今回は音楽の話。
中学3年になった時、やっと自分の勉強部屋が持てた。
部屋には兄の手製ラジオがあり、勉強そっちのけでそのラジオで洋楽ポップスを聞いた。
丁度、『シェリー』(フォー・シーズンズ)がヒットしていた頃である。
ヒット・チャート番組が楽しく、夢中になって聞きまくった。
6月になると、季節のタイミングもよく『悲しき雨音』(カスケーズ)が一位を独走し出した。
雷の音に続くあの出だし。この軽やかでしっとりした感じに私は痺れたりした。
今聞いても飽きないこの曲は、10月頃まで上位の常連だった。
此の間、『悲しき雨音』に負けじと、『ミスター・ベイスマン』(ジョニー・シンバル)や『ヘイ・ポーラ』(ポール&ポーラ)が出てきて賑わした。
秋になると、『アイ・ウィル・フォロー・ヒム』 (リトル・ペギー・マーチ)、『愛しのラナ』(ヴェルベッツ)、『ビー・マイ・ベイビー 』(ロネッツ)とヒットが続く。
今でも耳にするオールディーズは、この'63年にヒット曲が揃っていて、名曲がゴロゴロあった。
中でも私が大好きだった曲は、先ほど挙げた『アイ・ウィル・フォロー・ヒム』や『ビー・マイ・ベイビー 』、
それに『シェリー』と順位を競った『ボビーに首ったけ 』(マーシー・ブレイン)である。
特に『ボビーに首ったけ』はたまらなかった。
この曲は、18歳だったマーシー・ブレインのデビュー曲である。
しかし、彼女の歌手生活は3年程だけで、その後プロをやめてしまった。
それほど、厳しい競争社会だったのである。
当時、ステレオ装置を持っている友人がいた。厳密に言えば、友人の兄さんの持ち物であったけど。
その友人は、毎月2枚ほどシングル盤レコードを買ったりしていた。
私はレコード・プレイヤーを持っていなかったので、これ幸いと選曲はすべて私がして、聞きたいヒット曲を買わせた。
そして、その兄さんがいない時に、二人でステレオのボリュウムをいっぱいに上げて聞いた。
それはそれは興奮する、何とも言えない素晴らしい体験だった。
最近、その彼と飲む機会があったので、あの時のレコードはどうしたかと聞いてみたら、随分前に全部ゴミとして廃棄してしまったと言う。
捨てるぐらいなら譲ってほしかったのにと、それを聞いた私は非常に残念な気がした。
私にとって本当に勿体ない話だった。
あの『ボビーに首ったけ』をYouTubeから貼り付けておこうと思う。
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