親の介護+医療費が40万円ほど、自分と奥さんが10万円づつで、60万円ほどとなりました。
ここから10万円か、または所得金額に5%を掛けた金額が、自動表示され、いずれか低い数字〔例えば所得が160万円なら、5%である8万円と10万円を比べて低いほうの8万円となります〕が自動で表示されます。

うちは、50万円でしたが、ここに交通費が加算出来ます。それぞれの人間の病院に行った日にちとバス電車タクシー代など、100枚ほどの支払い医療費のすべてに、webで調べた交通費をエクセルで一覧表にしたものを添付します。
2年前までは、交通費として、適当に各人5千円で、計15000円などと、総額のみ書いていましたが、実際には日々集計すると6万円になりました。
プラス4万円ほどですが、税率2割とすると、エクセル作りは、8千円のバイト代と言うことになります。

これを書き終わったところで、税務署のおじさんが走りよってきて、
「おたくの領収書、太っているからこっちへ入れようね」といいながら、大判の封筒に移し変えました。

そのさい、100枚ほどの、ありとあらゆる変な形をした領収書を10秒ほど、パラぱらっとめくって、どうやら日にち〔一昨年の分が混じっていないか〕をチェックしているもようのあと、
「はい、これは返すね」と言いながら、一年間苦労してかき集めた領収書は返してくれました。
「えっ、うちもいらないんだけど」というと、
「いやあ、税務署も手狭になってきて、もうチェックしたから、いいです。」
手書き郵送申告の場合は、全部封筒に入れて送るのに、大会場では、10秒ほどでチェックしてもうOKとなります。
5年保存と歌っていますが、税務署では、医療費についてはテキトーでおおむねOKなら、OKとしているようです。
そのかわり、年金は厚生省からの現物の葉書を必ず添付させます。
さて、今年のハイライトは介護医療費の控除です。長々とここまで書いてきたのは、これを言いたいためです。
ここに落とし穴があって、申告者の半分が一生に一度落ちる落とし穴が待っているのです。
それは、64歳までは国民健康保険税の中に介護医療費も含まれています。
65歳になった瞬間の年に、誕生日の翌月に「6万円」をコンビニで支払え、という支払い票が郵送されてきます。
「国民健康保険税〔28万円〕と同様に、銀行引き落としにしてよ」と電話すると「1回だけ、コンビニで支払ってください、フフフ」といわれます。
翌年からは、年金天引きになるのですが、最初の年だけは事務手続きが間に合わないという理由からです。
私もコンビニで支払った後、どこかにしまってそれっきりになっていました。
今年の3月に、いつものように「国民健康保険税 納税確認書」を市から受け取って、それを今年も添付したのですが、65歳になった年は、それとは別に介護保険の分も、別途「介護保険納税確認書」を受け取って、社会保険料として、ダブル計上しなければならないのです。
見落とせば、税率2割と見て、6万円*20%=12000円の損、という事になります。
しかし、64歳までは、「国民健康保険税 納税確認書」のしっぽの脚注に「○○介護保険税を含みます」といつも書いてあったので、証明書の金額の中に当然、介護税もふくまれているものと、脳みそにプリントされていたのですが、65歳になった年からは、含まれていなくなるのです。
ここが、年金おじさんの半分が落っこちる地下陥没アナとなって、税務署としては、ウハウハなのです。
しかし、64歳までは、「国民健康保険税 納税確認書」のしっぽの脚注に「○○介護保険税を含みます」といつも書いてあったので、証明書の金額の中に当然、介護税もふくまれているものと、脳みそにプリントされていたのですが、65歳になった年からは、含まれていなくなるのです。、
ここが、年金おじさんの半分が落っこちる地下陥没アナとなって、税務署としては、ウハウハなのです。
だか、本題は、ここからが納税劇のクライマックスなのです。
ここに、奥さんの介護医療税が絡んできて、市役所も知らない、2転、3転、4転のまるでジェットコースターのような、大活劇が待っているのです。
長くなりましたので、ここで休憩させてください。
返信する
続きです。 (灰色ねずみ)
2015-03-20 00:45:51
世界最初の推理小説は、「モルグ街の殺人」とされますが、現場での聞き込みによると、犯人はイタリー語を話していたといい、別の人はロシア語だったといいます。

さて、今回、私がプリントしてもらった「納税確認書」の脚中には、〔健康保険納税額28万円---脚中
世帯内に介護保険制度2号被保険者〔40~64歳〕がいる場合は、介護保険料を含みます。国〔民健康保険税として控除してください。〕とあります。

この用紙を税務署員に見せたところ、私も意味不明でしたが、税務署員も
「何を言っているのか、わからんねえ」
といってました。

今回改めてよくよく読んでみましたが、結局わかりません。

そこで、類推解釈をすると、〔介護保険制度被保険者〕には、40~64歳の2号と、65歳以上の1号がいます。

http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/zaisei/sikumi_04.html

2号は、実際の介護費全国集計の3割を負担し、1号は2割を負担し、残り5割は国と市町村が税金で負担するように、国が割り当てを行っています。

そのなかで、先ほどの脚中が言いたいことは、奥さんが扶養対象の場合は、介護保険料の中に奥さんの介護税負担額が、夫の介護税の中に含まれており、64歳までの徴収においては、健康保険にONして、加算して請求される、と言うことです。

それが、65歳になった瞬間から、夫は1号に放り込まれ、例えば6万円を直ちにコンビに払いを命じられ、奥さんは65歳になった瞬間に、夫の介護税の傘の下からはがされ、自らの名で、コンビニで納付しなければならないということです。

したがって、私が納税時に「いつもの納税額確認書」を取っても、65歳になった年は、その文章の脚中に「・・・・・・は、介護保険料を含みます。」と書いてあったとしても、実際には、介護保険料を含んでいないので、別途介護保険課に行って、別の「介護保険料確認書」を取らなければならなかったということです。
問題は、ここからです。モルグ街に入り込むのは・・・。
私が、健康保険課に行って確認書を請求すると、
「何に使いますか」
と聞かれるので
「確定申告用です」というと、
「はい」と言って、PCをいじってプリントしてくれるのですが、その際
「介護保険課にも行く必要がありますよ」とは、けして教えてくれません。
一方、もらった用紙には「・・・・・・は、介護保険料を含みます。」とあります。
このため、去年は社会保険料の過少集計で、約1万円の損失となってしまいました。
今年も、同様の結果になっていたのですが、納税の前日の3月15日に、添付書類の確認をしていたら、厚生省からの年金額証明用の葉書の末尾にシロアリの足跡のような幽かな字で「(介護保険税6万円)」と、そしらぬ文字を発見したので、何かが引っかかって、納税会場に行く途中で市役所に立ち寄って聞いたところ、「もちろん、介護税は別に確認書を取る必要がありますよ。」との答えでした。
このような流れで、私は、フロアーも建物も違う介護課に行って、今年は危うく1万円の損失を免れました。
だか、今年もまた別の過少集計が発生してしまいました。
奥さんの介護保険料の計上が漏れていたのです。
奥さんの介護税のコンビニ払いは、約4万円でしたが、私が払いに行ったのを覚えています。
この場合、奥さんが自分で払った場合は、経費計上は出来ないのですが、夫が払った場合は経費計上できるのです。
これこそ、朝三暮四みたいなものです。
だれが、コンビニでの支払いをみているのでしょうか。インチキくさい話ですが、本当なのです。
さて、ようやく締めが近づいてきました。
納税が終わった後、私が税務署に「妻の今後の介護税を、夫の銀行口座から引き落とした場合は、夫の申告のとき、経費化計上できますか」
と聞いたところ
「その場合は、当然、経費として社会保険料に計上できます」
との答えでした。
現金払いだと、実際は夫が払っているのかどうか、あやしいですが、夫の銀行口座からの引き落としなら、証拠性はばっちりです。
そこで、翌日市役所の介護保険課で
「今後の奥さんの介護税の引き落とし口座を私の口座にしたいので、申請用紙をもらいにきました。」
と告げると、27歳ぐらいの職員が
「奥さんの介護税は、年金からの天引きのみが許可されているので、それ以外は出来ません」
と、涼しい顔で告げられました。
「そんなの、常識ですよ」



返信する
Unknown (ぬー)
2015-03-22 17:14:04
今回のはぐれの人物画、序盤こそ少し歪んだ部分がありましたが
後半になるにつれて筆が乗ってきたのか
どんどん正確さと迫力を増し、最終ページに至っては恐ろしい程でした。

しかし、最近のジョージ先生はどうしたんでしょうか?
絵に凄く気合が入っていて、読者としては嬉しいのですが
急にここまで復調されるとかえって何があったか心配です。

イエスさんの重厚な背景と、ド迫力のジョージ先生の人物絵で
最近のはぐれは毎回5度くらい読み返します。

ところで、金貸しが最後に金を送ったのは善意ではなく
「これだけの大金を急に与えられて、幸せになれるものならなってみろ」という挑戦にも見えましたがどうでしょうか?
返信する
灰色ねずみさん、ぬーさん、コメントありがとうございした! (yes)
2015-03-23 04:50:09

 >灰色ねずみさん へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「今週のお散歩」をありがとうございました。

今回は、前編、後編、合わせてかなりの長文でしたが・・・・・・お疲れに
なったのではないでしょうか・・・・・・ホントにありがとうございました
(申し訳ないほどです)

そうは言っても、税金のややこしさは困ったものです。

簡単に確定申告させないための防壁になっているのではないかと思え
るほど。

私は、カミさんがマッサージのお店をやっている間、確定申告をして
いたのですが・・・・・・あまりにも面倒なので2年目からは税理士さんに
お願いしていました。

ちなみに、商売すると必ず払うのが「消費税」です。

税務署なんて意外といい加減なところがあるな・・・・・・と思ったのです
が、普通は開業から3年すると消費税の支払い請求があるそうですが、
うちには来なかったのです。

知らぬふりをしていれば、それで済む(違法です!)のかも知れません
が・・・・・・

ここで、正直に払うべきか・・・・・・払わざるべきか・・・・・・迷うわけです。

金額は100万円には届きませんが、50万円は超える金額です・・・・・・消
費税支払いのために1年間、少しづつ貯めたものです・・・・・・。

税理士に相談すると・・・・・・税理士も「ど・・・・・・どうしましょう」と困惑
しています。

きっと、うちのお店なんか小さ過ぎて網から漏れてしまったのかも知れ
ません・・・・・・。

私は、後ろめたい気持ちにはなりたくなかったので、正直にこちらから
申告して支払う決断をしましたが、この後、毎年支払うこのお金が結局
経営を圧迫していく事になりました。

メニューの価格に消費税をのせるのは、安いマッサージを売りにしてい
たうちとしては、出来ない相談で・・・・・・・どうしても自腹を切る事になる
わけです。

ちなみに、小さなお店なんて最初から開業届なんて出さずに、税金も払
わないでやっているところが少なくないみたいですね・。

ですから、もし、私がこのお金を懐に入れてしまっていても、誰にも知
られる事はなかったのかも知れません・・・・・・・

税金だの保険だの、やたらと複雑ですが・・・・・・・その事がかえって「網」
にすき間(ボロ)が出来てしまう結果になる様な気がします。

話は違うんですが「介護保険」って、うちの母親の世話をする様になっ
て知ったのですが・・・・・・・めちゃくちゃですね。

集金する時は、血も情けもなくきっちりしていますが・・・・・・・金の流れ、
つまり使う段になるとめちゃくちゃです!

いつか、機会があったら書いてみたいですね・・・・・・・どうして、こんなデ
タラメがマスコミで問題にならないのか不思議です・・・・・・・払っている方
は、まったくバカみたいなもんです。


 >ぬーさん へ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「H雲」、ご愛読いただき、ありがとうございますです。

また、わざわざ、拙ブログへのご感想、恐縮です。

うちの師匠も・・・・・・・

ここ数年は歳のせいか、画風に波が出てしまうのです・・・・・・・好調、不調
が極端に出てしまうみたいです・・・・・・・良い時もあれば、悪い時もあるみ
たいな・・・・・・・・・・(適当な様ですが、真剣なのです)

ところで、作品のお金の話ですが・・・・・・ああしたオチは、先生のお得意わ
ざでカッコ良い歌舞伎の見得みたいなものです。

本人の「夢」なんじゃないでしょうか・・・・・・

女郎に店の売上金を全部やっちゃうとか、貧乏人に大金をばらまくとか・・・
・・・!

現実には絶対する人じゃありませんから。(冗談です!)

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税の横綱 (灰色ねずみ)
2015-03-24 01:33:04
>こんなデタラメがマスコミで問題にならないのか不思議
>いつか、機会があったら書いてみたい

どんなからくりになっているのか、ぜひお伺いしたいところです。

ところで、去年の私の申告所得額は、年金が260万円+その他所得が140万円で、合計400万円でした。

これに対する所得税は3万円、住民税7万円で、合計所得税は10万円です。

一方、健康保険税が28万円+介護保険税が6万円で34万円

さらに、消費額が食費等120万円+諸雑費40万円+光熱費40万円で、消費税対象額200万円に対し、200万円*8%=16万円で、合計税金は60万円〔所得の15%〕となりました。

消費税が10%になると、さらに4万円がプラスになります。

横綱〔健康保険+介護保険税 34万円〕

関脇〔消費税16万円〕

小結〔所得税10万円〕

上記税の横綱は、ダントツで健康保険税関係です。

これらは、半分を一般税から補充し、残りを、1号〔65歳以上〕が2割、2号〔40-64歳〕が3割の負担として、国家から去年の医療+介護費の実額で、計算により自動的に割り当てられます。

だから、今年の医療費が膨らめば、来年の健康保険関係税も、自動的に上乗せされます。

これについては、国会審議もなく、ニュースにもなりません。
消費税を引き上げるのに、国家体制が転覆〔政権交代〕するほど大騒ぎするのに、それよりもはるかに多額の医療関係税
〔個人負担34万円に国家負担分85万円=約120万円〕は、国民全体でかかった分だけ、自動割り当てになります。

その医療費の実態は、病院が薬を湯水のごとく、花火のごとく国民に振りかけているのが現状です。

私の場合、55歳から糖尿病といわれ、薬をもらい始めましたが、61歳からインスリン注射を受けるようになりました。
薬だけだと、毎回3割負担で、月一で6000円程度〔年間7万円〕でしたが、インスリンを打つようになると、16000円と、毎月1万円アップ〔年間18万円〕となったので、極力費用を抑えるため、毎回注射針を取り替えて注射するのを、アルコ-ル綿で、針先を消毒して、3日間、約10本分を1本で済ませ、針先を打撃して血をだす針も、同様に10分の一まで節約していたのですが、3年ほどして、そういった努力は意味のないものと、気づかされました。
自宅注射管理料などという名目で、注射針も、打撃針も「節約に関係なく、自動的に料金をとられる」ことになっていたのです。
これには、びっくりしました。
もともと、明細票に一つづつの表示がないので、わかりづらかったのです。
この結果、一人のインスリン患者が出ると、年間1100本の注射針と、1100本の打撃針が消費されるものと認定され、80歳の平均寿命で計算すると、60歳からの20年で、合計44000本の針どもが消費されるのです。

これはもう、湯水と言うより「ダムが決壊した」といえるような状況なのです。

介護老人も、「要介護者5」の場合、一人400万円の介護費がかかり、自己負担の1割である40万円を除いた360万円が、国家の負担となります。

最大は、透析患者で、一人当たり年間500万円と言われています。
知り合いの本屋の経営者が言っていたのですが、「個人負担はゼロ円だよ」とのことでした。

恐ろしい話です。

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